その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ブダペスト祝祭管/ フィッシャー

2012-03-08 23:55:41 | コンサート (in 欧州)
 昨年初めて聴いた時も思ったのですが、フィシャーとブダペスト祝祭管弦楽団のコンビは、世界トップクラスであることは間違いないでしょうね。ロンドンでは、ラトルとベルリンフィル、ヤンソンスとコンセルトヘボウ、マゼールとウーインフィルなどの世界の至高コンビの演奏を聞く機会に恵まれましたが、このコンビも決してヒケをとらないです。この夜も生オーケストラを聞ける歓びをふんだんに味会わせてくれました。

 とにかくアンサブルのバランスの良い響きと個々のパーツの上手さ、それとフィシャーの細部に至る拘りのコントロールが組み合わされて、大らかで芳醇な音楽空間を作ってくれます。

 もう1曲目から全力疾走で圧倒的。少々重い感じはするものの、豊穣な音の響きで、何かオーケストラの醍醐味って感じに聴こえるんですよね。フィシャーの唸りも聞こえてくる、気合い満点の演奏でした。

 2曲目のスペイン交響曲のカピュソンのヴァイオリンも凄かった。クリアで明確な音で、ヴァイオリンの響きってこんなに美しいということを、存分に味会わせてくれました。

 最後の「シェヘラザード」では、ハープが指揮者を挟んでコンミスの対向に置かれましたが、前回公演の「田園交響曲」のような、ステージに木をおいたり管と弦を混成した配置にしたりというサプライズは無かったです。が、演奏には終始痺れっぱなしで、目の前で繰り広げられる歴史絵巻を堪能しました。フィシャーが思うように自分のオーケストラを操っている様子が手をとるようにわかります。

 今年に入ってから、コンサートに足を運ぶ回数がめっきり減ったのですが、「やっぱりコンサートは良いなあ~」とブツブツ言いながら、テムズ川を渡って帰路に就いた次第です。



Sun, 4th March 2012
Royal Festival Hall
Iván Fischer / Budapest Festival Orchestra
Violin: Renaud Capuçon

Brahms/ Tragic Overture
Lalo/ Symphonie espagnole
Rimsky-Korsakov/ Sheherazade

コメント (5)
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