工芸会の疋田さんのおすすめで、「人間国宝 大坂弘道展」へ。
場所は練馬区立美術館 8日に大坂先生のギャラリートークがあり、それに合わせて行ってきました。
会場には、初期の作品から、2002年以降の未発表作品まで約60点が展示されていました。
どれもがまさに超絶技巧。その美しさ、素晴らしさに、時間を忘れて見入ってしまいました。
参考出品として、「黒柿蘇芳染拭漆宝相華文嵌荘香座」の制作工程見本も展示され、その精緻さは人間業とは思えないものでした。
ギャラリートークは、そう広くない会場に100名以上と思われる人が集まり、移動ができず、定点からのお話しでした。
中学校の教師をしながら研鑽を積み、正倉院宝物の模造を委嘱され、やがては人間国宝に認定されます。
その40年に渡る制作活動から生み出された作品のほとんどは手元に残され、今回45点をご自宅近くにあるこの練馬区立美術館に寄託されたのです。
人生のすべてを美しいものを作り出す事だけに捧げたといっても良い先生の生き様には大変感動しました。
この展覧会は、来年の2月11日まで開かれています。
美しい作品の数々と、人間の技術の素晴らしさを多くの方に見ていただきたいと思います。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
今回の東京行きでは他にもいくつかの展覧会を見てきました。
まずは、根津美術館で開かれていた、「柴田是真展」
2年前、京都の承天閣美術館にも行きましたが、この時は漆絵が多かったように記憶しています。
今回は工芸品が中心。思いも付かないようなものを題材に取り入れ、ありとあらゆる技法を駆使した作品には感動の連続。
その発想の豊かさにも驚きました。
根津美術館には、もう一つ驚きの展示があります。それは、中国、殷・周の時代の青銅器。
殷・周の時代と言えば今から3000年以上前。その時代にこれだけのものが作り出されていたのです。
これにもビックリ。
もう一つ、急遽行くことに決めたのが、上野の森美術館で開かれていた「ツタンカーメン展」。
一度見ておくのも良いのでは・・位のつもりで行ったのですが、これまたビックリ。
石や金を中心とした文化だと思っていたのに、木で作られたものが多いこと。木管の他、椅子、チェスト、箱、から舟の模型まで・・・。
特に、椅子や箱は現代でもそう簡単にできそうもないデザインと構造。これが3300年以上も前に作られていたとは・・・。
我々の作り出す椅子が、それから進歩していると言えるのでしょうか・・・。そんな思いがしました。
その他、装飾品や彫り物の素晴らしさ・・・どんな道具でどのように作ったのか・・・。
人間のものを作り出す力の素晴らしさ、すごさには唯々驚き、感動の2日間でした。