日々老いる母を励まし訪れる友の土産に山茱萸の芳り
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日々粗相が多くなる母。そんなある日突然お友達から電話が掛か
り寝ている母に取り次ぐと、すぐに玄関先で元気な声がした。手
作りの大きな大根とお惣菜をお土産を手にお見舞いして頂いた。
早春に黄金の花が枝一面に咲くので、別名は「ハルコガネバナ(
春黄金花)」。秋には真っ赤な透き通るような「アキサンゴ(秋
珊瑚)」とも呼ばれる実をつけるサンシュユ(山茱萸)。ミズキ
科サンシュユ属の落葉小高木で、学名は Cornus officinalis。英名は
Shan zhu yu。中国、朝鮮半島原産の落葉小高木で、高さ3~15mに
なる。花弁は4枚。用途は庭木、生薬。果実(正確には偽果)は
山茱萸は生薬に、日本薬局方に収録されており、強精薬、止血、
解熱作用があり、牛車腎気丸、八味地黄丸などの漢方方剤に使わ
れる。
9日(月)に退職前の会社がリストラ計画を発表した。ここまで
来るとはとの思いとわたしならどうしたのか少し考えた。リスト
ラ策の実施を過去数回経験したが、「資本」に負けない方策は、
従業員がスクラムを組みリストラ前の『自活』と地域との『連帯』
への道をどのように組織するのかに掛かっている。そのことが安
易な首切りへの働く者の『専守防衛』であるはずだが、それが間
に合わなかったのは、‘戦後最大の危機’の津波だが、そのこと
を予見出来きなかった経営者の責任であるとともに、労働者側の
手抜かりとする他ない。サンシュユの花言葉は、「忍耐」「かわ
らぬ愛」である。『山茱萸の芳り』に元気にお見舞いに訪ねてく
れるお友達の小さな善意と、その双方の心髄を込めて歌った。
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16日から来日するクリントン米国務長官が民主党の小沢一郎代
表に会談を打診していることが10日、明らかになった。民主党は
沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に反対し、県
外もしくは国外移転を主張している。党関係者によると、米側は
17日の会談を希望しているが、小沢氏は普天間問題で党の主張
を訴えることを重視し、中曽根弘文外相より先に会うことを希望
しているという。日本人より見る目があるという最大の皮肉では
ないか。「黒人」「女性」の強力なタッグルにどうする日本。
しかし、今回の津波はブッシュだけの責任でないことぐらいは、
駄目な日本人でも醒覚している。預金ゼロ、元利支払い所得ゼロ
でも住宅取得できたのはクリントン政権時代の持ち家比率65%か
ら70%近くまで高める政策をベースにサブプライム問題が発生し
たのであり、つまりは、(「サラ金」+「先食い」+「政府」)
×「金融」=「唯金融主義」ともでいえる世界好況を演出したと。
その結果、「自己責任」から「社会へのまなざし」(中谷巌著
『竹中平蔵君僕は間違えた』、文藝春秋、09年3月号)に転換せ
ざるをえなくなったのだ(※「新自由主義を拒絶しはじめたのだ。
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そうなると、抗うつ剤市場は縮小する。ちなみに、このまま新自
由主義が退場していくなら、抗うつ剤市場の縮小にもかかわらず、
それは自殺率の減少をもたらすだろう」(高岡健、「(11)続・
不況論)」)。最も、劇作家の山崎正和が、この危機を100年に
1度どころか、「300年に1度あるかないかの危機」の鳥羽口だと
見なしている。世界大恐慌以来の経済危機を遡り18世紀半ばに始
まった産業革命から現代のグローバリゼーションに至る歴史の中
で迎えようとしている大きな歴史の転換点として、この経済危機
を捉えている(2月9日付毎日新聞夕刊特集ワイド)との考えに異
論はさほどない。
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変わりばえしないオバマ外交が、クリントンと組むことでどのよ
うに変化するのか、しないのか、「冷戦終結から10年すぎた今、
アフガニスタンでの泥沼の占領劇は役者が交代し、米欧(米軍を
中心とするNATO軍)が占領の泥沼にはまっている。ソ連はア
フガンを社会主義化する口実で占領して失敗したが、米国はアフ
ガンを民主化する口実で占領して失敗している。今後、不況の影
響で原油ガスの国際価格が再び下がったままになったら、ロシア
の政局が混乱するかもしれない。世界は、ドルや米国債の崩壊感
が強まって原油が高騰し、覇権多極化が進展するのか、原油安で
ロシア(やイラン、ベネズエラ)が崩壊して米英中心体制が維持
されるのかという、覇権の分岐点にさしかかっている」との指摘
(田中宇の国際ニュース解説2009年2月10日)も見逃せない。
※‘Medvedev Stepping Out From Putin's Shadow’ ドミトリー・メドヴェージェフ
