厳密にいうと、夏から秋への移行期の、暑くもなく寒くもない、季節のエアポケットの時期だ。
春から夏への季節の変わり目にも、同じような現象を経験したことがある。
ふと頭の中に浮かんだメロディや、微風の中に宿るかすかな季節の匂い、夕焼けのグラデーションなどがトリガーとなって、その奇妙な気分が舞い降りてくるのだ。
うまく言い表せないが、不安ややるせなさ、寂しさや憂鬱がないまぜになった、どことなく郷愁にも似た泣きたいような気分だ。
別に悩みや心配事を抱えているわけでもないのに、心がしぼんでいくような感覚だ。
不定愁訴やストレスなどではなく、どこか懐かしいほろ苦さのなかに、甘い感傷も混じっている妙な気分だ。
その時、感覚は研ぎ澄まされ、それに付随する記憶の中のシーンが淡い走馬灯のように浮かんでは消えてゆく。
記憶の底のいろんな場面が、季節や時刻とマッチして醸し出す、一種の幽玄とでも言おうか、意識的には作り出せない不思議な感覚の揺れだ。
それはしばし頭の中に滞留して、またすぐに霧散してゆく。
これは私だけに起こる特異な現象なのだろうか。
★★小説読んだりするのは時間の無駄、なんて思っていた読書ド素人の私が、思いつき、見よう見真似、小説作法無視で書いた小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。そんな小説だから読書のプロやマニアよりも、読書ド素人の皆さんに読んでほしい。 ド素人の小説がミリオンセラーになったら面白いと思いませんか? 小説のベストセラーの常識を覆すためにもぜひご一読、拡散を。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。