第2次世界大戦末期、ドイツの占領下にあったデンマーク。
小さな市民大学の学長であるヤコブの元に、500人余のドイツ人難民が送り込まれる。しかしドイツは、水や食料や医療の面倒は見ない。体育館に押し込まれた難民たちはたちまち窮状に陥り、伝染病が蔓延し、子供たちは次々に死んでいく。
ヤコブが見るに見かねて難民たちに食料や薬を提供すると、ドイツへの恨み骨髄の地元の人たちから、顔に唾を吐かれ、家に石を投げ込まれ、火をつけられる。
ヤコブの息子のセアンは学校でいじめられ、木に縛り付けられ、パンツを下ろされる。
そうしたことが、息子セアンの目線で描かれていきます。
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そしてドイツは降伏する。
それまで威張っていたドイツ軍はほうほうの体で撤退し、それまでドイツ軍に協力していたデンマーク人はリンチに遭う。
敵兵に体を売った女が丸坊主、裸にされて辱められるのは、お決まりの話。
ヤコブもレジスタンスの連中に捕まり、酷い暴力を受ける。
自分の良心に従ったヤコブ一家は、結局家も仕事もすべて失い、村を追い出されるのです。
小さな救いがあってホッとしますが…
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大戦末期に、ドイツから20万人以上の難民がドイツに押し寄せたという事実に基づいた映画です。
戦争というものは、人の良心や常識や判断力というものを根こそぎ奪うのだと、つくづく思います。
敵国人であっても目の前で死にかけている人を放置するのか、救うのか?
そしてこんなことが、今もガザやウクライナで起きているのだと思うと、暗澹とするばかりです。
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デンマーク映画、原題は「Befrielsen」英題は「Before it ends」。
公式HP