極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

進化するペロブスカイト

2014年03月27日 | 時事書評

 

●錦織ベスト4進出、今日フェデラーと激突

世界ランキング21位の錦織圭が大逆転で金星を挙げたという。同4位のダビド・フェレール
を3
時間5分の死闘の末、7-6、2-6、7-6で下しベスト8に進出した。錦織が世界ト
ップ5に勝つ
のは5度目で、日本男子としては7度目。26日(日本時間27日)の準々決勝
では元世界1位で同5位のフェデラー(スイス)と対戦する。敗退まで、残り1ポイントに追
い込まれるたびに、錦織は不死鳥のようによみがえった。息も詰まるようなラリー戦を制し
、約10カ月ぶりにトップ5から金星を挙げた。「相手は本当にタフな選手。その選手に勝てて
うれしい」と鉄壁の守備を誇る壁のような相手を、打ち破った喜びを語った。 左右前後、そ
して高低に、あらゆる角度にボールが飛ぶ。ともにストロークを主体にするスタイルだけに、
長い試合は錦織も「覚悟していた」。今季は課題だった体の故障もなく、「体力で上回れたの
は大きい」と、世界一流の相手との連戦にも決して大きくない体は悲鳴を上げなかったとニュ
ースは伝えている。

    

この勝利で、トップ5のフェレールから3勝目となった。フェレールの守備型、錦織の攻撃型
の差はあるが、ラリーが続くため、錦織にとってリズムがつかみやすい相手。共通の
弱点はサ
ーブで、相手にサーブのパワーで圧倒されることも少ない。12年ロンドン五輪で
も破っており
苦手意識は薄い。4大大会に次ぐ格付け(マスターズ大会)のこの大会で初め
て8強に進出し
た。20位以下に落ちていた世界ランクも、再びトップ20に返り咲くのは確
実。次戦は4大大会
歴代最多17度の優勝を誇るフェデラーが相手。通算対戦成績は1勝1
敗。「誰が来てもチャン
スがある」。日本のエースは心技体ともに充実し、昨年5月の大
金星の再現も夢でない。

尚、マスターズ大会 4大大会に次ぐ規模の大会で、年間に米国、欧州で各4大会、アジアの
上海で1大会、計9大会ある。賞金総額は約380万ドル(約3億8千万円)~650万ド
ル(約6
億千万円)。85年創設のソニーオープンは今季マスターズ2戦目。過去の優勝者
にはジョコビ
ッチ、フェデラー、アガシ、サンプラスらがいる。



●中国の後追い帝国主義

日本維新の会の石原慎太郎共同代表が昨日、東京都内の日本外国特派員協会で講演し、2012年
の尖閣諸島(沖縄県)の国有化について「民主党政権が人気稼ぎで買ったのは間違い
だった。
国のマター(問題)にして、相手(中国)を刺激してしまった」と述べ、当時の
野田政権の対
応を批判したという。 石原氏は都が購入を計画していたことに触れ、「都
に任せておけば、
灯台をつくるなど人道的なことで実質的な施政権を示すことができた」
と指摘し、国有化後、
中国公船による領海侵入が急増していることなどに関し「シナ(中
国)の属国になることをど
う防ぐか、日本人は真剣に考えなければならない」と述べたい
う。下図はそのニュースの説明
図。 

 

これをみて首をかしげてしまった。というのも、2010年9月7日午前、尖閣諸島付近で操業中で
あった中国漁船と、これを違法操業として取り締まりを実施した日本の海上保安庁と
の間で発
生し尖閣諸島中国漁船衝突事件が発端であり、一自治体首長の越権行為を "老人
の暴走"と田
中真紀子参議院議員に揶揄されごとく、野田元総理と石原を含めた二人の軽率
さによるものだ
とわたし(たち)は考えていた。尖閣諸島中国漁船衝突事件の漏ビデオを
みて、この中国漁船
々船長(を含めた乗組員ら)は、孫子の兵法でいうところの死間(第
十三篇 用間)に近い行
為だと判断できるのではないかと考えていた(実際、この事件の
場合、船長(ら)は民間人を
装うが、ケースによれば、拿捕(処刑)あるいは沈没死、あ
るいは戦闘行為中ので死亡もあり、
それらも含め日本政府への政治的メッセージであった
はずだ。ところがこの事件が発生する1
ヶ月前に、このブログ(『南西諸島水都構想Ⅰ』
 2010.08.08)から『マイクロエアークラフ
』(2010.09.26)にかけて、沖縄海域周辺
の海洋(海底)開発の必要性をテーマに記載して
きたことも、この事件を引き起こす遠因
になっていたのでは?ととも考えたこともあった。そ
れほどまでに、米国を後追いするよ
うな中国側のサイバースペースの諜報検閲活動が顕著にな
っているが(国内の中国語のイ
ンターネット掲載記事が急増している)、ロシアマルクス主義
の影響色濃い国柄、当面、ソフト
パワーやハードパワーなどの軍事力を紛争解決の手段にした
帝国主義的行動が収まることは
ないだろう。


