いよいよ本書からローマの全盛期である紀元二世紀の、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヲス・ピウスの三皇帝の時代に入ります。まず、本巻では、初の属州出身皇帝のトライアヌスの治世が描かれます。
いろいろ驚かされることの多いローマ帝国ですが、スペイン南部の属州出身者であるトライアヌスが皇帝になるというのには驚きました。まさに、『勝者であるローマが敗者の属州を支配しつづけるのではなく、属州までも巻き込むことによって一大「共同体」を創生していったのがローマ帝国だが、皇帝たちの出身地の移行の過程に、それが最も具体的な形で示されている』(p29)のです。
更にトライアヌスの仕事ぶりにも驚かずにはおられません。ダキア征服による防衛線の再編、帝国全域を巻き込んだ一大公共事業ラッシュ、どれもそのスケールの大きさや仕事の手早さは、ホントお見事です。
本書では70ページを割いて、史料の乏しいダリア戦役について、トライアヌス円柱に掘り込まれた浮彫りを解読しながら、再現します。一度訪れたローマですが、再び足を運んで、もう一度このトライアヌス円柱、トラアヌスのForumなどを見学したくなりました。
いろいろ驚かされることの多いローマ帝国ですが、スペイン南部の属州出身者であるトライアヌスが皇帝になるというのには驚きました。まさに、『勝者であるローマが敗者の属州を支配しつづけるのではなく、属州までも巻き込むことによって一大「共同体」を創生していったのがローマ帝国だが、皇帝たちの出身地の移行の過程に、それが最も具体的な形で示されている』(p29)のです。
更にトライアヌスの仕事ぶりにも驚かずにはおられません。ダキア征服による防衛線の再編、帝国全域を巻き込んだ一大公共事業ラッシュ、どれもそのスケールの大きさや仕事の手早さは、ホントお見事です。
本書では70ページを割いて、史料の乏しいダリア戦役について、トライアヌス円柱に掘り込まれた浮彫りを解読しながら、再現します。一度訪れたローマですが、再び足を運んで、もう一度このトライアヌス円柱、トラアヌスのForumなどを見学したくなりました。