東京オリンピック誘致に見る、兵器密輸マフィアの暗躍
ロシアの支配者プーチンは、エリツィン元大統領が、その権力の後継者として、プーチンを「指名」する事によって「皇帝権力の継承」を実現し、現在の権力者の地位に就任した。
エリツィンはソ連共産党時代、その余りの急進的な資本主義導入路線の考え方を権力者に嫌悪され、あらゆる役職から追放され、事実上「自宅軟禁」の扱いを受けた時期があった。政治的な友人達が、次々とエリツィンを見捨てて行く中で、唯一、プーチンだけはエリツィンと共に「自宅軟禁」に「同伴」し続けた。失意のエリツィンが、「これからは農業をやりながら、生計を立てて行く」と宣言し、政治の世界と絶縁せざるを得ない状況に追い込まれ、エリツィン自身がクワを持ち畑を耕し始めた時も、プーチンはエリツィンと一緒に泥まみれになり農作業を行なった。
プーチンは絶対にボスを見捨てなかった。
そのためエリツィンがロシア大統領となった時、プーチンは側近中の側近として絶大な信用を得、後継者としてロシアの権力者の地位を継承した。
このエリツィンが大統領に就任した時の大統領選挙の参謀として、その選挙を「仕切った」のが、ロシアン・マフィアの大ボスの1人「シャクロ」である。
プーチンがエリツィンの大統領選挙の実務を「仕切り」、選挙のノウハウは「シャクロ」が知恵袋となり、政敵を威迫等の手段で抑え込んだ。ロシアン・マフィアの「シャクロ」は、プーチンの政界での竹馬の友となった。
現在ロシアン・マフィア「シャクロ一家」は、イスラエルに本拠地を移し、プーチンの代理人となり、2014年のロシアのソチ・オリンピック会場の建設工事受注の「窓口」として、世界各国のゼネコンとの交渉に当っている。
「シャクロ」は建設工事屋としては別名の「カラショフ」を名乗っているが、オリンピック会場建設のためヨーロッパ等からロシアに搬入される建設資材を運搬する車両は、帰路に決して荷台を「空にして」帰っては来ない。そこには密売されるロシア製兵器が大量に「積載」されている。
このカラショフのロシア製兵器の密売のビジネス・パートナーが、4年に1度のオリンピック開催地を決定する「国際オリンピック委員会IOC」である。IOCの本業が、オリンピックの開催などでは毛頭無く、兵器の密売である事は「常識」である。
かつて派閥抗争の激しかった1990年代のロシアン・マフィア業界で、「金で殺人を請け負っていたシャクロ」が、現在では、ドバイで、プーチンのメッセンジャー=オリンピック会場建設工事の交渉役としてスーツに身を包み、携帯電話でIOC幹部と会話し、「商談」を進めている。「ビジネスマンになって、やっと偽名のシャクロではなく、本名のカラショフを名乗れるようになった」。
ドバイで、ロシアン・マフィアの大ボスの1人「シャクロ」が、オリンピックをめぐる「建設利権」の交渉相手=パートナーとしているのが、米軍の燃料・食糧・水・兵器・弾薬の補給・運搬=兵站部を担当してきたハリバートン社である。
石原・元都知事と比較し、猪瀬・新知事は、必ずしも政治的なタカ派ではなく尖閣をめぐり強硬な発言を繰り返してはいない。石原の尖閣発言によって日本と中国間の緊張が高まり、日本による米国からの迎撃ミサイルの購入に拍車がかかった事はシャクロ等のオリンピック=建設利権=兵器ビジネスマンにとっては好材料であった。猪瀬は、この好材料を提供してはいない。
「当然」、猪瀬の「非協力」に対するイヤガラセは画策される事になる。
オリンピックは「聖なるスポーツの祭典」等ではなく、国際的な政治経済の利権争奪戦争の場である。