オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

オショロコマ成魚ばかりの渓流の行く末は ? 。

2021-06-19 20:17:32 | 渓流魚、蝶、自然
オショロコマ成魚ばかりの渓流の行く末は ? 。




20XX-10-9  (木) 晴れ



本当に久しぶりに知床半島ウトロ側の渓流 H川に入った。




林道横の鹿よけ柵の前まで車を進めたら生い茂った草木のなかにフォレスターが沈んでしまった。



鹿よけ柵の扉をこじあけて、うっそうと草木が茂る川岸をしばらく進んだ。


陽がかたむいて薄暗くなってきたが、そろそろ活動が活発になるヒグマ君の恐怖をこらえながら川へ降り上流へと遡行をはじめた







ここは以前からヒグマの痕跡がとても目立つところで、こんな時間に、出来れば入って行きたくないのだが久しぶりに、どうしてもここのオショロコマを見たくなったのだった。



H川には、いつのまにかとても立派なコンクリート橋ができており、すぐ下が立派なたまりになっていたがまったく魚信なし。



そこから下流を見渡すとそうとう良さそうなたまりが続いているが、良さそうすぎて恐らく魚はいないと直感した。



そこで鹿ゲートの上流へむかったのだが、ここぞというところでもまったく魚信がない。





この川特有のなんとなく白っぽく濁ったような水で、川底も滑りやすい。



急流をわたるとき滑って転倒しそうになりひやーっとした。





それにしてもいつもと違って魚がいない。 とうとう、この渓流最高のポイント大きな天然プールへ到達。ここは従来、オショロコマが群泳するとても魚が多い場所だった。 




しかし当初はまったく魚信なし。一体どうなっているのだろう。





それでも入念に流すと、やっと良型♂がこの渓流独特の真っ黄色な腹部を見せながら釣れてきた。











ここの♂はしばしば腹部の黄色がとても美しくなるため、従来私のお気に入りの個体群であった。




ここで粘って 3♂♂2♀♀を釣った。 















♀はくすんだような体色に細かな赤点紋理で腹部は白く産卵途中かなといった個体であった。
















それ以上は釣れず、さらに上流のたまりをいくつかさぐったが魚信なかった。




あたりがとても薄暗くなり、今日は上流のダムまではゆかず引き返すことにした。





川底をよく見ると砂防ダム下流域の特徴で、大石や大岩ばかりが目立ち砂礫や小さめの石がない。




要するにオショロコマの産卵場所に適したところがほとんど無くなっているのに気づいた。





実際に成熟した個体ばかりで幼魚・若魚がまったく見られず、ここではオショロコマの自然再生産がとどこおっている可能性が示唆された。





この渓流の砂防ダム群の下流域に棲息する、この渓流独特の黄色い腹のオショロコマの行く末が気になるところだ。


撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。







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