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デジタル技術は、基本的にはフィルムを1と0の連続に変換する
方法にすぎないと考えると、この技術が映画の製作方法、ストー
リー、鑑賞する場所、製作費用、観客を大きく変えたことは、ショッ
クであり驚きでもある。さらなる技術的進歩に備えよう。
スティーブン・アッシャー Click here
次の事業を構築することが、わたしの最後の10年(Last decade)
の仕事と決めて研究開発に没頭した結論として、事業として具体
的な成果として残せなかったが、未来に対する確かな手応えを得
られたことが、最大の成果だと思っている。特に、次世代太陽電
池(色素増感型)の開発では、オバマの‘Energy Independence’構想
を魁けていた。それは、太陽光変換層を「メディアはメッセージ
」(マクールハン)ととらえあらゆる建造物の表層を覆うという
構想であった。コスト的には一挙に1キロワット時間当たり、7
円以下を実現するという途方もないプランであった。その確信が
いままさに進行しつつある『デジタル革命』なのだが、現実は厳
しく、昼夜に渡る作業は過酷を極め、目と腰を壊し爆発寸前。多
くのアイデアは頭の中に仕舞われたまま、メデイア以前の状態だ
ったというのが本音だ。
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カナダの科学者マクルーハンは、人間がメディアと取り結ぶ関係
の分析を通し独自文明史の見方をしめす。視覚コード化は人間を
視覚・談合の空間から、原始社会における全身体的知覚の世界か
ら引き離し、行動の分科、精神と心の分離を生じさせた。近年の
エレックトリック・メディアは芸術・哲学・政治・経済の従来の
構造を覆す大変化をもらした。斉藤賢爾の「ニューメディア論」
によれば、「拡張」(amplification)⇒「反転」(reversal)⇒「回復」
(retrieval)⇒「衰退」(obsolescence)の4過程で活字メディア(印刷製
版技術)のテトラッドを展開すると、「時空を超えて意味を伝え
る能力をもたらす」⇒「電子メディアに反転する」⇒「ルネッサ
ンス」⇒「聴覚メディアとして書物を衰退させる」というプロセ
スを意味する。
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それにしても、「失われた20年」にもかかわらずに移動体通信
の進化は見違えるではないか。「パケ死」は、2001年から2003年
を中心に流行した。「ケータイ不況」は、可処分所得の多くを携
帯電話代が占める事により他への出費が抑制される。携帯電話及
びIT分野の急速な発展に伴い、関連企業の株価が現在の利益でな
く将来の収益期待(EBITDA)から、過剰設備投資による不況。「ク
ローン携帯」は、「正式に契約された携帯電話と全く同じ電話番
号を持ち、事業者側でその識別が不可能な端末がどこかにあり他
人に利用されている」携帯電話のことである。「携帯電話ウイル
ス」とは、携帯電話端末の通信機能を介して他の携帯電話に伝播
するコンピュータウイルスの一種で、2004年6月にロシアで発見
された「Cabir」で、Symbian OSを搭載した携帯電話同士で、Blu-
tooth機能を利用して感染したが携帯電話網を介したものではない。
■ アレクサンドル・ポポフ
そもそも、微弱な電波で情報伝達出来ることが不思議だ。1873年
にマックスウエルが電磁波の存在を予測したことに始まる。「進
化するワイヤレス通信技術」がガイダンスとして適当だと思える
の本筋に戻す。「ニュー」だの「ポスト」は単なる区分けではな
いかという不満が残る。確かにデジタル革命は大容量の情報伝達
の高速化を可能にしたが、本当の恐ろしさが<未体験ゾーン>と
して現れてくる。この革命の特徴は6つあり、①シームレス、②
ダウンサイジング、③ボーダレス、④デフレーション、⑤イレー
ジング・エフェクト(=技術の還元)、つまり既成概念の破壊(
destruction of the established concept )、⑥<未体験ゾーン>の拡大
である。このうち、⑤つめが分かり辛いかもしれない。例えば、
輪転機がなくなり、インクジェット(ノンインパクト)印刷に換
わることとなどである。
Second Life
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また、⑥つめは「生身の経験」という、ゆったりとした時間軸が
破壊され、瞬時に無意識が連鎖し予期せぬ結果をつくる、充分な
心の準備なしで、意欲や情緒の深化・共有・認識もなく、無秩序
に展開する<ゾーン>の病理的側面も垣間見られるが、脳内活動
そのものを対象にした産業を想定している。<未体験ゾーン>の
拡大に合わせ、イメージング産業、つまり第5次産業である<癒
し>や<侘び><寂び>の産業化は自然な流れ。<侘び>を岡倉
天心は、“imperfect” と表現したが、これを踏まえデジタル革
命の補完的なサービスの商品化(付加価値創造)だと考えている。 岡倉天心