
1961年の冬、ヒッチハイクでニューヨークへやって来た青年(ティモシー・シャラメ)。
先輩ミュージシャンのウディ・ガスリーやピート・シーガー(エドワード・ノートン)に才能を認められ、ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)とパートナーを組んだりしながら、時代の寵児となっていく。
が、フォーク歌手としてだけでなく、彼は他にも自分の道を模索し始めていた…

ジェームズ・マンゴールド監督の描き方は正攻法で奇をてらうこともなく、安心して観ていられますが、やや退屈とも言えます。
晩年ノーベル文学賞まで取ったボブ・ディランという男の、若き頃の数年間を淡々と描いた作品。
そりゃ御本人は83歳でまだ御健在なのだから、そうそうぶっ飛んだことは描けないでしょうし。
なのにアメリカでこれだけ評判になった(アカデミー賞7部門ノミネート、結局取れなかったが)ということは、この作品が思い起こさせる特別なものがあの国ではあるのだろうかと思います。

ただ、「風に吹かれて」「ミスター・タンブリン・マン」など、結構な頻度で歌うシーンが出てくるのですが、ティモシー・シャラメがすべて歌ったというのは凄い。
この映画の企画が出てからコロナ禍とストライキなどで制作が5年停滞、その間にシャラメは歌とギターとハーモニカを猛特訓したのだそうです。
そしてジョーン・バエズ役のバルバロも、役が決まった時点では歌も演奏も未経験だったと。
プロは凄いなあ!

(御本人たち、そっくりで驚きました)
そしてタイトルの「A Complete Unknown」というのは、「ライク・ア・ローリング・ストーン」の曲の中の「Like a complete unknoun, like a rolling stone」から取ったということです。
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