その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

London Symphony Orchestra / Sir Simon Rattle

2011-03-08 22:25:08 | コンサート (in 欧州)
つい先日、このバービカンホールでベルリンフィルを率いたサイモン・ラトルの指揮、ロンドン交響楽団による演奏でブルックナーの交響曲第9番を聴いた。

「また聴いてしまった。こんなに素晴らしい音楽を当たり前のように聴いていいものだろうか?」が終わったあとのつぶやき。ラトルの創る音楽は限りなく美しい。ブルックナーの音楽が自分の魂のなかに染み透るような感覚になる。どんな音楽的メッセージも要らない。ただ音に体を晒しているだけで、自分の心身までもが清められる気がした。集中して、音の色彩や陰影や音楽の構成が感じ取れる。

今日は久しぶりに2階席。最近2回連続で、前列かぶりつき席が続いたが、今日は全体がよく見渡せる。金管の咆哮、木管の調べ、弦の厚み、どれも素晴らしい。前列のような生々しさはないが、奏者、指揮者を見ながらバランス良く聴けるのが良い。ラトルは細部までしっかりコントロールを利かせて指揮しているように見受けられるが、LSOもリクエストにしっかり応えていた。

終演後、ロンドンの聴衆はこのイギリス指揮者と地元のオケに惜しみ無い拍手を送った。ロンドンのオケだって負けてないのである。

休憩前は、メシアンの「われ死者の復活を待ち望む」。管楽器と打楽器だけの音楽。キリストの復活とかを歌った宗教音楽らしい。銅鑼がバンバンなって、弦楽器もないし、いかにもメシアンという曲。目新しさという意味では面白いし、LSOの演奏も素晴らしい。でも、私にはまだ理解できない音楽。

London Symphony Orchestra / Sir Simon Rattle
Music by Messiaen and Bruckner
7 March 2011 / 19:30
Barbican Hall

Messiaen Et exspecto resurrectionem mortuorum
Bruckner Symphony No 9

Sir Simon Rattle conductor
London Symphony Orchestra

コメント
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