木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

栃座卓 拭漆下地2

2010-07-13 21:57:58 | 


#600で水研ぎし、#240、#320、#400と重ねてきた下地研ぎが完了
これでしっかり漆を吸い込んだ強い下地ができました。

ちょっと一服してお茶に、

大正時代のプレスコップで飲むアイスコーヒーの味はまた格別です。


このコップ、昨日婆佐羅さんで見つけたもので、底にクルス紋が入っています。


研ぎ上がった部材は、生漆を刷毛で摺り込んだ後、綿布で完全に拭き取ります。
あまり黒くならないよう、しばらくエアコンを入れて乾かします。
風呂の戸も開けて風呂の中の湿度も下げました。

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またまた婆佐羅さんへ

2010-07-12 21:27:27 | その他
またまた婆佐羅さんに寄せていただきました。
今回の目的は、先日お会いできなかった婆娑羅の☆さんにお会いするため・・・だったのですが・・・。


こんなものを見つけてしまいました。絵志野徳利。江戸後期のものだそうです。
ちょうど臨時収入も少しあったので・・・(妻には、臨時収入って言うけれど、定期収入はあるの?と突っ込まれ、返す言葉がありませんでしたが・・・)
二つ並んで立っている素朴で清楚な味わいがとても良かったのです。



妻は、このリキュール杯が気に入ったようです。
大正時代のものですが、とても愛らしい形と大きさをしています。

そして、

鍋島柏文中皿。


鍋島焼の特徴である、高い高台と、高台から縁にかけての張りのあるカーブと、大胆な絵柄が、普通の中皿とはひと味違う存在感を示しています。
大きさも使い良さそうです。
この中皿、実はどれも縁にほんのちょっとした傷があるのです。これを使って金継ぎの稽古をしようというわけです。
しかも、このちょっとした傷のため、信じられないような値段なのです。それが購入したもう一つの理由です。
いろいろ美しいもの、めずらしいものを見せていただき、いろんなお話をお聞きし、楽しい時間を過ごさせていただきました。婆佐羅さん、ありがとうございました。
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栃座卓 拭漆下地

2010-07-08 23:06:10 | 

座卓の拭漆、梅雨の高温多湿で漆の乾きが良く(良すぎ!)、一昨日の#240での研ぎに続き、今日は#320での水研ぎ。いわば下地作りです。


天板の裏からはじめ、ひっくり返して表


研ぎ泥は、ヘラで集めて取ります。


天板が完了。#320の研ぎでは、ムラ無く仕上がるよう気持ちを集中して研ぎます。


脚、蟻桟、貫と研ぎ進め、これで最後。
昼をはさみ、丸6時間半研ぎ続けました。


水分が乾いたら漆を塗ります。 天板はヘラで配って、刷毛で摺り込みます。


暫く置いて漆を吸わせ、余分の漆をヘラで取ります。
今日のような高温、多湿な日は、塗った端から漆が乾きはじめます。
天板の摺りをする時は、エアコンを入れて暫くしてからします。
朝10時から研ぎはじめ、摺りまで、すべて完了したのは夜8時でした。

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愛車レガシィ

2010-07-06 22:24:15 | その他
愛車レガシィが、定期点検から帰ってきました。

このレガシィ、つい数年前に購入したと思っていたら、この7月で購入から丸10年、走行距離もまもなく15万kmになろうとしています。
そろそろいろいろなところに、トラブルが発生しています。
今回も、2速でエンジンブレーキをかけながら坂道を下ると発生する異音が気になっていたのですが、案の定、リアのデフマウントが劣化していて交換の必要があり、数万円の出費。
4月には、京都市内で突然ストップ。原因はオートマチックオイルのゴムパイプの破裂。
ゴムの部品の劣化が進んでいて、次はサスのゴム部品かな・・・なんて整備担当者から言われてショック・・・。
そろそろ買い換えの時期なのかもしれませんが、この車は車に興味があった頃購入したので思い入れも強く、いろいろと手も掛けています。
走りもスタイルも気に入っているので、当分買い換える気にはならないのです。

どんな手を掛けたかというと・・・まず足回りから。

ストラットタワーバー。
BH9(この車の形式)用ではなかったのですが、少し加工して自分で取り付けました。
これを付けることにより、気持ちよく曲がってくれたのを覚えています。


リアタワーバーも付けました。これは内装シートに穴を空けて簡単に付けることができました。


そして、フロントロアアームバー。
これはBH9用なのですが、マフラーとの干渉がおこりました。でも、行きつけの車屋さんが何とか干渉が起こらない用に微妙な調整をして取り付けてくれました。
リアのアームバーも考えたのですが、出っ張りが大き過ぎるのでこれは止めました。


