野田佳彦氏が新代表に就任すれば日本は沈没する
菅-仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部を私は民主党悪徳8人衆と呼んでいる。これらの人々が主導する民主党勢力と、小沢一郎元代表、鳩山由紀夫元首相の両グループが主導する民主党勢力とは、基本理念、基本政策方針において決定的な差がある。
前者は対米隷属勢力である。
①対米隷属
②官僚主権
③大資本主導
を基本に据える政治勢力であり、これは、自民党と同一である。
だから、彼らと自民党との連立は、大連立と呼ばすに保守合同と呼べばよい。自民党と「悪徳民主党」との間にはほとんど差がない。
これに対して、後者の基本政策は完全に逆である。
①自主独立
②官僚利権根絶
③国民主導
を基本に据える。
私は前者を「悪徳民主党」、後者を「正統民主党」と呼んでいる。「悪徳民主党」を主導する8人だから、「悪徳8人衆」と呼んでいる。
2009年8月総選挙を通じて政権交代の大業を成し遂げたのは、「正統民主党」である。この点をすべての主権者が覚えている。
現在の菅政権が主権者国民の支持を失っているのは、「正統民主党」が支持を失ったからではない。民主党政権が「正統民主党」が主導する政権から、「悪徳民主党」が主導する政権に変質したからである。
民主党内には路線対立がある。当たり前だ。水と油なのだから。
「悪徳民主党」の基本方針は自民党と同一だから自民党と話が合う。「正統民主党」とは話が合わない。「悪徳民主党」と自民党は民主党マニフェストに猛反対している。なぜなら、民主党マニフェストは「正統民主党」が提示したものだからだ。
子ども手当、高校授業料無償化、高速道路料金無料化、農家個別所得補償、のすべては、正当な政策である。意義もあり有用だ。
財源は政府の無駄を切ればよい。まず天下り。菅直人氏は昔、天下り根絶と言っていたが、完全に変質した。天下りの全面擁護者に変わった。だから、「悪徳民主党」と自民党は天下りを根絶する考えがまったくない。
天下りを切れば、大きな財源が生まれる。
たとえば、原子力村への政府支出。現状で年間4500億円もある。原子力村の多数の外郭団体に巨額の国費が投入されている。根本的に見直しができる。
子ども手当を目の敵にする「悪徳民主党」と自民党だが、外貨準備の放置プレイで2007年から2011年までの4年間だけで、45兆円もの為替損失を生み出している。ほとんど犯罪である。
野田佳彦氏は8月に入ってから4.5兆円もドル投機に走り、2週間で1000億円以上の損失を生み出した。最悪のへたくそギャンブラーが総理になったら、日本が沈没することは間違いない。警察不祥事の品川美容外科創業者から300万円もの献金を受けたことは必ず再度、問題として浮上するだろう。
財務省の言いなりになって経済政策を運営した者が、どれだけ多くの失敗を繰り返してきたことか。適正な経済政策を立案できない人物は日本のトップとしては失格である。
主権者国民は、利権複合体による日本政治支配を打破したいと願っている。だからこそ、2009年8月総選挙で政権交代を実現させたのだ。菅政権の人気が最低であるのは、政権交代に託した主権者の心変わりによるものではない。
政権交代で実現した政権の基本性格が、かつての利権複合体のための政権に完全に戻ってしまったからである。
政権交代後の鳩山政権が破壊されたのは、マスゴミが鳩山政権を総攻撃したからである。マスゴミも利権複合体の一角として、主権者国民による政治支配を破壊したいのだ。
マスゴミはこれから、「悪徳民主党」の全面支援体制に入る。いや、すでに入っている。NHKも民放も、野田佳彦氏を賞賛する番組作りに没頭する。
震災で日本が国難に面しているから、与野党が協力して政治を担わねばならないという大連立推進キャンペーンが展開され、マスゴミ各社は、世論が与野党協力体制の確立を求めているというねつ造「世論調査」結果を次から次に発表し始める。
すべては、民主党代表選で「悪徳民主党」を勝利させるための工作活動である。
しかし、賢明な主権者国民は、この工作活動に乗せられてはならない。
利権複合体は、自民党と悪徳民主党の二大政党制の確立を目指している。
①対米隷属
②官僚主権
③大資本主導
の基本方針を堅持する二つの政党が二大政党制を樹立するなら、何度政権交代が起きても、利権複合体による政治支配の構造は崩れないからだ。
ところが、民主党代表選で「正統民主党」が勝利すると厄介である。この「正統民主党」がさらに躍進して、日本政治の主導権を奪還すれば、日本政治が利権複合体による支配から主権者国民による支配に転換してしまう可能性が生まれるからだ。
子どもの成長に対して社会がしっかり責任を果たす仕組みが必要だ。この仕組みがなければ、安心して子供を産むことができない。
高校授業料の無償化は、教育の機会をすべての子供に提供するうえで、極めて有効な施策だ。
日本の高速道路の現状を見るがよい。有料にしている限り、高速道路は幽霊道路である。巨大な資金を投入して建設した立派なインフラなのだから、その利用率、稼働率を高めることが、資源を有効に生かす政策である。立派な高速道路インフラを、車の走らない道路として放置することの方が、はるかに非合理的な姿勢だ。
農林漁業従事者の生活基盤を安定させることが、農林漁業への就労者を増加させる方策である。農林漁業に企業を参入させることは、日本の農林漁業を収奪的な産業に変質させる間違った方策である。儲かることはやるが儲からないことはしない。土地や漁場が荒れ地と化すことに躊躇せず、収奪的な無責任事業が蔓延することになるだろう。米国でも、大地の疲弊は極めて深刻である。
農林漁業こそ、日本の共同体生活と不可分に結びついている。共同体をどのように維持、発展させてゆくかを考えてゆかねばならない。
「正統民主党」が民主党の実権を掌握しても、参議院の多数派形成に真摯に取り組めば、国会運営には十分に活路を見いだせる。
「正統民主党」は2010年7月の参院選を最大の参院対策と位置付けていた。この参院選で大惨敗を演じたのは菅直人氏である。菅政権の苦境は菅政権自身が参院対策に大失敗したことに原因がある。
大連立で民主党の政策を放棄することは、野党との協力ではなく、野党への投降である。
民主党内の良識ある議員は、小沢-鳩山両グループが主導する「正統民主党」が支持する代表候補者を支持するべきである。絶対に「悪徳民主党」に民主党の実権を渡してはならない。
「悪徳民主党」が民主党の実権を握り続けることは、日本政治の暗黒化を意味する。
日本政治を利権複合体の手元から引きはがし、主権者国民のものにしなければならないのだ。