■ 「本物の政治家」をまた一人見つけた!
8月15日に放映されたNHKTV番組「渡辺謙アメリカを行く・9.11テロに立ち向かった男」を見て、世の中に「本物の政治家」が
まだ存在するのだということが良く分かりました。
http://www.nhk.or.jp/kenwatanabe/index.html
ナビゲーター役の俳優渡辺謙さんが全米各地を長期間現地取材して紹介したのは、戦前「敵性外国人」として両親と共に強制収容所に入れられ
3年間の過酷な収容所暮らしを経験した日系米国人政治家ノーマン・ミネタ元下院議員(80歳)の政闘いの歴史です。
番組のタイトルをより正確に言えば【9.11テロで沸き起こった「反イスラム人種差別」世論に立ち向かった男】に変更すべき素晴らしい内容で す。
▼ 国会議員として「日系アメリカ人への強制収容補償法」を起案・成立させた!
ノーマン・ミネタ氏はカルフォルニア州選出下院議員として「日系アメリカ人への強制収容補償法」を自ら起案し、仲間を募り議会に提案し可決さ せた 功績があります。
ノーマン・ミネタ氏はこの法案で三つの事を政府に要求しました。
1)米国政府は1942年から1945年の間に9万人の日系アメリカ人を「敵性外国人」として強制収容したのは誤りであった、と謝罪する事
2)米国政府は全ての強制収容された日系アメリカ人被害者に損害を賠償する事
3)米国政府は二度とこのような悲劇が繰り返さないために「差別は決して許さない」教育を行う事
この法案は1998年にレーガン大統領が署名し彼に「日系アメリカ人の強制収容は間違いだった」と正式に謝罪させたのです。
これこそが国会議員が本来すべき仕事なのです。
国会議員の本来すべき仕事は税金を使って選挙運動をすることではなく、必要な法案を自ら起案し国会に提案し審理させ成立させることなのです。
ノーマン・ミネタ氏が国会議員として果たした仕事は、法案の起案を官僚に任せ、法案の条文もろくに検討せず、官僚主導の形式的な委員会審議を 経て
ベルトコンベアー式に法案を次々に可決しているどこかの国の国会議員とは雲泥の差があるのです。
ノーマン・ミネタ氏は法案提出に先駆け、下院内に強制収容された経験のある日系アメリカ人の証言を聞く「証言委員会」を設置しました。
強制収容された日系アメリカ人はそれまではつらい体験を家族にも話さず一人胸の中にしまいこんでいましたが、証言委員会で証言したことで長年 の
胸のつかえが取れ本当の笑顔が戻ったのです。
この委員会のおかげで悲惨な「強制収容」の実態が初めて明らかにされました。
▼ 運輸長官として「反イスラム人種差別世論」に反対し「差別は絶対に認めない」立場を 貫い た!
2001年9月「9.11同時テロ」が起こりました。
FBIはこの事件をイスラム過激派武装組織「アルカイダ」の行犯であると早々と発表しため、メデイアに扇動された反イスラム、反アラブの
「人種差別世論」が沸騰し、「イスラム教徒への規制や監視の強化」を求める声が運輸行政の最高責任者であったミネタ運輸長官に向けられたので す。
ミネタ運輸長官は記者会見でこのように発言しました。
「外見や肌の色で判断されることについて私は実体験として知っている」
「全ての若いアラブ系の男性が疑わしいのではない」
「差別は絶対に認めない」
ミネタ運輸長官のこの発言に対して、メデイアと世論はすさまじい批判と非難の嵐が起こしましたが彼は一歩もひるむことがなかったのです。
その時の心境を聞かれて彼はこう述べています。
「強い姿勢で立ち向かうのです。これは正しいことなのです。憲法にのっとているのです」
▼ 「本物の政治家」を見つけ「賢明な政治家」育てよう!
日本では小沢一郎氏、米国では今回のノーマン・ミネタ氏とロン・ポール共和党下院議員(76歳)とデニス・クシニッチ民主党下院議員(64 歳)な どが
「本物の政治家」でしょう。
個人的な夢ですが、一度この4人で【タブーなき「本物の政治家」討論会】を日本でも米国でも良いですが、私が世話人代表を務めている
「ネットメデイアと主権在民の会」の主催で開催したいと思っています。
「主権在民」の社会は多くの「賢明な国民」と多くの「賢明な政治家」がいて初めて実現できます。
「本物の政治家」を見つけてその活躍を学びながら「賢明な政治家」を一人でも多く育てる必要があるのです。