その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

PROM 19 オネゲル/ブリッジ/ベルグ/カスティリョーニ/ドビッシー (BBCSO/ オリヴァー・ナッセン)

2011-08-01 23:30:08 | コンサート (in 欧州)
 金曜日と言うことで、仕事が終えてアルバートホールに駆け付けた。チケットは持って無いが、当日券でストール席を購入。

 開演5分前ギリギリに入場したのだが、入ってびっくり。今までお客が最も少なく、寂しいプロモ。上部の席はがらがら。ストール席も7割ぐらいしか埋まってなくて、私の両隣もそれぞれ4人分ぐらい空いている。アルバートホールは大きい分、空席が目立つとかえって寂しさが増してしまう。指揮者とオーケストラが可哀想なぐらい華やかさに欠ける演奏会だった。

 でもプログラムは20世紀音楽が中心の意欲的なプログラムでとても楽しめた。

 1曲目、2曲目はフランスの作曲家アルテュール・オネゲルの小品。1曲目の表題Pacific231は、機関車の車軸配置を表したものだが、機関車がグイグイと車両を引っ張る様子が目に浮かぶような推進力を感じる音楽だった。3曲目はイギリスの作曲家フランク・ブリッジの小品“there is a willow grows aslant a brook”。「ハムレット」の第4幕で王妃がオーフィーリアの死を描写する冒頭の台詞とのこと。張り詰めた緊張感のある曲だった。 4曲目はベルグの『ウイーン』。独唱のClaire Booth は、声はきれいだったが、声量的にはアルバートホールではちょっとパンチ不足のような気も。

 休憩を挟んで最初の曲はイタリアの作曲家カスティリョーニでプロムス初演。11の音楽詩というサブタイトル通り、詩的な音楽で聞きながら絵が浮かんでくるよ。そして、最後はこの日の曲の中で唯一聞いたことがあるドビッシーの海。BBCSOらしい整ったアンサンブルで良かった。

 今日は当日券を買う時に、「ストールの舞台に近いところにしてくれ」と頼んだ。そしたら、たしかにストール席なのだが、チェロの真後ろ、ダブルベースの真横と言う席で、指揮者の斜め前で自分も楽団員になった気分で新鮮だった。コンサート中も音に囲まれるような感覚になり楽しめた。

 最後まで会場の寂しさは無くならなかったが、音楽はとても楽しめたので、とっても満足して会場を後にした。


Friday 29 July
7.30pm – c. 9.45pm
Royal Albert Hall

Honegger
Pacific 231 (7 mins)
Honegger
Pastorale d'été (8 mins)
Bridge
There is a Willow Grows Aslant a Brook (11 mins)
Berg
Der Wein (15 mins)
INTERVAL
Castiglioni
Inverno in-ver (22 mins)
Debussy
La mer (24 mins)

Claire Booth soprano
BBC Symphony Orchestra
Oliver Knussen conductor
コメント
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