木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

寄せ蟻(送り蟻)

2009-04-23 22:04:56 | 木工
テーブルの制作もいよいよ佳境に入ってきました。


ほぞは、ゴムハンマーで、ほどほどの力で叩いて入る位の堅さに調整します。

一番の山は、寄せ蟻(送り蟻)の加工。


蟻溝のテーパーに合わせて蟻桟に墨をつけ


蟻作理鉋で削ります。


蟻桟の先と、元の蟻を切り落とし、平らにします。


この時活躍するのが、八寸両刃鋸
信州諏訪の鋸鍛冶、田中米吉作です。自宅におたずねして打ってもらってから20年以上になります。
機械を使う以前は、ほぞはほとんどこの鋸で挽いていました。従って縦挽きの刃の方が減っています。


蟻桟と溝、鑿で交互に欠き取り、


桟を嵌めて寄せます。
寄せると行ってもゴムハンマーで叩くのですが


この時、蟻溝のかみ合う部分を鉛筆で黒く塗っておき、


入れた蟻桟が当たる様子をみながら、少しずつ削って合わせます。
この時、すべての蟻がきちんとかみ合っていないと意味がありません。


所定の位置まで送ることができました。
拭き漆仕上げの場合、部品の状態で拭き漆をして最後に組立てるので、この時の調子には神経を使います。

次は大入れの加工ですが、

まず、貫の仕上げ削りをして


脚のほぞに嵌めて、大入れの墨を付け


トリマーで荒堀をし、


鑿で仕上げます。
小信作の極浅外丸鑿と小道具。五厘鑿は貞秀作。

次は脚の胴張りの仕上げ削りです。




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