婦人画報ではよくお能や歌舞伎の特集をしているのです。
私はそうした記事については正直、それほど興味を持てないのだけど
これくらいは知っておかなくちゃという思いで読むことが多いのですが
今回1月号の「三番叟で何が起こったか」という特集は面白かった。
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今年の9月「ふたりの狂言師とひとりの現代美術作家による前代未聞の試み」が
行われたのだそうです。
「三番叟」(さんばそう)というのは、「狂言師が神の依代となり大地を踏みしめ、
種を蒔き、五穀豊穣と子孫繁栄を願って」舞う演目なのだそう。
それを80歳の野村万作氏、46歳の萬斎氏父子が、現代武美術作家杉本博司氏の作品を
もとに創造した能舞台で舞い踊るという夢の競演。
野村父子の、ひとつの演目に対する取り組み方の違いが面白い。
万作氏「強さと抑制。その緩急で引き込む一体感こそが私の三番叟」
萬斎氏「生命の迸りを感じる三番叟で、その一瞬、神の領域を覗き込みたい」
萬斎氏の独特の解釈も興味深い。
「以前から私は『三番叟』と(ラベル作の)『ボレロ』の共通性に着目してきました。
死への跳躍を表現する『ボレロ』と生命の発露である『三番叟』は、一見まったく逆の
方向性を持っているようでいて、実はとても深い場所でつながっている」と。
「エネルギーの放射という点で、放電の瞬間を視覚化した杉本さんの『放電場』と
『三番叟』は重なります。
同じ旋律をひたすら反復する中でどんどんと求心力が高まって行き、
やがてそれが頂点に達した瞬間に訪れる、雷に打たれたような開放感。
放射とは性的エクスタシーの瞬間であり、新たな生命を宿す再生の瞬間と
とらえることもできる。
『三番叟』はなぜ老人の姿をしているのかという疑問も、
老いが死を経て再生する生命の象徴であると思えば、なるほどと納得できるのです。」
(萬斎氏談)
ううむ。
中々勇気づけられる言葉ではあります。
この命題には、他の言葉も当てはまりそうですから。
「若さは老いを経て再生する生命の象徴である」
「女は男を経て再生する生命の象徴である」
「更年期は老年を経て再生する生命の象徴である」
…語るに落ちたか。
「三番叟」がどんな演目であるか、動画を探したら出て来ました。
美しい舞いです。
(写真は萬斎氏。ネットから)
私はそうした記事については正直、それほど興味を持てないのだけど
これくらいは知っておかなくちゃという思いで読むことが多いのですが
今回1月号の「三番叟で何が起こったか」という特集は面白かった。
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今年の9月「ふたりの狂言師とひとりの現代美術作家による前代未聞の試み」が
行われたのだそうです。
「三番叟」(さんばそう)というのは、「狂言師が神の依代となり大地を踏みしめ、
種を蒔き、五穀豊穣と子孫繁栄を願って」舞う演目なのだそう。
それを80歳の野村万作氏、46歳の萬斎氏父子が、現代武美術作家杉本博司氏の作品を
もとに創造した能舞台で舞い踊るという夢の競演。
野村父子の、ひとつの演目に対する取り組み方の違いが面白い。
万作氏「強さと抑制。その緩急で引き込む一体感こそが私の三番叟」
萬斎氏「生命の迸りを感じる三番叟で、その一瞬、神の領域を覗き込みたい」
萬斎氏の独特の解釈も興味深い。
「以前から私は『三番叟』と(ラベル作の)『ボレロ』の共通性に着目してきました。
死への跳躍を表現する『ボレロ』と生命の発露である『三番叟』は、一見まったく逆の
方向性を持っているようでいて、実はとても深い場所でつながっている」と。
「エネルギーの放射という点で、放電の瞬間を視覚化した杉本さんの『放電場』と
『三番叟』は重なります。
同じ旋律をひたすら反復する中でどんどんと求心力が高まって行き、
やがてそれが頂点に達した瞬間に訪れる、雷に打たれたような開放感。
放射とは性的エクスタシーの瞬間であり、新たな生命を宿す再生の瞬間と
とらえることもできる。
『三番叟』はなぜ老人の姿をしているのかという疑問も、
老いが死を経て再生する生命の象徴であると思えば、なるほどと納得できるのです。」
(萬斎氏談)
ううむ。
中々勇気づけられる言葉ではあります。
この命題には、他の言葉も当てはまりそうですから。
「若さは老いを経て再生する生命の象徴である」
「女は男を経て再生する生命の象徴である」
「更年期は老年を経て再生する生命の象徴である」
…語るに落ちたか。
「三番叟」がどんな演目であるか、動画を探したら出て来ました。
美しい舞いです。
(写真は萬斎氏。ネットから)