Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング949.小説:小樽の翠858.お正月のナースステーション

2025年01月02日 | field work

 毎年恒例なのはお正月行事だけではない。翠がお正月に故郷へ帰る看護師さん達に変わって、年末年始の夜勤をかって出ている。なにしろ家まで徒歩10分なのだから。
 大晦日の夜は、アチキが夜食に文さんの店で牛の燻製を加えた小さなおせち料理風をつくってもらったんだ。除夜の鐘が聞こえる店の閉店間際に調達して翠達のナースに届けた。少し上等なお菓子の類いと言っても良いかもしれない。
 ナースには小樽在住組の晃子さんとかコウさんがいた。やっぱ歩いて通える看護師達が夜勤をかってでている。それにお正月といってもみんな特に何かをするわけではない。
晃子「さすが・・文さんの店。牛の燻製があるよ」。
翠「少し固めに燻製したと言ってた」。
コウさん「ビーフジャッキー風味でいいじゃん」。
晃子「やっぱ大晦日は夜勤に限るよ。家にいても詰まんないからさ。」
コウさん「札幌のドクターヘリの彼氏も勤務?」
晃子「もち・・・、だってお正月って救急搬送患者が多いのよ。もちを詰まらせたぐらいならまだいいんだけど、なんか年末孫が来るというので張り切りすぎて家の掃除をするじゃん。するとこれがまあ、おじいんさんが孫が来て家がつぶれちゃ大変だというので屋根の雪かきなんかしてさ、それでよく落ちるんだな。頭部をうっているから意識不明。だから札幌の病院へ救急搬送だよ。だって離島まで守備範囲だもん。今頃ドクターヘリは離島めざして飛んでるよ。」
翠「救急搬送に正月はないかぁー。いいじゃん大晦日って退屈だから仕事をしていたい気分だな。コウさんとこは?」
コウさん「服部君は、正月は休みですと決め込んでいる。入院患者って元気なのは一時帰宅するじゃん。案外暇なのかもね。だから子供の世話係。おせち届けてくれた翠の所は?」。
翠「多分夜中に酒飲みながら絵を描いて明け方になると寝ているよ。とても静かなのが心地よいんだって」。
私達の勤務が終わると新年だ。
おめでとう!!!
・・・
仕事をしている人も、仕事をしていない人もいる。それぞれの大晦日のミットナイトライフだ。大晦日に朝まで仕事をしている気分は、普段とは一寸違っていて刺激的であり心地よい。
小樽に初日の出があがりかけている。
くもっているから見えないだろうなぁー・・・。
コメント
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