交通誘導員、メーター検針員などシリーズ化されているうちの一冊、読んでみました。
薄いので一息で読めてしまいます。
私は先進国に行く時は個人旅行が多いのですが、そうでない国に行く時はツアーを利用することも多い。
添乗員の激務ぶりは目にしていたので、その裏事情を知りたかったのです。
といった覗き見趣味に答えてくれる予想通りの中身でしたが、その大変さは予想を上回っていました。
66歳の著者は、塾講師、ライターなどを経て、50歳過ぎてこの世界へ。
ワガママな客と高圧的な旅行会社の板挟みに苦しみ、激務にふらふらになりながら、何があっても「謝るのが仕事」と。
国体の仕事で会場に行くも、旅行社からのあるべき連絡がなく、しかるべき段取りがまったくできず、参加者からも弁当屋からもホテルからも怒鳴られる羽目に。
桜を観るツアーに行くも、まだ開花してなかったり、交通渋滞で着いたらもう暗くなっていたりしてクレームの嵐、ひたすら平謝り。
そんなことを添乗員に怒るのはお門違いだろうと思うのですが、世の中には色々な人がいるのですねえ。
母娘の旅行で、新幹線の並びの席を取れなかったことで怒り狂う母親(格安ツアーではあり得ることらしいのに)。
バスツアーの中で大きい方を漏らしてしまい、異臭に車内が大騒ぎになっても、平然と座っていた高齢の男性(認知症であったらしい)。
添乗員という仕事、今や派遣が常態化しているとは知りませんでした。
海外旅行であっても添乗員の報酬は一日一万円と聞いたことがありますが、どうやらそれは本当らしい。
あれだけツアー客のために走り回り、煩雑な入国・搭乗手続きなどを一手に引き受け、個々の要望や相談に答えてそれだけとは。
豪華なホテルに泊まるツアーであったとしても、添乗員だけ粗末な部屋であることは当たり前。
国内旅行では、旅館の外の物置をあてがわれたことがあったとも。
私の経験から言っても、少々価格の張る贅沢ツアーなら無茶を言う客はいないかと思えば、そんなこともないようでした。
むしろそういう場合の方が、現役の時は要職についていたような年配の人が、添乗員を顎で使うシーンも。
不可抗力のトラブルが起きてクレームの嵐になったツアーの後、旅行会社のベテラン担当者から
「今回のことはもちろんあなたのせいではないけれど、今回のようなことが起こったときに、ツアー参加者の方々に『これは仕方がない。添乗員のせいではない』と思わせるようにしなければ、この世界では生きていけないよ」と諭されたと。
添乗員の仕事を通じて学んだことは「打たれ強くなったこと」だそうです。
ご苦労様なことです。
「派遣添乗員ヘトヘト日記」
薄いので一息で読めてしまいます。
私は先進国に行く時は個人旅行が多いのですが、そうでない国に行く時はツアーを利用することも多い。
添乗員の激務ぶりは目にしていたので、その裏事情を知りたかったのです。
といった覗き見趣味に答えてくれる予想通りの中身でしたが、その大変さは予想を上回っていました。
66歳の著者は、塾講師、ライターなどを経て、50歳過ぎてこの世界へ。
ワガママな客と高圧的な旅行会社の板挟みに苦しみ、激務にふらふらになりながら、何があっても「謝るのが仕事」と。
国体の仕事で会場に行くも、旅行社からのあるべき連絡がなく、しかるべき段取りがまったくできず、参加者からも弁当屋からもホテルからも怒鳴られる羽目に。
桜を観るツアーに行くも、まだ開花してなかったり、交通渋滞で着いたらもう暗くなっていたりしてクレームの嵐、ひたすら平謝り。
そんなことを添乗員に怒るのはお門違いだろうと思うのですが、世の中には色々な人がいるのですねえ。
母娘の旅行で、新幹線の並びの席を取れなかったことで怒り狂う母親(格安ツアーではあり得ることらしいのに)。
バスツアーの中で大きい方を漏らしてしまい、異臭に車内が大騒ぎになっても、平然と座っていた高齢の男性(認知症であったらしい)。
添乗員という仕事、今や派遣が常態化しているとは知りませんでした。
海外旅行であっても添乗員の報酬は一日一万円と聞いたことがありますが、どうやらそれは本当らしい。
あれだけツアー客のために走り回り、煩雑な入国・搭乗手続きなどを一手に引き受け、個々の要望や相談に答えてそれだけとは。
豪華なホテルに泊まるツアーであったとしても、添乗員だけ粗末な部屋であることは当たり前。
国内旅行では、旅館の外の物置をあてがわれたことがあったとも。
私の経験から言っても、少々価格の張る贅沢ツアーなら無茶を言う客はいないかと思えば、そんなこともないようでした。
むしろそういう場合の方が、現役の時は要職についていたような年配の人が、添乗員を顎で使うシーンも。
不可抗力のトラブルが起きてクレームの嵐になったツアーの後、旅行会社のベテラン担当者から
「今回のことはもちろんあなたのせいではないけれど、今回のようなことが起こったときに、ツアー参加者の方々に『これは仕方がない。添乗員のせいではない』と思わせるようにしなければ、この世界では生きていけないよ」と諭されたと。
添乗員の仕事を通じて学んだことは「打たれ強くなったこと」だそうです。
ご苦労様なことです。
「派遣添乗員ヘトヘト日記」