突風は 焦りに似たり歌を吹き 思わず縋る富貴桜
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にいがたのろしPJ シンボルデザイン
滋賀県下の城址遺跡を狼煙リレー構想を書いたのでネット上で調
べてみたら、新潟、長野で既に実施済みということが分かった(
書く前に調べろっていわれそうだ)。新潟県では震災復興祈願で
行われていた。新潟県民の心意気に敬服(『にいがた狼煙プロジ
ェクト』)。
狼煙は、情報を伝達する手段である。夜間など煙が見えない場合
は火そのものも使われる。烽火、狼火、狼燧ともいう。欠点は、
天候に影響され基本的に煙の有無だけなので伝えられる情報量が
少ないなどである。古くから敵の攻撃を知らせることなど戦絡み
の合図用に使われた。狼煙を上げる狼煙台は、中国の万里の長城
などに遺構が残っている。言葉の由来は煙が多くでる狼の糞を燃
料にしたとされる。石川県の能登半島突端には狼煙という町があ
り、海上交通用に狼煙が上げられたことに由来するといわれる。
信玄の狼煙台ネットワーク
モンゴルのチンギス・ハーンの帝国で狼煙の連携による情報通信
が行われていた。その伝達速度は時速 140kmに及んだという。煙
の元としては、羊の糞や地上に染み出した石油(ネフトザグと呼
ばれる)などが使われ、モンゴルの遊牧民の視力は、はるか彼方
のものを見ることができ狼煙を使った通信手段の実現の上で有利
だったとされる。
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琵琶湖の小高い山には砦や城跡が多い。春を告げる季節に淡海を
核に狼煙台からのカラフルな狼煙リレーはロケーションやビジュ
アルで格好だろうと考えたことだ(期間は1週間として、天候の
良い日に実行する。この期間を『戦国浪漫春絵巻』週間として)。
ところで、県下の砦、城址の遺跡を調べてみたところ、37ヵ所
程度あるなかで、25ヵ所が良いだろうと思っている(膳所、勝
楽寺、西宿、鯰江、北津田、佐生、小森、茎岡、田中江、小田、
古城山、夕日ヶ丘を除く、)。さらに、三上山や沖の島、竹生島
及び西近江の神社仏閣も入れてバランスを取るのも良いと思う。
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おめでとうオスカー受賞
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八風街道進化論
観音寺城は過去数回登っている。滋賀県蒲生郡安土町にあった山
城である。支城に和田山城、佐生城、箕作城等があり国の史跡に
指定されている。近江源氏の佐々木氏、後に近江国守護六角氏の
居城で、小脇館、金剛寺城を経て六角氏の本拠となる。標高 433
メートル、南北に伸びる繖(きぬがさ)山の山上に築かれる。南
腹の斜面に曲輪を展開、家臣や国人領主の屋敷を配した。総石垣
で、安土城以前の中世城郭においては特異な点とされる。天文年
間には城下町・石寺も置かれ、楽市が行われていた。周辺は琵琶
湖や大中の湖、美濃から京都へ至る東山道、長光寺集落から伊勢
へ抜ける八風街道があり、それらを管制できる要衝に位置する。
因みに、観音寺城は日本百名城のひとつであるが、安土-能登川
の起伏に富む一帯は独特の不可思議な‘物語’或いは‘神話’を
醸し出すかのような空気を持ったところである。
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こころよく陽は回りきてサイネリア 精いっぱいに花盛り上げる 鳥海昭子
観音寺の舞台は、戦国の幕開けの応仁の乱であり、元は畠山家の
跡目相続をめぐる極々内輪の争いだったものが、室町幕府の将軍
足利義政が優柔不断で処理を誤ったため、周辺の大名を巻き込み
急速に拡大したといわれる(NHKの『その時歴史は動いた』)。
これは2つのことを考えさせる。その1つは、「天下は破れば破
れよ。世間は滅びば滅びよ。人はともあれ我が身さえ富貴ならば」
(軍記「応仁記」)。2つめは「預言なき民は滅ぶ」(旧約聖書
「箴言」29-18)である。この2つは今日の『米国産金融危機』
『戦後最大の経済危機』への裁き方が焦眉に問われるリーダーシ
ップの有り様で、舵取りを間違えれば一気に世界中が混沌の海に
放り出されてしまうものである。
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月日が経つのもはやく予定通りに行かぬ焦りと縋りを求めること
を拒絶をしつつも、心の奥底にはその誘惑に負けそうな怠惰さの
蠢きに‘きみ’にすがろうとする自分がいる。この間、エルサレ
ム賞を受賞した村上春樹の小説『風の歌を聴け』を思い返し、風
とはリアルな現実の移ろいであり、風が去った址にしか気づくこ
とのない儚さを思い浮かべている。
キク科の「シネラリア」。花言葉は「望みある悩み」「快活、常
に輝かしく」、学名:Senecio cruentus 和名:フウキギク(富貴菊)、
フキザクラ(富貴桜)。シネラリア (Cineraria) とは、キク科の
植物の一種で原産地は北アフリカ、カナリヤ諸島。開花期は冬か
ら早春。多くの品種があり、花色も白、青、桃色など多様である。
園芸店などではサイネリアと表示していることが多い。
清水焼 皿 富貴桜