Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

金沢での演奏会

2015年01月27日 | 音楽
 週末を利用して金沢に行ってきた。観光半分、用事半分の気楽な旅。金沢には元の職場にいたときに出張で2度行ったことがある。2度とも仕事だけして(兼六園だけは駆け足で見たが)、観光はせずに帰ってきた。いつかはゆっくり訪れたいと思っていた。

 今回思い切って出かけたのは、オーケストラ・アンサンブル金沢の定期演奏会があったから。開演時間に間に合うように日程を組んだ。早めに会場に着くと、ロビーコンサートが始まるところだった。ヴァイオリン2本とヴィオラ、コントラバス各1本で「春の声」と「オーストリアの村つばめ」(だと思う)が演奏された。1月定期に相応しい新春気分になった。

 ロビーコンサートが終わった時点で、主催者側から、諸事情により通常のプログラム冊子が配布できない旨のお詫びがあった。後日、定期会員には郵送し、また定期会員以外の方にも、住所を教えていただければ郵送するとのこと。

 会場に入ると、池辺晋一郎が登場した。プレトークだ。予期していなかったので驚いた。同氏は石川県立音楽堂の洋楽監督とのこと。ざっくばらんな話し方はいつものとおりだ。当日のコンサートマスターは、読響の名コンサートマスターだった藤原浜雄とのこと。思いがけない顔ぶれだ。

 石川県音楽文化振興事業団(アンサンブル金沢の運営母体)の代表の方から挨拶があった。いつもはそんなことはないのだろうが、新年だからか。

 当日の指揮者はウィーンのピアニスト、シュテファン・ヴラダー。今はウィーン室内管弦楽団の芸術監督および首席指揮者を務めているそうだ。アンサンブル金沢を振るのは2度目とのこと。

 1曲目は武満徹の「雨ぞふる」Rain Coming。武満徹の曲はこまめに聴いてきたつもりだが、この曲は知らなかった。室内オーケストラのための小品。正直あまり面白いとは思わなかった。2曲目はハイドンの交響曲第83番「めんどり」。全6曲からなる‘パリ交響曲’の一つだ。演奏は、楽章を追うごとに、単調さを感じるようになった。

 3曲目はブラームスの交響曲第4番。前2曲と比べると、ニュアンスが格段に細かく付けられていた。指揮者ヴラダーのこだわりか。何度か、あゝ、ブラームスっていいなと思った。ヴラダーは良心的な‘音楽家’なのだろう。オーケストラも聴衆も巻き込んで、ホール全体が興奮の坩堝と化すとかなんとか、そんな派手さはないけれども。
(2015.1.24.石川県立音楽堂)
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