●日米韓首脳会談中に威嚇ミサイル

そうかと思えば、オランダ・ハーグで日米韓の首脳が北朝鮮政策を論議している最中、北朝鮮
が26日未明、中距離弾道ミサイル「ノドン」の発射に踏み切ったという物騒なこと
も起きて
いる。北朝鮮の政治経済分析の専門家もこの不可解な行動に戸惑いを隠せない。
その日米韓だ
は、米国政府が関係改善は、「アジア太平洋地域における米国の重要な役割
は、(日米韓の)
同盟の強さにかかっている」というオバマ大統領の言葉に集約されてい
るという。勿論、アジ
アに安全保障の重心を移すリバランス戦略を進める上で、米国には
フィリピン、オーストラリ
アを含む同盟各国とのネットワークと連携の強化が死活問題と
なり、オバマ政権は、アジアで
東・南シナ海における中国の覇権主義と、北朝鮮の核の脅
威に直面しているのみならず、ウク
ライナでロシアとの対峙という「2正面」を強いられ、
ロシアとの対立が長期化し、外交・安
全保障に足を取られるだけに、オバマ政権は東アジ
アの緊張緩和が重要だということだが、米
国はこのところ日本の立場を支持する方向にあ
り(ハフィントン・ポスト「日米韓首脳会談、
韓国はなぜアメリカを味方にできなかったのか 」、2014.03.26
)、軍事力の退潮期にある米
国には経済力というソフトパワーはいま
だ堅調だろう。極端な例えだが「協力しなければ、ト
ヨタを、サムソンを締め出すぞ!」
と威嚇するだけで充分だろう。特に、故ピーター・ドラッ
カーが称した敵対的貿易輸出の解決に行われた"半導体不平等条約交渉"などの日米経済構造協
議の顛末を目の前にしてきた韓国にとってこれは致命
的だ。

 

【最前線 ペロブスカイト系太陽電池開発:特開2014-056962

●背景と課題

光電変換素子として、pn接合型の太陽電池が活発に研究されている。このpn接合型太陽電
では、シリコン結晶やアモルファスシリコン薄膜、非シリコン系の化合物半導体の
多層薄膜
を用いる。しかし、これらの太陽電池は、高温もしくは真空下で製造するため、
プラントのコ
ストが高く、エネルギーペイバックタイムが長いという欠点がある。従来の
太陽電池を置き換
える次世代太陽電池として、低温でより低コストで製造が可能な有機系
太陽電池の開発が期待
され、そのひとつは大気中で低コストの量産が可能な色素増感型太陽電池があり、増感色素を
担持した多孔質半導体微粒子層を用いる高効率の光電変換方法
が提案されてきた。

●解決手段と実験事例

光電変換層に有機無機混成ペロブスカイト化合物や無機ペロブスカイト化合物系のエネルギー
変換効率の高い固体型光電変換素子
を用いることで、増感色素の劣化や電解液が漏洩
する色素
増感型太陽電池、あるいは、耐光性、耐湿性に問題のある有機薄膜太陽電池の問
題を解決する。

【符号の説明】

光電変換素子 2 透明電極基板 21 透明基板 22 透明導電層 3 光電変換層 4
第1半導体層(有機無機混成ペロブスカイト化合物Aを被膜形成または吸着させたカーボンナ
ノチューブ層) 5 第2半導体層(無機ペロブスカイト化合物B/有機無機混成ペロブスカイ
化合物Cを被膜形成または吸着させたカーボンナノチューブ層) 6 バッファ層

