木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

支援学校の見学

2012-12-30 21:01:00 | 木工
先日、昔の同僚T先生の勤務する支援学校の職業棟を見学させていただきました。


玄関を入ると、生徒さんの作品が季節の展示と共に飾られていました。



ここは木工室。機械が整然と並び、とてもきれいいにされていていました。



機械の可動部には、カバーが付けられ、安全への配慮がなされています。



これはベルトサンダー。全体をカバーで被うと共に、一台一台に集塵機が取り付けられています。
また、機械の周りには棚も付けられ、材料などを置いたりできるようになっています。
授業での実際の作業の様子を見ながら考えられたので、実に機能的に工夫されていました。
貼られているテープの色一つにも生徒さんの実態を踏まえた工夫がなされていました。



こちらはボール盤。使い易い高さになるよう台に乗せています。脚にはキャスターが取り付けられ移動もできます。
もちろん台は移動しても安全な大きさになっています。
これらの台やカバーはすべて手作り。授業の合間を使っての作業だったそうです。



準備室には道具や接着剤などが使い易いように整理されていました。
他の教室も同じように整えられていました。



これらの機械や道具を使って生徒さんが作った作品が準備室に展示されていました。
その種類の多さにもビックリですが、作品が生徒さん自身の力で制作できるよう工程や作業方法などにもいろいろな工夫がなされています。
木の木口などを正確に削り出すためにベルトサンダーを使うと言うのもその一つの例です。



ここで学ぶ事は、木工の技術を身につけることを主の目的としているわけではありません。
機械や道具を使ったもの作りを通じて、将来いろいろな職業に就いていくための基礎になる力を養うことを目的としています。
私の経験からもそれがとても大事なことだと確信しています。



そのために生徒が興味や意欲をもってもの作りに取り組めるような工夫もなされていました。



廊下に掲示されていたこれまでの作品の写真もその一つになると思います。

色々見学させていただき、またお話しをうかがい、T先生のご努力に本当に頭の下がる思いがしました。
特に機械の安全や使い易くする工夫など、自分の工房にも取り入れたいものがいくつもあり、とても勉強になりました。
T先生は来年定年退職を迎えます。長い間本当にご苦労様でした。そしてありがとうございました。

コメント
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