「歴史は繰り返す」「災害は忘れた頃にやって来る」暗闇に行く手を閉ざされた世界は、グローバリズムの果てに大きな破壊現象が起きている。世界が均一化に向かう見立てとは真逆に、力ある者が己の優位性を暴力によって実現しようとして、世界の秩序が混乱の極みに堕とされてしまった。子供の世界に例えれば、仲良しグループの中に一際図体の大きい悪ガキがちん入して来て引っ掻き回す。目をつけた標的を倒して自分の存在を誇示すれば目的達成となるが、おとなの場合は欲が絡んでいる上に、思想的なドグマもあって複雑怪奇、独断専行、聞く耳持たずとなる。誰も手出しは出来ない。こう言う場合何処に助けを求めればよいのか、実力を以て敢行する相手に言葉は届かない。経済的制裁をしても効果は直ぐには現われない。長期的な計画に基づく乱入であれば、二面的な作戦もあり得るだろう。争乱を複数化することで世界を混乱の坩堝に陥れ、その機に乗じて地球上の帝王となることも、ただの空想論とは言えない。「核の脅し」を使うとは、既に計画に練られた文言だと思う。
世界が身近になって国民同士が肌で感じ合う成熟した時代だと思っていたのも束の間、資源と富の格差と時代のねじれ現象が立ちはだかって、時代の壁、カタストロフィーの出現する局面が「今」なのだ。カタストロフィーが尤も悪い形で表出したと言える。歴史の流れから見れば戦争の動機は過去にも散見される。大国の行動が他国にどの様に映ってきたか、そしてこの後どうなるのか、
ロシアのソビエト連邦回帰は、世界に受け入れられてこそ成功劇と言えるが、孤立化した場合は世界の混乱に拍車がかかる。EUもアメリカも核戦争を危惧するあまり介入しないとなると、ウクライナだけでは済まないだろう。とにかく世界がぐしゃぐしゃに倒壊しそうになってからでないと、目が覚めないのかも知れない。