その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ゲルギエフ指揮 ロンドン交響楽団 (LSO) マーラー交響曲第一番「巨人」他

2010-11-19 22:53:06 | コンサート (in 欧州)
 一週間で一番嬉しい時間帯である金曜日の夜。ゲルギエフ指揮のロンドン交響楽団の演奏会に出かけ、先ほど帰宅しました。この日のメインはマーラーの交響曲第一番「巨人」。この曲は、夏のプロムスでサイモン・ラトルとベルリンフィルの凄まじい演奏を聴いた(こちら→)ので、今夜のコンサートはちょっと行くのが怖かったです。「我らゲルギーとLSOのコンビは、ベルリン・フィルに負けない感動を与えてくれるだろうか?与えてくれるに決まっている」、そう信じながらも、少し不安な気持ちも持ちながら臨んだのです。(まあLSOの人にとってみれば余計なお世話もいいところでしょうか・・・)

 結果は・・・・、演奏は素晴らしかったです。LSOらしい金管の爆発力、木管の技、弦のアンサンブルが見事に組み合わさった素晴らしい演奏だったと思います。

 が・・・、とっても残念なのですが、何故か最後まで自分はこの演奏に乗りきれませんでした。音楽の教育や訓練を受けていない自分は、この理由を言葉で説明できないのが、本当にまどろっこしいのですが、演奏は楽しんだものの、演奏全体から何かを感じとることができなかったのです。第一楽章の冒頭はもっと静かに入るんではないのか?とか、ちょっと節々でピッチが凄く上がったりするなどパーツパーツの違和感もあったのですが、どうも何か曲全体が自分の中で繋がらない。ゲルギーがああもしたい、こうもしたいと思って指揮しているだと思うのですが、それがきっととても微妙なバランスのなかで成り立っていて、自分には伝わらない。そんな感じでした。

 終演後拍手は凄いものでしたから、きっと他のお客さんには感じられた何かが自分に感じられなかったのかもしれません。金曜日の夜という最も疲れた体のせいかもしれません。ゲルギーの解釈との相性かもしれません。でも、私的にはとっても残念でした。





 順番が逆ですが、一曲目はロシアの作曲家ロディオン・シチェドリンのピアノ協奏曲第4番。いつも金曜日の演奏会の一曲目は鬼門なのですが、今週は特に忙しかったので、3分と持たず、撃沈してしまいました。ゴメンナサイ。意識があったのは後半10分ぐらいです。フィンランド人のOlli Mustonenのピアノは、汗いっぱいの熱演で、北欧人らしい透き通るような白い顔を真っ赤にして激しく弾いていました。難しそうな曲だったので、仮に意識があっても、解らなかっただろうと自分を無理矢理納得させました。

(Olli Mustonenとゲルギエフ)



 LSOは明日から日本公演に旅立つらしいです。今日の演奏は、私とはうまく合いませんでしたが、素晴らしいオーケストラですので、日本の方は是非、お楽しみください。以前、LSOの事務局の方(日本人)とお話をする機会があったのですが、LSOのメンバーは日本公演をいつもとても楽しみにしているとのことでした。サントリーホールが楽員には一番人気があるとのことです。是非、いつもの素晴らしい演奏を披露してきてほしいです。


London Symphony Orchestra / Valery Gergiev
19 November 2010 / 19:30
Barbican Hall

Rodion Shchedrin Piano Concerto No 4 ('Sharp Keys')
Mahler Symphony No 1

Valery Gergiev conductor
Olli Mustonen piano
London Symphony Orchestra



コメント (12)
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