”やれやれ、またか”と思うのは韓国最高裁の徴用工判決をめぐる韓国との外交交渉だ。日本側はこの判決を受けて1960年の日韓条約に基づき二国間で協議するよう申し出た。ところが、韓国は一向に応じてこない。そこで、今度は第三国を交えた仲裁委員会を設置しようと提案した。外交としては正道なのかもしれないが、これで解決するとは思えない。
今の韓国の文在寅政権は言葉は悪いが”ならず者”外交である。その典型が2015年の慰安婦合意だ。両国の外相が”最終的、不可逆的”なものとして、合意したのに、政権が変わったとはいえ、約束を守らず反故にしている。この徴用工問題にしても、すでに半世紀以上も前に両国政府が合意し、わが国は莫大な賠償金を支払っている。
不謹慎だが、外交はトランプのポーカー遊びに譬えることがある。曰く”ポーカーファイス”、曰く”ブラッフを張る”。どちらも相手に勝つため、顔色で誤化したり、虚勢を張ったりすることだ。どうも日本の対韓外交にはそれがみられない。謝罪が先行して、相手のペースにはまっている。
6月には大阪でG-20サミットが開かれ、文在寅大統領も来日するが、安倍総理にとっては良いチャンスである。韓国が仲裁委の設置に同意しなければ、文大統領と個人的にあう必要はない。機会があれば、国際会議の場で、日本の立場を明らかにすべきだ。”ならず者”国家である。先手を取られて何をしでかすかわからない。