conparu blog

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ホモサピエンスの冒険

2017-04-23 21:05:36 | 随想

「古代をかじる」の靄が晴れて  2015年9月26日ブログ
http://blog.goo.ne.jp/conparu2/e/712b3a10627b73cbce32d5088d466a9b

自分の中で古代史の筋というか、先覚者の諸説の中から、自分なりの歴史の流れを納得したい、その思いで記紀に係わる神話に興味を持った。過去にも当ブログで『古代史をかじる』という題で、歴史研究家の論文を借用しながら、例えば『天孫降臨』や『神武東征』の条で、歴史と云うよりも物語として感想を記してきた。でも、筋がいま一つしっくりしない。分からなのである。

その第一は邪馬台国の始原が分からないこと。卑弥呼と高天原に起生する、天照大神の子孫、天忍穂耳尊を祖とする天孫族との関係が何も書かれていないのである。第二に出雲の存在が「スサノオ」を神祖として、大国主命の『国譲り』に至る一大展開で、あっさり片づいていること。大国主命の孫である長脛彦は、最後まで抵抗して長野に逃れた、この一事でも、あっさり行かなかったのではないか、という疑念。(本文抜粋)

さて、今日の日記は神話から古代日本の歴史的考証がもやもやのなかに仮定されているだけで、とんと空中楼閣から抜け出ていないにも関わらず、一部においては卑弥呼の都が北九州にあったとする説が有力になってきているのではないか。
古代を覗き見るのはロマンを感じるからで、誰も確たる時代を生きたことがないから様々な傍証を引き立てては持論を展開する。
歴史の面白さはその想像力にある。てなわけで最近また、もっと大がかりな人類(ホモサピエンス)の移動経路を、古代遺跡の遺物による年代測定によって、経路順を割り出したというユニークな論考
に出くわした話し。

人類進化学者 海部陽介著「日本人はどこから来たのか?」文藝春秋刊 ¥1,300(税抜き)

学者の本にしては息もつかせない面白さと、流麗な文体のおかげで一気に読んでしまった。
大雑把に言ってしまえば、アフリカを振り出しに文明の十字路へ、其処からてんでんばらばらに未踏の大地に向かって大移動が始まった。これが4万数千年ほど前のホモサピエンスの冒険の始まりである。好奇心が並みじゃなかったんだ。面白いのはヒマラヤを南北の二手に分かれて東進して、1万年後の東アジアで合流した形跡があること。つまり日本に渡った民族の一部には混血があった。
東進といっても一様ではなく、朝鮮半島経由が本流であるけれど、シベリアから陸続きの北海道に南下したホモサピエンスの一団もあり、大陸南方の台湾あたりから琉球列島に航海してきた人達もあった。それぞれが南下と北上を続けて古本州で混雑民族となる。この筋書きは遺跡の人骨や埋蔵物に裏付けられた足跡を、ルートに沿った外国の資料とも対比させているので、年代の配置によって移動の様子がよく分かった。





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