かなり気に食わない表紙です。今週のEconomist誌。
予想通り、特集記事として巻頭記事(”The fallout: Some natural disasters change history. Japan’s tsunami could be one”)から始まり、3ページちょっとにわたる地震被害とその影響のレポート(”Nature strikes back: Can fragile Japan endure this hydra-headed disaster?”)、そして原発事故の記事が2ページ(“The risks exposed: What the damage to the Fukushima plant portends for Japan- and the world”)、そしてアジア各国がこの惨事をどうとらえているか(“Japan and the uses of adversity: The rest of Asia watches with horror, pity and admiration”)記事が1ページと計4本もの記事が出ています。表紙は気に入りませんが、中身はバランスが取れていて、楽観論でもなければ、悲観論でもありません。
エコノミスト誌は、太っ腹でかなりの記事がインターネットで見ることができます(こちら→)。印刷版とは違う記事もありますので、あわせて読んでも面白いです(そんなこと、滅多にしませんが・・・)。今回の巻頭記事はそのまま掲載されてますので、リンクを貼っておきます。(こちら→)。
巻頭記事の主な中身はこんな感じです。日本のメディアでも散々書かれていることかもしれませんが・・・
・この惨事(地震・津波・原発事故)は日本だけでなく世界全体に与える影響が大きい。株式市場は既に反応しているし、これからは停電による成長停滞も予想され、日本の部品を調達して製品を作っているアジア諸国のサプライチェーンには影響がもう出ている。
・特に、原発事故の行方は、各国のエネルギー政策や世界の核関連産業に大きく影響を与える。特に、今後、莫大なエネルギーを必要とする中国にとっては他人事ではない。
・原子力の利用は経済合理性や技術面からもエネルギーの調達の一つにあるべきだが、今回の惨事によって、社会が原発を受け入れることは容易なことではない。
・もちろん、最も影響を受けるのは日本だが、この国は、これまで惨事を偉大な変革に結び付けてきた。今回の件で統治上の秘密主義の失敗も明らかになり、より政治改革を求めることになる可能性がある。日本人はこの機会を、死や悲しみや哀悼の時としてのみ捉えるのではなく、再生の時と捉えることができるように見える。
最後の文をそのまま引用すると、
“It seems just possible that, looking back from a safe distance, Japan’s people will regard this dreadful moment not just as a time of death, grief and mourning, but also as a time of rebirth.”
“It seems just possible"ではなく、我々がrebirthの機会にしなくてはならないと思います。
※今回の地震は自分にとってもあまりにも衝撃的だったので、発生以来10日間連続で、地震関連の私の廻りの様子などを優先的に書いてきました。が、明日以降はもとに戻したいと思っています。もちろん被災者の救出や非難された方の生活、そして今この瞬間も続く救援活動、事故の火消しに立ち向かう人の必死の努力は続いています。なので、引き続きロンドンでできることをしていきたいと思います。