その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

真夏になったサウス・ダウンズ・ウェイを歩く (その3: セブン・シスターズ)

2012-06-02 21:44:13 | 旅行 海外
 さて、このシリーズも最終回です。

 Friston Forestの森を向けると眼下に突然と、Cuckmere Meandersという平原の中を大きく蛇行した川が見えます。そして、その奥が英国海峡です。ここまででの歩行距離約10マイル(16キロ)。多少だるさを感じ始めた脚や上体から疲れが一気に抜ける景色です。

 

 丘を下って、Cuckmere Meanders沿いを歩きます。遠くにセブンシスターズの白の絶壁が見え始めます。
 

 海岸に向かって、平原の中を進みます。きっと太陽が一番高いところにあるんではと思う夏日の昼下がり。ゆったりと流れているのだか止まっているのだから分からないような川の流れ、あちこちから聞こえてくる鳥の声、この世には緑と青しか色が無いとでも言うような視界、自分がどこに居るのかわからなくなります。以前、冬に訪れたとき(こちら→)とは大いに雰囲気が違っていて、草がより繁り、色が濃く、風景に力強さを感じます。自然の鼓動と胸の鼓動を合わせようとしますが、どうも私はせっかちでいけません。もっとのんびり歩いても良いはずなのですが、タイムを競っているかのようにガシガシ歩いてしまうのが悪い癖です。

(遊歩道に突然現れた野兎)
 

 20分も平原を歩くと、セブンシスターズの白壁が目に飛び込んできます。白壁は相変わらず美しく、圧倒的でした。そしてこの日は海の色が、コーンウォールで見た海のようにエメラルドグリーンに輝いています。「英国海峡の海って、こんなに青かったんだ。」とつぶやき、空の色、芝の緑、海の碧、そして壁の白、こんな完璧な風景があるのだろうか?と立ちすくんでしまいます。

  

 

 暫くベンチで腰をおろし風景を目に焼き付けた後は、いよいよ復路の列車が出るシーフォード(Seaford)に向かっての、最後の海岸線歩きになります。セブンシスターズを背中に、歩きはじめ、ときどき振り返っては名残を惜しみます。

(この先にSeafordがあるはず)




 3キロ程歩くとついにシーフォードの街並みが見えてきました。


 シーフォードは海岸線のリゾート地。夏日とあって、ビーチは陽を求める多く人で賑わっていました。


 この日、最後のショット。


 このウォーキング・コース、天気に恵まれたこともありますが、間違いなくこれまでのコースの中でベストと断言できます。確かに23キロは長いですが、山国日本でハイキングを楽しむ日本人からすれば、正直全然大したことはありません(私自身は、山歩きは年に1回行くか行かないかですが・・・)。あと、このコースは道に迷うようなところも少なく、また全く人と会わなくなるようなところも少ないので危ない感じもありませんでした。イギリスならではの、風景や村が味わえますので、機会があったら是非、お試しください。

 ※このウォーキング・コースのWeb案内はこちら→

 2012年5月26日
コメント (2)
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