次に、当時話題になっていた、アーシング。
つまり、専用線を引き回すことにより車体に流れる電気抵抗値を下げ、燃焼効率をあげて燃費を良くしようというもの。
確かに車体の電気抵抗値を測ると具体的数値は忘れましたが、結構大きかったので、する意味はあると思ったのですが、結果は・・・どうだったのでしょう。


さらに、PIAAのフォグランプ、スポットランプの取り付け。ステーを自作して無理矢理取り付けました。


もちろん、カーステレオも。
アンプは前から使っていたsonyのワンボディコンポですが、リア、フロントともスピーカーをアルパインに交換。
トゥイーターも交換。ウーファーは運転席の下に取り付け。CDチェンジャーはハッチに。
配線に際にはシートを全部外しました。
そんな高級なシステムではありませんが、良い音しますよ。


そして最後は、カーナビ。当時まだ高かったHDDナビの安売りをインターネットでさがして購入。
これも自分で取り付けました。
本体をどこに設置するのか迷った結果、ダッシュパネルを少し削って無理矢理はめ込みました。
こんなこと自分でするからできる事です。

最近は、洗車も年2~3回。バンパーをこすってもあまり気にならなくなってしまっていますが、これではいけません。
心を入れ替えて大事にしたいと思います。
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磨きろくろ

2010-07-04 23:23:46 | 木工
普段使うための漆塗りの椀を作りたい・・・それは、漆をはじめた頃から思い描いていたことでした。
そのために、木地を挽いてもらおうと、信州へ帰省した折に十国峠を越えて群馬県上野村のろくろ師を訪ねたこともありました。
それから20数年。
漆の美しさや強さを知ってもらうためにも、日常生活の中で気軽に使えるお椀を作りたい。
黒田乾吉さんや豊島さんに漆について教えていただいたことを生かし、丈夫で美しいお椀を作りたい・・・と最近制作しているのがこの椀。


すなわち、黒田流?拭漆の技法である、錆を使わず漆のみで下地を固め、その上に中塗り・上塗りと塗り重ねていく。
その中塗り、上塗りには自分でなやし・クロメ・クロメ返しをした日本産の漆を使う、というものです。
木地は欅。問題は、下地作りのための研ぎです。
欅の太い導管をすべて漆で埋め、しっかりした下地を作るためには、生漆を摺り込んで乾かして水研ぎ、これを4~5回繰り返さねばなりません。
この作業がなかなか大変で、特に椀の内側は椀の丸みに沿って手首のスナップをきかせて研がねばなりません。
1つ2つなら良いのですが、多くの数を一度にしようとすると腱鞘炎まちがいなしです。

いろいろ考え、陶芸用の電動ロクロに固定して回して磨けば良いのでは、と思いつきました。
ここ炭山は陶芸の里、炭山陶芸の笹谷さんを訪ね相談してみました。
すると、なんと、それ専用の「磨きろくろ」というものがあり、実物を見せていただきました。


そこまでしなくてももっと簡単なものでできないだろうかと、使っておられない刃物研ぎ機をお借りしました。


それに塩ビの太いパイプを取り付け、縁にゴムを巻いて、お椀を嵌めると・・・バッチリ。


小さなお椀用には、トイレの詰まりをとるラバーカップ(もちろん新品です)のゴム部を嵌めて・・・
早速お椀をはめ込み、スイッチオン。芯もほぼ正確に出て、なかなか良い感じで研げます。
これで問題解決・・・と思いきや・・・底は良かったものの、縁に沿って研ぎ上がると・・・突然お椀が・・・カンコロコン!
やはり、もっとしっかり固定ができないと無理でした。

がっくり来て、磨きろくろの製造会社に尋ねてみると、この磨きろくろはすでに14~15年前に製造中止になっており、現在入手は不可能とのこと。

半分あきらめ、インターネットで「磨きろくろ」を検索していると・・・な、なんと、オークションに出品されているではありませんか。しかも、14~15年前に製造中止になったものが新品で。
これは、私のために出品してくれたに違いありません。
もちろん落札させてもらいました。


