「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

大病院の老老介護の現実から思う

2015-05-13 05:41:36 | Weblog
昨日、大腸ガンの腹腔手術から半月後、初めてのCT検査を受けに老妻に伴われて出かけた。独りでも通院できるのだが、心配して同伴してくれた。幸い、手術を受けた国立病院は、自宅からバスで10分ほどの距離である。CT検査は午前9時半だったが、9時のバスで十分間に合い、待たずにCTと血液検査を終え、会計で30分待たされたが、11時半には帰宅できた。よく地方に住む友人から病院通いは一日がかりだという話を聞くが、その点東京は恵まれている。

一昨年、膝の人工関節手術を受け、身障者4級の指定を受けるまで、後期高齢者でも窓口負担が3割だったが、昨年から1割になって助かった。それでも画像診療(CT)が3,415円、検査料(血液)が568円、合計4,380円もする。しかし、領収書をみると、実際の診察料は保険料負担が、採血料5,12円、CT料金30,736円という巨額である。改めて、この国(日本)の老人福祉制度に感謝した。

朝早くから、広い病院は患者で一杯である。僕の診療受付番号はすでに500番台であった。しかも通院患者の大半は、僕らと同年代のお年寄りで、一人が車イスに乗り、一人がこれを押している老夫婦が多い。まさに”老老介護”である。その点、僕ら夫婦はまだ幸せである。しかし、いつまで、こういう状態でおられるだろうかー。ここ一、二年90歳代の先輩がめっきり老人施設に入居するケースが多くなってきた。

経験したことがない”超高齢化”時代である。高齢者医療福祉は世界でも恵まれている。しかし、財政的にいつまでこれが維持できるのであろうか。病院でのお互いに支えあう、車イスの老夫婦の多いのを見て、改めて僕はそう思った。