「しかし、俺って、どうしていつもこう外すのか?」と1週間前に気付いたこの公演でした。というのは、今回の『アドリアーナ・ルクヴルール(Adriana Lecouvreur)』の目玉の一つは、タイトルロールのアンジェラ・ゲオルギューと相手役のヨナス・カウフマンの豪華コンビ競演のようなのですが、自分が買ったチケットは、このシリーズ中、2回しかないゲオルギューの出番でない日。この前の『リゴレット』も、メジャーバリトン歌手のディミトリー・ホロストフスキーじゃない日のチケットだったし。週末しか確実に行ける日が無いので、いつも歌手でなくてカレンダーでチケット買っているからこうなるんだけど・・・
ということで、ゲオルギュー無しの今回の『アドリアーナ・ルクヴルール』(あらすじはこちらのWikiを→)でしたが、公演自体は歌、舞台、オケが三位一体となったとってもレベルの高い公演でした。
私には、マーク・エルダーが指揮のオーケストラの演奏が特に素晴らしいと感じられました。音楽自体もとても聞き易いメロディなのですが、場面や心情により添った音楽は、優しく美しいのが印象的でした。
歌手陣も高いレベルのパフォーマンスを披露してくれました。ゲオルギューの2番手起用のアンヘレス・ブランカス・グリンは、歌もさることながら、演技が素晴らしい。第3幕のブイヨン公妃との対決さや当てシーン、第4幕のラストシーンなど見ごたえ十分でした。カフマンは相変わらずいい男。演技も旨いし、歌も良く、なんか独特のオーラを持つ人です。あと、ブイヨン公妃役のミカエラ・シュスターも存在感高い。もう一人、いぶし銀のように舞台を支えていたのは、ミショネ役のAlessandro Corbelli
。秘かにアドリアーナに恋心よせるものの叶わない初老の舞台監督を哀愁たっぷりに演じていたと思います。
あと、舞台セットは奇をてらったものではなく、正統でかつこった舞台でした。時代感がとっても良く出来ていて、良かった。
ただ、私としてはこのオペラ、話自体があまり好きではありません。まとめちゃうと、一人のイケメン伯爵と彼を巡る二人の女性の3角関係のもつれ話し。こういう話はオペラにありがちですが、この作品はあまりにもストレートすぎて、なんか奥行きがあまり感じられません。なので舞台、音楽、歌手には惹かれつつ、ストーリにはあまり投入することができず、ちょっと覚めた自分だったのが残念でした。
(Alessandro Corbelli)
(左からミカエラ・シュスター、ヨナス・カウフマン、アンヘレス・ブランカス・グリン、マーク・エルダー)
(ヨナス・カウフマン)
Adriana Lecouvreur
Saturday, November 27 7:00 PM
Credits
Composer: Francesco Cilea
Director: David McVicar
Set designs: Charles Edwards
Costume Designs: Brigitte Reiffenstuel
Lighting design: Adam Silverman
Choreography: Andrew George
Performers
Conductor: Mark Elder
Adriana Lecouvreur: Ángeles Blancas Gulín
Maurizio: Jonas Kaufmann
The Prince of Bouillon: Maurizio Muraro
The Princess of Bouillon: Michaela Schuster
Michonnet: Alessandro Corbelli
L'Abbate di Chazeuil: Bonaventura Bottone
Poisson: Iain Paton
Quinault: David Soar
Madame Jouvenot: Janis Kelly
Madame Dangeville: Sarah Castle
ということで、ゲオルギュー無しの今回の『アドリアーナ・ルクヴルール』(あらすじはこちらのWikiを→)でしたが、公演自体は歌、舞台、オケが三位一体となったとってもレベルの高い公演でした。
私には、マーク・エルダーが指揮のオーケストラの演奏が特に素晴らしいと感じられました。音楽自体もとても聞き易いメロディなのですが、場面や心情により添った音楽は、優しく美しいのが印象的でした。
歌手陣も高いレベルのパフォーマンスを披露してくれました。ゲオルギューの2番手起用のアンヘレス・ブランカス・グリンは、歌もさることながら、演技が素晴らしい。第3幕のブイヨン公妃との対決さや当てシーン、第4幕のラストシーンなど見ごたえ十分でした。カフマンは相変わらずいい男。演技も旨いし、歌も良く、なんか独特のオーラを持つ人です。あと、ブイヨン公妃役のミカエラ・シュスターも存在感高い。もう一人、いぶし銀のように舞台を支えていたのは、ミショネ役のAlessandro Corbelli
。秘かにアドリアーナに恋心よせるものの叶わない初老の舞台監督を哀愁たっぷりに演じていたと思います。
あと、舞台セットは奇をてらったものではなく、正統でかつこった舞台でした。時代感がとっても良く出来ていて、良かった。
ただ、私としてはこのオペラ、話自体があまり好きではありません。まとめちゃうと、一人のイケメン伯爵と彼を巡る二人の女性の3角関係のもつれ話し。こういう話はオペラにありがちですが、この作品はあまりにもストレートすぎて、なんか奥行きがあまり感じられません。なので舞台、音楽、歌手には惹かれつつ、ストーリにはあまり投入することができず、ちょっと覚めた自分だったのが残念でした。
(Alessandro Corbelli)
(左からミカエラ・シュスター、ヨナス・カウフマン、アンヘレス・ブランカス・グリン、マーク・エルダー)
(ヨナス・カウフマン)
Adriana Lecouvreur
Saturday, November 27 7:00 PM
Credits
Composer: Francesco Cilea
Director: David McVicar
Set designs: Charles Edwards
Costume Designs: Brigitte Reiffenstuel
Lighting design: Adam Silverman
Choreography: Andrew George
Performers
Conductor: Mark Elder
Adriana Lecouvreur: Ángeles Blancas Gulín
Maurizio: Jonas Kaufmann
The Prince of Bouillon: Maurizio Muraro
The Princess of Bouillon: Michaela Schuster
Michonnet: Alessandro Corbelli
L'Abbate di Chazeuil: Bonaventura Bottone
Poisson: Iain Paton
Quinault: David Soar
Madame Jouvenot: Janis Kelly
Madame Dangeville: Sarah Castle