諸説はあるようですが、現存作35点といわれるフェルメール作品を9点がいっぺんに観られる(会期中に入れ替えがあるようなので同日で見られるのは8点)という「日本美術展史上、最大の「フェルメール展」」というふれこみのフェルメール展に行ってきました。日時指定入場制というシステムと、入場料2500円!(音声ガイド込み)というのも、日本では例がないよう。
フェルメールの作品以外にも、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンらのオランダ絵画の有名画家らの作品も揃え、全盛期とも言える17世紀のオランダ絵画から、人物画、静物画、風俗画らが多数展示されています。
朝一の9:30入場のチケットを事前購入し、9:15には美術館に到着しましたが、既に100m弱ぐらいの行列ができていました。それでも、9:30に入場でき、入場するや否や、会場の一番奥にあるフェルメールルームへ直行。
フェルメール作品を8品揃えたフェルメールルームは圧巻でした。多くは、日本やヨーロッパの美術館で見たことのあるものでしたが、物理的に世界で一枚しか存在しない絵画たちと再会できる喜びはこの上ないです。「牛乳を注ぐ女」、「真珠の首飾りの女」などの丁寧で繊細なタッチで、瞬間を切り取りながらも永続性を感じる絵画は、ため息をつかざるを得ません。「手紙を書く女」、「手紙を書く婦人と召使い」などは初見でした(学生時代にワシントン・ナショナル・ギャラリーもメトロポリタン美術館も行ったけど記憶なし)。「手紙を書く女」のモデルの喜びの表情や黄色のガウンのフワフワ感が何とも上品です。惜しむらくは、柵があって1メートル以上離れた場所からの鑑賞だったので、細かいタッチまでの鑑賞はなかなか難しかった。よく拡大鏡を覗いて鑑賞されている方が居ますが、私も買ってみようかしら。
フェルメールルームが混み混みになる前にじっくりフェルメールを見た後は、振出し(入口)に戻ってフェルメール以外の作品を順番に鑑賞しました。もともとさほど広くない美術館なので、時間指定制の意味があるのか?と思うほどの混雑ぶりでしたが、私の好きなオランダ風俗画を中心に楽しみました。
値段は張るものの、フェルメール8点は確かに貴重な機会です。お勧めします。
第1章 オランダ人との出会い:肖像画
第2章 遠い昔の物語:神話画と宗教画
第3章 戸外の画家たち:風景画
第4章 命なきものの美:静物画
第5章 日々の生活:風俗画
第6章 光と影:フェルメール