その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤルオペラ/ Miss Fortune

2012-03-19 22:28:26 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 ロイヤルオペラの新作ミスフォーチュンMiss Fortune (UK初演) を観に行きました。英国の女性作曲家Judith Weirのオペラです。 私が目にした新聞での批評は、あまり芳しくなかったので、「逆に期待できるのでは?」と期待を持って出かけたのですが、正直、かなりがっかりさせられた公演でした。

 個々のパーツで見ると悪いわけではありません。タイトリロールのEmma Bellは良かったし、プロダクションも、矢継ぎ早に変わるセットや照明の色合いも美しく、楽しめました。また、ブレイクダンスのグループが終始、舞台上で切れのあるダンスも披露してくれます。

 でも、何か全体がうまく噛み合っていないというか、ちぐはぐなのです。そして、音楽が単調で盛り上がりがない。人生のアップダウンがテーマで、賭け事が絡むというストーリーは、プロコフィエフのオペラ「賭博師」に似ている気がしますが、あのエキサイティングで緊張感に満ちたプロコフィエフの音楽とは盛り上がりが全然違います。

 現代ものの新作であるがゆえにリスクは付き物なのでしょうが、逆に、普段観ている作品が、歴史のふるいにかけられたものであるということが良くわかりました。オペラという舞台芸術の難しさを感じさせられた作品でした。



Miss Fortune

The Royal Opera
12 March 2012 to 28 March 2012
Main Stage

Running time: 2 hours | 1 interval

Sung in English with surtitles

Credits
Composer and librettist: Judith Weir
Director: Chen Shi-Zheng
Set design: Tom Pye
Costume design: Han Feng
Video design: Leigh Sachwitz
Movement: Ran Arthur Braun

Performers
Conductor: Paul Daniel
Tina (Miss Fortune): Emma Bell
Lord Fortune: Alan Ewing
Lady Fortune: Kathryn Harries
Fate: Andrew Watts
Hassan: Noah Stewart
Donna: Anne-Marie Owens
Simon: Jacques Imbrailo

Chorus
Royal Opera Chorus

Breakdancers
Soul Mavericks

Orchestra
Orchestra of the Royal Opera House

コメント
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