よく耳にすることの多いプッチーニの『ジャンニ・スキッキ』から「私のお父さん」
ソプラノのアントニエッタ・ステッラが歌います。 ステッラごく若き日の録音ですね。
フィレンツェの裕福なスキッキ家の娘、ラウレッタは恋人との結婚を父親に了承してもらおうと「もし、反対したらアルノ河に身を投げます」
と父親を脅します。子煩悩なスキッキは困り果てます。これはハッピーエンド。
古代のハニートラップ事件? 旧約聖書にあるのですよ。それがこの物語です。
英雄サムソンは絶世の美女で今でいう「工作員」にまんまとひっかかって「神通力」を失います。
妖艶なる傾城傾国の美女、デリラがサムソンを誘惑するアリア「君が声にわが心は開く」を、ロシアの至宝、エレーナ・オブラスツオーヴァが歌います。この役はドラマティックなメッツオ・ソプラノが得意としてきた有名な曲です。
このyoutubeはオブラスツオーヴァの来日公演から。
指揮は今は亡き森正先生です。
では極めつけのプッチーニ『トスカ』から。マリア・カラスのトスカ。ジョージ・ロンドンの悪漢スカルピア男爵、ふたりとも実在の人物で
トスカはソプラノ歌手でした。
この物語でのイタリアは分割され、国内は大混乱していました。
政治犯にされ、捕えられた恋人の画家、カヴァラドッシを釈放してほしいと願いますが、果たせず、最後はスカルピアを殺してしまうのですが。
これはアメリカのテレビ番組「エド・サリバンショー」のものです。
カラスは名舞台女優のように、心理表現や演技は天性のもの、ただアップになると・・・。
では最後に、ドラマティックなテノーレ、マリオ・デル・モナコの歌うプッチーニ『マノン・レスコー』から「私は狂人ではありません」
をお聴きください。
美しいマノンに魅せられ、マノンが罪人として新大陸アメリカに護送されようとするとき、青年デ・グリューは、役人に自分も一緒に
アメリカに行く、と言います。驚く周囲に「私は狂人じゃない」と・・・この歌い方は「肺腑をえぐる」とも評された名唱です。