もう15年も前になりますが、米国中西部の田舎に一時生活していたころ、アメリカのサービス業(スーパーのレジとか、ファーストフードのカウンターとか)の接客の愛想のなさにはほとほとあきれ返っていました。バーガーキングやスーパーのカウンターで不機嫌な口調で"Next"と呼びつけられるのが、何とも腹正しく、不快でした。日本に帰国した際、マクドナルドの店員さんが、(まあ、あれが良い・悪い/好き・嫌いは、人によりいろいろあるとは思いますが・・・)「いらっしゃいませ」と笑顔でお迎えしてくれると、やっぱりは日本はいいもんだと思ったものです。
ロンドンはどうかというと、日本ほど良くはないけど、アメリカほど悪くはありません(今のアメリカはまた違うかもしれませんが)。ロンドンのバーガーキングでもスーパーでもまず、"Next"ということはなくて、"Next, please."です。買い物が終わると、"Have a nice day!"とか言ってくれる人もいます。こんなちょっとしたことでも、受ける印象は全然違うものです。ただ、日本のマックみたいに、チアリーダーばりのSmileを振りまくことはあまりありません。
ただ、最近は、このロンドンでも、日本並みのSmileを売りにしている(と思われる)お店が出てきています。写真は、職場近くのサンドウイッチ屋さんとと持ち帰りSUSHI(残念ながら「寿司」とはちょっと違います)屋さん(いずれもチェーン店)ですが、このお店の店員さんの笑顔と愛想の良さはなかなかのものです。正直、欧米の接客で、日本並みの悪く言うと大袈裟でわざとらしい笑顔はまるで期待していませんから、最初はとっても不自然で奇異な感じがしました。白人の若い姉ちゃんが、カウンターの向こうから俺に向かって微笑んでいる・・・(オジサンっぽい表現で失礼)、そして"How are you doing?"とか一言挨拶してくる。これは正直かなり違和感があります。全く慣れてませんから・・・
でも、慣れるとやっぱり例え営業スマイルであっても、悪い気はしないものです。そして、この2つのお店は常に混みあい、従業員は笑顔だけでなく動きもとってもキビキビしていて、無駄がないのです。やっぱり、笑顔とか挨拶は、職場、お店に活気を与え、明るくするんだと思います。
この手の軽食店は、数も多く競争も激しいため、マーケティングで言うところの「差異化」の一つとして、接客に注目したのだと思います。いわゆるサービスにお金を払う高級レストランと違う、この手の一般向けチェーン店でも、サービス品質に注目し、アクションを取っているというのは、欧米企業も変わってきていることを実感させられます。