Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

壁一面に埋め込まれた無数の

2012年10月12日 | 社会


写真は、8月にパリのシャンゼリゼ通りのルィ・ヴィトン本店で撮った等身大の草間彌生人形。
この夏は、世界中のヴィトン・ショップが草間弥生ワールドで席巻されたようです。
昨日久しぶりに六本木ヒルズのヴィトン・ショップに行ったら
ベージュと茶色主体のシックな秋のディスプレイに変わっていました。
仕方ないので、下はネットで拾った画像です。



先日、NHKで草間彌生の特集番組も放送されました。
彼女が子供のころから幻覚・幻想に悩んでいたこと、
83歳になった今も精力的に創作活動に取り組む傍らで
なお頭痛や自殺衝動に悩む様などが淡々と取り上げられていました。
病院で薬を処方されるシーンもあったように思いますが
「統合失調症」や「向精神薬」という言葉は使われてなかったような…

彼女がその病気に少女時代から苦しめられていたことはもう周知の事実のようだし、
「芸術を作り続ける事だけが私をその病から回復させる手段だった」と
ご本人も公言しているのだから(引用元 http://artprogramkt.blog91.fc2.com/?mode=m&no=95
番組でもはっきり言った方が、そうした病気に苦しむ人の救いになったかもしれないのに
などと思ったのでした。

草間彌生の水玉模様はあまりにも有名ですが
かつて私は彼女の若い頃の、ソフト・スカルプチュア作品に激しく驚きました。
ファルス(男根の象徴)がびっしりと生えたソファや家具。
”なぜファルスなのか。
それは、コンプレックスの裏返しといえる。少女の頃から草間は、
セックスに嫌悪感や恐怖感を抱いていたと振り返る。
その強迫観念を乗り越えるため、セックスの象徴であるファルスを膨大に作り、
自らの心の傷を癒そうとするのだ。”
(引用元 http://d.hatena.ne.jp/font-da/20100122/1264156624



中学生の頃読んだ倉橋由美子の小説の中に
同じようなシーンがあったような気がして
探したら出て来ました。
”かれらはまるで世界の壁いちめんに植え込まれ勃起してあなたを狙っている無数の
性器だ…あなたはそのイマージュ、あまりに猥褻なその奇観に息をつまらせた。”
(倉橋由美子「暗い旅」より)


芸術家の考えることって似ているのかしら?
はるか昔に読んだ小説の一シーンを、未だに覚えている私も私だと思いますが。
それにしても、久しぶりに読みたくなり、
このシーンを確認するためにもブックオフで買った昭和53年発行の新潮文庫の「暗い旅」。
これは文庫本の解説によると、”ことばの自己繁殖によって反世界の文学空間を
切り開く倉橋由美子の処女長編作”というものです。
活字が異常に小さく薄く、今となっては眼鏡をかけても読みにくい…
コメント (4)
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