Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「フェラーリ」

2024年07月18日 | 映画

元カ―レーサーからフェラーリ社を立ち上げ、F1の帝王と呼ばれたエンツォ・フェラーリの、59歳の激動の一年間を描いた物語。
エンツォ(アダム・ドライバー)は最愛の一人息子を前年に亡くし、妻ラウラ(ペネロペ・クルス】との仲は冷え切り、愛人リナとの息子は可愛いものの認知できず、おまけに会社は破産寸前という、人生のどん底にいた。八方塞がりの彼は再起をかけて、1600㎞の公道を走るレース、ミッレミリアに挑むのだが…

「フォードVSフェラーリ」は数年前に観たものの、その他の予備知識はないままに観ました。
アダム・ドライバーがスター・ウォーズで新ヒーローを演じたのが10年ほど前、今作では初老の男エンツォを演じていたので驚きましたが、実年齢の20歳上の役だったようです。
アダムが190㎝程の長身で、こんな大きなレーサーがいたのかと思いましたが、実際のエンツォは2m近い長身だったのですって。
レースに勝つことに執着する傲慢な、しかし女の間で揺れ動く弱みを併せ持つ男エンツォを、よく演じていたと思います。
オペラ「椿姫」を観劇するシーンでは、女たちへの彼の思いが、美しいアリアに乗せられているようでした。
ペネロペ・クルスの始終不機嫌な女房役は、迫力がありました。
愛息を亡くし、あれだけ夫に裏切られ続けたら、不機嫌にもなるのでしょう。



そしてあのミッレミリアの大惨事。
人も一般車もいる公道で時速200㎞以上のスピードレースをするってどうよ?と思っていたら、やっぱり。
沿道の家族の幸せな食事風景が映ったと思ったら、次の瞬間、幼い子供がレースを見に飛び出す。
そして疾走する車が突然パンクして、沿道の群衆めがけてスピンしながら飛び込んだのです。
ちぎれた脚や胴体、目玉が飛び出た顔が容赦なく写され…
あの陽気で人懐っこいレーサーのポルターゴが、あんなことになるなんて。
この事故で、レーサーの他子供5人を含む観客9人が亡くなり、スピードレースとしてのミッレミリアは終わりとなったのだそうです。



エンドロールに御本人たちの写真が出てこなかったのが残念でしたが、この大事故の責任をフェラーリは問われなかったという文言が出てホッとしました。
フェラーリを何台も持つという熱烈な愛好家マイケル・マン監督が、帝王エンツォ・フェラーリを必要以上に美化せずに描いたことを評価したいと思います。

「フェラーリ」公式HP 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 箱根旅行② | トップ | パリの空の下、不可解な話 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
飛行機の中で見ました (LimeGreen)
2024-07-18 20:11:36
さすがに昼夜逆転する真っ最中だったのもあって、どうも集中できず、最終的に、アメリカに戻ってからストリーミングでちゃんと観ました。
家でカウチに座って観たらきちんと最初から最後まで観ることができました。合間にスマフォでドライヴァーのことととかWikipediaで読みながら…あはは。

私はランボルギーニが好きなので、フェラーリはよく知っていても「らぶらぶ」というほどではなくて。だから古いフェラーリはますますよく知らない。でもディーノの名前のいわれはよく知っていました(実物のディーノも一度だけ見たことあったかな?)。

アダム・ドライヴァーはすごく良い役者さんだと思うんだけど、「この前グッチやったばっかりで、また名の知れたイタリアン役!?」ってちょっと懸念があったんですよ。奥さんも愛人もみなイタリアンじゃない女優さんだし、ある意味White Washにならないかねこれは…、とは思いましたが、それぞれとても良く演じられてて見ごたえありました。Enzoのフクザツ極まりない陰陽ごちゃまぜの性格、ラウラの愛憎入り混じった、それでも最後の藁にすがるような様子。すごく良かったと思います。

事故の場面はオブラートに包まないで割ときちんと映像化してくれたのが、私は嬉しかったです。昔はロードレースって規制なしであんなに近くで見物させてたなんてねぇ…。

Ford V Ferrariも見てますよ、あれはすごくよかったですね。
返信する
LimeGreenさま (zooey)
2024-07-18 21:06:13
私は元々車に興味がないのですが
周りに車オタクがいっぱいいます。
ただその連中は、ポルシェとか、或いはもっとずっと古いクラシックカーを持っていて
フェラーリを持っている人はいないのです。
なのであんまりピンと来ないのですが…

ディーノは、あの夭折した長男の名前から付けられたのですよね。
その車のアイデアを出したのも、病床の長男だったとか。

グッチ、私も見ました。
アダム・ドライバーも、そして奥さんも愛人もみなイタリアンじゃない、そもそもあの映画を英語でというのにも違和感ありますよねえ。
それを言っても仕方ないか…

>昔はロードレースって規制なしであんなに近くで見物させてたなんて

本当にね。
そうした歴史を経ての今があるのでしょうね。
返信する
スーパーカーブーム (LimeGreen)
2024-07-19 00:20:37
>zooey さんへ
>LimeGreenさま... への返信

私、スーパーカーブームの真っただ中に小学生だったので、女の子でも「好きな車」ってみんな結構あったんですよ♪
今でこそ港区ならランボでもフェラーリでも簡単に見かけることが出来ますが、当時はそこまでは普及しておらず、「あそこにいた!」となると、男の子はもちろん、女の子でもちょっと行って見たりしたものです。
返信する
LimeGreenさま (zooey)
2024-07-19 21:57:56
スーパーカーブームの影響を、私は受けていないのです。
微妙に年齢が違ったのかな。
それと地域による差もあるのでしょうね。
港区と地方ではまるで違いますから…
返信する

コメントを投稿