極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

おおいぬふぐりと漓江下り

2009年02月16日 | 国内外旅行


きみの風邪継ぎて吾も風邪ひきぬ  篤き手当のおおいぬふぐり



ふきのとう                                 

『芸術人類学』で、「対称性」を取り戻す運動の小さな実践だけが
可能とすることが分からずにいたがハットするできごとを思いだし
た。昨年、白山神社の境内の立ち枯れの杉の木を伐採する体験をし
た。間伐や手入れ不足と水はけの地形が災いし、蟻などのによる病
巣で外見上問題なさそうみえていても、心は空洞、窠だらけという
わけだ。ご承知の通り、木の中央部の細胞は、ほとんど死んでいて、
樹皮直下層部(形成層)が細胞分裂が行われ成長する。地球上で無
機物から有機物を生産することのできる唯一の生物で、これが独立
栄養生物、これが植物なのである


木の断面 
  
樹木の断面

今回経験した木質(或いは木材)腐朽(ふきゅう)病 は、褐色腐
朽菌
の木材中のセルロースやヘミセルロースを分解する能力を持ち、
分解された後に残留するリグニンの色である褐色に変色させる褐色
腐朽菌と呼ばれる
担子菌により、幹心が窠が入り空洞化し枯れる病
気で、一見問題なさそうにみえる病気。多湿、風通しや日当たりの
悪いことによるが素人なりの判断でそのように見立てた。

 サルノコシカケ(褐色腐朽菌の一種)

セルロースを酵素的に分解し、最終的に水を作り、それにより木材
水分を調整して、繁殖条件を整えるのに役立て、水分量が過剰なと
きは、菌糸の先端に水滴を溜めることからナミダタケ(涙菌)と呼
ばれるものもある(杉などの
針葉樹を好んで腐朽させるものが多い)。
そうである。このことは逆に利用すれば、木質の分解に繋がる『無
機還元機能』があり、話題となった、‘バイオエタノール’等の産
業化に繋がることから現在盛んに
研究されている

 樹皮



集い来る児童の瞳思わせてイヌフグリの花土手に群れ咲く


ちょっと話がそれたかもしれない。要は、人間という全体性を樹木
として例えるなら、
未分化の植物細胞カルスが分化し、枝、葉、幹、
根、樹皮を形成していくように、自ずとなるつまりは、森羅万象の
全て埋め込まれた等価な細胞により、成長構成され再びこの大地に
還元されて進化(神の御心=自然真理)して行く原理を差している、
つまりは、一見すると一方向に直線的にしか進展していないかのよ
うに見える人類史というものが、熱力学的なエントロピーの増大と
いう2次元的展開(非対称性⇒対称性)が円弧を描きつつある方向
(神の御心=自然真理)に向かい展開していくその行動主体と行動
形態を差すものと解釈できるが、理解出来たとしてなおかつ、大い
なる疑問が残る。

 auxin  cytokinin


これは、中沢新一から言わせれば、憐れな盲目の蒼氓ということに
他ならない。いま起きている大不況も地球環境の異常も尽きること
のない強欲のなせる業で、この人類の欲望を眠らさない限り、その
<対称性>は、取り戻せないということを指示しているようにも思
える。これをもう少し推し進めていうと、「植物としての人間は、
緑が多いほうがいい。動物としての人間は行動しやすくできている
社会のほうがいい。人間としての人間は、より良い社会を考える能
力がある。環境問題はこの3つを総合して考えなくてはいけない」
吉本隆明)という実践を指しているのかもしれない。              

 Carl von Linné

ぷちぷちとオオイヌノフグリ摘み取りて手のひらサイズの花束 あげる


拡大写真の頁へ Alice & 山口百恵『きみの瞳は一万ボルト』


さて、きのうの続きで中国の仕事の合間、11月男ばかりの仕事仲間
と休暇をとり西安から長沙経由で
桂林に汽車と飛行機で観光に出か
けた話をしよう。11月といえば滋賀県と比べれば相当寒いが、桂林
は名前の通り町全体が金木犀の匂いに包まれていた。当時は『
きみ
の瞳は一万ボルト
』という堀内孝雄の歌が流行っていたいたころで、
いまから振り返ってみても、少し肌寒く、金木犀の匂いと、女性の
肌が恋しい季節がなんとも心地よい思い出をつくりだしている。

 三国志 風姿花傳

名物の「漓江下り」にひとつ善からぬ企てを持っていて、二階建て
の船首側デッキで谷村新司の『昴-すばる』を大声で歌うことにし
ていた。当日はドイツ人の団体客と同乗することとなったがそこは
意を介さず歌うことにした。歌い始めたときは怪訝な顔つきでこち
らを見ていたが歌い終わると拍手喝采で意気揚々と下船する思いで
づくりで観光、いや、敢行したのであった。 
                            


大きな画像とコメント 



桑原の土にはびこるイヌフグリも子供の目には青いジュウタン

 村上春樹               

村上春樹がエルサレム賞受賞とともにパレスチナ問題でイスラエル
を批判した(苦言を呈した)という新聞がTVで流れた。「壁」
(国家権力)と「卵」(蒼氓)では、蒼氓側に立つとの見解は良心
があるならば当然だろう。敢えて、授賞式で‘極東人(ごくとうび
と)’のひとりの世界的な作家が声を上げたということは、イスラ
エル国民の心に静かながらも確かな波紋を広げていくこととなった。

                                           

コメント (1)
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