conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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春に思う

2014-03-18 13:17:06 | 随想

春の陽気が桜の開花を一気に引き寄せる、、、そんな気のするお天気だ。
野に出れば梅花が満開で、庭のクリスマスローズや鉢植のクロッカスも咲いている。
幸先のよい春の訪れではある。

クロッカス



だが、陽気に浮かれてばかりいられないニュースが目につきます。
クリミア半島や旅客機不明事件?、インド労働者のトヨタ叩き、そして靖国参拝を機に
日韓の政治的膠着状態等々。

それぞれ政治的な思惑もあるだろうが、そんな中にも横田滋さん早紀江さん夫妻が
お孫さんのキム・ウンギョンさんと面会した報道は心が和みます。
横田さん夫妻の心情が痛いほどわかるからだ。

めぐみさんの面影をウンギョンさんの顔に重ね合わせて、
遠く隔てられた空白の時間をいくらかでも埋め合わせることが出来たら、
心の重荷も随分と軽くなっただろうと思う。

お偉い方のなかには北朝鮮の拉致問題の幕引きを恐れて、対面に反対したと言うけれど
政治家には政治力で解決する能力が問われている。
結果的には政府もモンゴルでの対面実現に力を尽くしたそうだから、なかなかのソフト外交力であります。

眼をもっと内に向ければ、東日本大震災の復興について考えさせられます。
特に原発事故の被災地では、なす術もなく放置されたまま、帰還不能の領域があります。
私の浪江町の知人は、会津、二本松、郡山と三度も避難地を変えた挙句、とうとう帰還を諦めて相馬市に新居をかまえました。
行政に寄りかかっていたのでは、先の見えない閉じこもりの生活から抜け出せないからです。それでも高齢者には厳しい選択です。

津波で流された、あるいは倒壊した建物の再建もままならないと報道されています。
市街地の復興そのものが頓挫していると言われます。
予算があっても執行する役所の担当者が少ないために、計画が思うように進まないと言う。
地域の限られた人数だとしても、ほかに知恵は無いものか。

専門的な第三セクターのようなサポートは不可能なのだろうか。
所詮素人にはなす術もないのだけれど、被災地への思いを実践で援助しようとする人には
頭が下がる思いだ。

先日、ある集いがあり有料で参加してきました。
高齢な友人が開いたもので、地域の歴史的事跡を執筆して一冊にまとめ、プロの演劇家に朗読してもらうという志向です。有料だったのは福島原発被災地への寄付と云う名目があったからです。

高齢ゆえ現地でのボランティアは無理だけれど、何か手助けする方法は無いかと思案しての行動でした。ただ思うことで済ませるのが普通で、実践するのは勇気と内容が要ります。
私はただひたすら思いだけでしたが、友人の作品を朗読するプロの話構成に、引き込まれるような迫力を感じました。とてもよかったと思います。

東北三県の復興は時間がかかるでしょうが、私たちもたとえ思いだけであっても被災者に寄り添って声援を送りたいと思います。

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