Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「有り、触れた、未来」

2023年03月14日 | 映画

東日本大震災から10年後の宮城県で、傷ついた人々が再生していく姿を描いた物語。
山本透監督の、自殺する若い命を救いたいという熱い思いが原動力だったのだそうです。
それに賛同した若手俳優たちが製作プロジェクトを結成して産み出した、自主制作映画なのだと。
生と死、出会いと別れにまつわる、いくつもの「ありふれた物語」が、微妙に繋がりながら同時進行して行きます。



交通事故で恋人を亡くした元バンドマンの女性、娘の結婚式への出席を願う末期ガンの女性、将来に不安を感じながらも「魂の物語」を演じ続ける若い舞台俳優たちなどの、群像劇。
登場人物が多すぎてやや散漫になった印象もありますが、その中でも、震災で祖父と母と兄を亡くした女子中学生、ユリの姿が心に残りました。
父親はショックから酒浸りとなり、祖母が地野菜や手作り品を売って細々と生活しているが、彼女は不安感に押し潰されそうになる。
自殺願望もあり、不登校となった彼女がどうやって立ち直ったのか、その姿には思わず涙が。
そしてその孫を静かに見守る祖母役を、手塚理美が演じていたことにも驚きました。
邦画やTVドラマをあまり観ない私の中の彼女は、青春ドラマのヒロインだったのに…



ラストシーンでユリたちが叩く勇壮な和太鼓の音と共に、青空に無数の青い鯉のぼりがはためいているのが、力強いエールのようでした。
震災で亡くなった5歳の弟が寂しくないようにと、当時高校生だった兄が瓦礫の中から見つけた青い鯉のぼりを飾った。
その後、「世界中の子供達の希望のある未来を願う」プロジェクトとして、宮城県東松島市では、毎年青い鯉のぼりを掲揚しているのだそうです。



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2 コメント

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日本人全員に・・・ (くちかずこ)
2023-03-15 08:03:50
震災の日の思い出があるでしょうね。
くちこは未だ、現役看護師で、デスクワークをしていたら同僚が部屋に飛び込んで来て、「大変なことになっている、テレビをつけて!」と。
くちこの知らない所で、震災派遣の看護師の候補に挙がり、それを上司が取り下げていたらしい。
いったい、どれだけの人の心に深い傷を残したのか。
手塚理美さん、くちこも、おぼろの昔を覚えいます。
先日、夫とテレビを観ていたら、宮崎美子が、認知症になった老人の役をしていて、ちょっと衝撃でした。
で、調べてみたら、くちこと同じ64歳。
なんなら、くちこより一か月若かったです。。。
最近、時の流れを痛感することが多いです。
くちこ的には・・・
全く自殺願望の無い人の方が不思議な存在です。
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くちかずこさま (zooey)
2023-03-15 22:01:36
3.11は、どれだけの人に大きな傷跡を残したことでしょうね。
あれからもう12年なんてねえ!
手塚理美、久し振りに拝見したら、おばあちゃん役とは。
61歳でまだまだ若作りできる歳なのに、彼女はそうじゃない方を選んだのですね。
宮崎美子が認知症の役ですか…
世の中、どんどん変わっているのですね。
若い人が悩み苦しむのは世の常ですが
自殺願望を持ってはいても、実行にまで移す人は少ないのでは?
折しも昨日のニュースで、小中高生の昨年の自殺者が500人を超えたとやっていました。
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