極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

サンシュユとデジタル革命

2009年02月12日 | デジタル革命渦論


日々老いる母を励まし訪れる友の土産に山茱萸の芳り



日々粗相が多くなる母。そんなある日突然お友達から電話が掛か
り寝ている母に取り次ぐと、すぐに玄関先で元気な声がした。手
作りの大きな大根とお惣菜をお土産を手にお見舞いして頂いた。
早春に黄金の花が枝一面に咲くので、別名は「ハルコガネバナ(
春黄金花)」。秋には真っ赤な透き通るような「アキサンゴ(秋
珊瑚)」とも呼ばれる実をつけるサンシュユ(山茱萸)。ミズキ
科サンシュユ属の落葉小高木で、学名は Cornus officinalis。英名は
Shan zhu yu。中国、朝鮮半島原産の落葉小高木で、高さ3~15mに
なる。花弁は4枚。用途は庭木、生薬。果実(正確には偽果)は
山茱萸は生薬に、日本薬局方に収録されており、強精薬、止血、
解熱作用があり、牛車腎気丸、八味地黄丸などの漢方方剤に使わ
れる。

 

9日(月)に退職前の会社がリストラ計画を発表した。ここまで
来るとはとの思いとわたしならどうしたのか少し考えた。リスト
ラ策の実施を過去数回経験したが、「資本」に負けない方策は、
従業員がスクラムを組みリストラ前の『自活』と地域との『連帯』
への道をどのように組織するのかに掛かっている。そのことが安
易な首切りへの働く者の『専守防衛』であるはずだが、それが間
に合わなかったのは、‘戦後最大の危機’の津波だが、そのこと
を予見出来きなかった経営者の責任であるとともに、労働者側の
手抜かりとする他ない。サンシュユの花言葉は、「忍耐」「かわ
らぬ愛」である。『山茱萸の芳り』に元気にお見舞いに訪ねてく
れるお友達の小さな善意と、その双方の心髄を込めて歌った。





16日から来日するクリントン米国務長官が民主党の小沢一郎代
表に会談を打診していることが10日、明らかになった。民主党は
沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に反対し、県
外もしくは国外移転を主張している。党関係者によると、米側は
17日の会談を希望しているが、小沢氏は普天間問題で党の主張
を訴えることを重視し、中曽根弘文外相より先に会うことを希望
しているという。日本人より見る目があるという最大の皮肉では
ないか。「黒人」「女性」の強力なタッグルにどうする日本。
しかし、今回の津波はブッシュだけの責任でないことぐらいは、
駄目な日本人でも醒覚している。預金ゼロ、元利支払い所得ゼロ
でも住宅取得できたのはクリントン政権時代の持ち家比率65%か
ら70%近くまで高める政策をベースにサブプライム問題が発生し
たのであり、つまりは、(「サラ金」+「先食い」+「政府」)
×「金融」=「唯金融主義」ともでいえる世界好況を演出したと。
その結果、「自己責任」から「社会へのまなざし」(中谷巌著
『竹中平蔵君僕は間違えた』、文藝春秋、09年3月号)に転換せ
ざるをえなくなったのだ(※「新自由主義を拒絶しはじめたのだ。


普天間飛行場航空写真

そうなると、抗うつ剤市場は縮小する。ちなみに、このまま新自
由主義が退場していくなら、抗うつ剤市場の縮小にもかかわらず、
それは自殺率の減少をもたらすだろう」(
高岡健、「(11)続・
不況論)」
)。最も、劇作家の山崎正和が、この危機を100年に
1度どころか、「300年に1度あるかないかの危機」の鳥羽口だと
見なしている。世界大恐慌以来の経済危機を遡り18世紀半ばに始
まった産業革命から現代のグローバリゼーションに至る歴史の中
で迎えようとしている大きな歴史の転換点として、この経済危機
を捉えている(2月9日付毎日新聞夕刊特集ワイド)との考えに異
論はさほどない


家族のために命がけで-アフガニスタン スナップ5




変わりばえしないオバマ外交が、クリントンと組むことでどのよ
うに変化するのか、しないのか、「冷戦終結から10年すぎた今、
アフガニスタンでの泥沼の占領劇は役者が交代し、米欧(米軍を
中心とするNATO軍)が占領の泥沼にはまっている。ソ連はア
フガンを社会主義化する口実で占領して失敗したが、米国はアフ
ガンを民主化する口実で占領して失敗している。今後、不況の影
響で原油ガスの国際価格が再び下がったままになったら、ロシア
の政局が混乱するかもしれない。世界は、ドルや米国債の崩壊感
が強まって原油が高騰し、覇権多極化が進展するのか、原油安で
ロシア(やイラン、ベネズエラ)が崩壊して米英中心体制が維持
されるのかという、覇権の分岐点にさしかかっている」との指摘
(田中宇の国際ニュース解説2009年2月10日)も見逃せない。

Medvedev Stepping Out From Putin's Shadow’