これがその「磨きろくろ」。一見普通の陶芸用の電動ロクロのようですが・・・。


真空ポンプがつき、円盤の中心の穴から空気を吸い、吸着します。


漆器を固定する「シッタ」は塩ビパイプのつなぎとゴムで自作。ワンタッチで芯が出せるようにしました。


裏も簡単に固定できます。


いろいろ調整しながらでしたが、20個の椀があっという間?に研げました。しかもきれいに。


漆をしっかりしみ込ませて乾かします。

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座卓捨て摺り ~ 浅川伯教・巧の世界へ

2010-07-02 22:58:43 | 


木地の仕上がった天板を漆室へ運び、拭漆の準備が完了

栃をきれいに仕上げるには、捨摺りの段階でしっかり木地に漆を吸わせることが大切。
ところが今日のような気温も湿度も高い日は漆の乾きが早すぎ、ちょっとしたコツが要ります。


まず、漆刷毛で漆をたっぷり塗ります。塗ると言うより、木地に漆を置いていくという感じです。
その時、泉清吉作のこの軟らかい胴摺り刷毛は漆をたっぷり含んでくれるので実に使いやすいです。


4面を順に塗って、はじめの面に戻る頃には、生地が漆をほとんど吸ってしまっています。


特に、縮みの逆目に当たる部分が良く漆を吸います。そこで、漆を少し足しながら塗って均します。


これを何度か繰り返し、最後に残った漆をヘラで取ります。
と言っても、ほとんどヘラにはつきませんが・・・。


天板の場合は広いので、とにかくスピードが要求されます。
そこで思い切ってたくさんの漆を刷毛で配ります。ある程度配ったら刷毛で均します。


全面に配り終わりました。


刷毛で均しながら摺り込んでいきます。最後にヘラで余分な漆をしごきますが、ヘラにはほとんどつきません。


捨て摺が完了。今回の捨て摺りだけで、生漆を約360g使いました。栃は本当に良く漆を吸います。
木地が吸った漆が中まで完全に乾かくには、数日~1週間ほどかかります。

今日は午前中で仕事は切り上げ、午後は京都市内へ。
朝から府立病院に通院していた妻と待ち合わせ、「李青」さんで少し遅い昼食。


店内のバンダジの上に飾られたチンシバイ(ニワナナカマド)とその回りの雰囲気が何とも心地よく、写真を撮らせていただきました。
おいしいビビンバをいただいた後、高麗美術館へ。


高麗美術館では、今、特別企画展「浅川伯教、巧が愛した朝鮮美術」が開かれています。
先日お伺いしたTさんから、巧さんの娘さんとの交流のお話などを伺った後だったので、浅川兄弟が少し身近に感じられました。
展示をゆっくり鑑賞し、朝鮮美術の素朴で大らかな美しさもさることながら、あの忌まわしい時代の中で、朝鮮の人と文化を心から愛し敬い、朝鮮の人々と共に生きた、浅川巧の生き様にとても感動しました。
しかも、驚いたことに浅川兄弟の出身地は山梨県の高根町(現北杜市)。
信州への帰省の時にいつも生家の前を通り、浅川家のお墓のすぐ近くの無人販売所で野菜を買って帰っていたのです。
高根町には浅川伯教・巧兄弟の資料館もあることがわかりましたので、この夏帰省する時に是非行ってみたいと思います。

最後は、今日からの「手軽な酒器展」の案内状をいただいた京・町家こっとうギャラリー「婆佐羅」さんへ。
いつもにこやかに迎えてくださる、婆佐羅の☆さんは体調をくずされてお休みでしたが、店長の堀内さんに説明をしていただきながらいろいろ拝見しました。
中国の宋の時代のぐい呑みなど、私好みのものもあったのですが、酒は飲まないのであきらめて・・・


江戸末期の志野鉄絵平茶碗をいただきました。素朴なかにも上品さのある姿がとても気に入りました。

そしてもう一つは、

赤膚焼の向付。ちょっとした小鉢として使い良さそうです。ちょっと大ぶりの湯飲みやとしても使えそうなので、合いそうな朱の目はじき塗りの茶托もいただきました。
また、楽しみが増えました。☆さん、早く元気になってください。

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栃座卓 その5

2010-07-01 20:28:26 | 木工

栃の座卓の制作もいよいよ佳境に入り、天板の仕上げ削り


まずは、木口から。作業台に立てかけて固定し、作業台に乗って鉋をかけます。


木端も作業台に立てかけて固定して削ります。


この曲面にこだわっています。


天板の表。ルーターが飛ばした逆目が結構深く、難儀します。


鉋枕や傷は、横からの光で確認します。


最後に面を取ります。これも、こだわりの面です。


ほぞにマスキングテープを巻き、ほぞ穴は、スチレン板で埋めて養生。
拭漆の準備も整いました。
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