ドミトリー・メドヴェージェフ ドミトリー・メドヴェージェフ



  デジタル技術は、基本的にはフィルムを1と0の連続に変換する
  方法にすぎないと考えると、この技術が映画の製作方法、ストー
  リー、鑑賞する場所、製作費用、観客を大きく変えたことは、ショッ
  クであり驚きでもある。さらなる技術的進歩に備えよう。

                        スティーブン・アッシャー

無線化の発想 Click here

次の事業を構築することが、わたしの最後の10年Last decade
の仕事と決めて研究開発に没頭した結論として、事業として具体
的な成果として残せなかったが、未来に対する確かな手応えを得
られたことが、最大の成果だと思っている。特に、次世代太陽電
池(
色素増感型)の開発では、オバマのEnergy Independence’構想
を魁けていた。それは、太陽光変換層を「メディアはメッセージ
」(マクールハン)ととらえあらゆる建造物の表層を覆うという
構想であった。コスト的には一挙に1キロワット時間当たり、7
円以下を実現するという途方もないプランであった。その確信が
いままさに進行しつつある『デジタル革命』なのだが、現実は厳
しく、昼夜に渡る作業は過酷を極め、目と腰を壊し爆発寸前。多
くのアイデアは頭の中に仕舞われたまま、メデイア以前の状態だ
ったというのが本音だ。

■ 
medianoseiki.JPG




カナダの科学者マクルーハンは、人間がメディアと取り結ぶ関係
の分析を通し独自文明史の見方をしめす。視覚コード化は人間を
視覚・談合の空間から、原始社会における全身体的知覚の世界か
ら引き離し、行動の分科、精神と心の分離を生じさせた。近年の
エレックトリック・メディアは芸術・哲学・政治・経済の従来の
構造を覆す大変化をもらした。斉藤賢爾の
「ニューメディア論」
によれば、「拡張」(amplification)⇒「反転」(reversal)⇒「回復」
(retrieval)⇒「衰退」(obsolescence)
の4過程で活字メディア(印刷製
版技術)のテトラッドを展開すると、「時空を超えて意味を伝え
る能力をもたらす」⇒「電子メディアに反転する」⇒「ルネッサ
ンス」⇒「聴覚メディアとして書物を衰退させる」というプロセ
スを意味する。




それにしても、「失われた20年」にもかかわらずに移動体通信
の進化は見違えるではないか。「パケ死」は、2001年から2003年
を中心に流行した。「ケータイ不況」は、可処分所得の多くを携
帯電話代が占める事により他への出費が抑制される。携帯電話及
びIT分野の急速な発展に伴い、関連企業の株価が現在の利益でな
く将来の収益期待(EBITDA)から、過剰設備投資による不況。「ク
ローン携帯」は、「正式に契約された携帯電話と全く同じ電話番
号を持ち、事業者側でその識別が不可能な端末がどこかにあり他
人に利用されている」携帯電話のことである。「携帯電話ウイル
ス」とは、携帯電話端末の通信機能を介して他の携帯電話に伝播
するコンピュータウイルスの一種で、2004年6月にロシアで発見
された「Cabir」で、Symbian OSを搭載した携帯電話同士で、Blu-
tooth
機能を利用して感染したが携帯電話網を介したものではない。



 アレクサンドル・ポポフ

そもそも、微弱な電波で情報伝達出来ることが不思議だ。1873年
にマックスウエルが電磁波の存在を予測したことに始まる。「
化する
ワイヤレス通信技術」がガイダンスとして適当だと思える
の本筋に戻す。「ニュー」だの「ポスト」は単なる区分けではな
いかという不満が残る。確かにデジタル革命は大容量の情報伝達
の高速化を可能にしたが、本当の恐ろしさが<未体験ゾーン>と
して現れてくる。この革命の特徴は6つあり、①シームレス、②
ダウンサイジング、③ボーダレス、④デフレーション、⑤イレー
ジング・エフェクト(=技術の還元)、つまり既成概念の破壊(
destruction of the established concept )、⑥<未体験ゾーン>の拡大
である。このうち、⑤つめが分かり辛いかもしれない。例えば、
輪転機がなくなり、インクジェット(ノンインパクト)印刷に換
わることとなどである。

 Second Life


j081212_2.jpg Click here


また、⑥つめは「生身の経験」という、ゆったりとした時間軸が
破壊され、瞬時に無意識が連鎖し予期せぬ結果をつくる、充分な
心の準備なしで、意欲や情緒の深化・共有・認識もなく、無秩序
に展開する<ゾーン>の病理的側面も垣間見られるが、脳内活動
そのものを対象にした産業を想定している。<未体験ゾーン>の
拡大に合わせ、イメージング産業、つまり第5次産業である<癒
し>や<侘び><寂び>の産業化は自然な流れ。<侘び>を岡倉
天心は、“imperfect” と表現したが、これを踏まえデジタル革
命の補完的なサービスの商品化(付加価値創造)だと考えている。

 岡倉天心



 






 

 

コメント (1)
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