【解決する手段】

透明基板と、その上に形成した透明電極層との一対の透明電極基板間に光電変換層を構成する
光電変換素子で、この光電変換層が電極基板上に、有機無機混成ペロブスカイト化合物Aを被
膜形成、あるいは吸着させたカーボンナノチューブ層からなる第1半導体層と、無機ペロブス
カイト
化合物Bと、または有機無機混成ペロブスカイト化合物Cを被膜形成または吸着させた
カーボンナノチューブ層からなる第2半導体層とを、接合した固体接合型光電変換素子の構成
で問題解決する。

●透明電極基板

ガラス及びプラスチック基板が好ましい。プラスチック基板材料としては、無着色で透明性が
高く、耐熱性が高く、耐薬品性及びガス遮断性に優れ、かつ低コストの材料が好適である。好
適な材料としては、例えば、化学的安定性とコストの点で、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、脂環式ポリオレフィンが好ましい。なお、こ
れらのプラスチック基板の構造やその組成には特に限定されず、固体接合型光電変換素子を構
成するに値するものであれば、利用することができる。また、ガラス基板材料としては、可視
光線透過率80%を超えるものであればく、例えば、白板ガラス、ソーダガラス、硼珪酸ガラ
ス等の無機質製基板がある。

プラスチック基板の耐熱性は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上、及び、線熱膨張係数
が40ppm/℃以下の少なくともいずれかの物性を満たすことが好ましい。なお、プラスチ
ック基板のTg及び線膨張係数は、JIS K 7121に記載のプラスチックの転移温度測定
方法、及び、JIS K 7197に記載のプラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法
により測定する。プラスチックフィルムのTgや線膨張係数は、添加剤などによって調整する
ことができる。

●透明導電層

透明導電層の素材は、導電性金属類(例、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チ
タン)、導電性炭素(カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ)、
導電性金属酸化物(例、酸化スズ、酸化亜鉛)または導電性複合金属酸化物(例、インジウム
‐スズ酸化物、インジウム-亜鉛酸化物)がある。高い光学的透明性を有するという点で、導
電性金属酸化物、導電性複合金属酸化物が好ましく、耐熱性と化学安定性に優れるという点で、
インジウム‐スズ複合酸化物(ITO)やインジウム‐亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。
その素材は、組成内容は他の素材との混合でもよく、また形態なども限定されない。また導電
性層の形成において、その方法は限定されなず、スパッタ法、蒸着法さらには分散物を塗布す
る方法などが選定できる。透明基板上に透明電極層を設けた電極基板の光透過率(測定波長:
500nm)は、60%以上が好ましく、75%以上であることがさらに好ましく、80%以
上が最も好ましく、特には85%以上が好ましい。透明電極基板の導電性と透明性は、透明導
電層の形成方法を最適化することで、例えば、蒸着時間、分散液塗布量などを最適化し、両立
させることができる。尚、一対の電極基板のいずれか一方を透明電極基板でないものも可能。

さらに、低い表面抵抗値を達成するために、導電層に金属を用いることができる。金属メッシ
ュ構造からなる透明導電性層を形成により高い透明性も達成できる。低抵抗の金属材料(例、
銅、銀、アルミニウム、白金、金、チタン、ニッケルなど)を用いて金属メッシュ構造からな
る透明導電性層を形成することが好ましい。この場合には、導電層には集電のための補助リー
ドをパターニングなどにより配置させることができる。補助リードも導電層と同様に低抵抗の
金属材料(例、銅、銀、アルミニウム、白金、金、チタン、ニッケルなど)によって形成され
る。補助リードを含めた表面の抵抗値は本発明の目的に有ったものであれば特に限定されない。
ここで補助リードのパターンは透明基板に蒸着、スパッタリングなどにより形成し、さらにそ
の上に酸化スズ、ITO膜、IZO膜などからなる透明導電層を設けることも好ましい。

●光電変換層

光電変換層は、一対の透明電極基板の間に形成されるものであり、固体接合型光電変換素子
電荷分離に寄与して、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を
有し、第1半導体層と第2半導体層から構成されている。


(A)第1半導体層

第1半導体層は、n型半導体特性に近い機能を有するものであり、透明電極基板またはバッフ
ァ層を塗
布した透明電極基板上に、有機無機混成ペロブスカイト化合物Aを被膜形成または吸
着させたカーボ
ンナノチューブで構成されている。

 (1)カーボンナノチューブ層

カーボンナノチューブ層は、半導体性カーボンナノチューブを50%以上含むカーボンナノチ
ューブにより構成されている。カーボンナノチューブは、マルチウォールカーボンナノチュー
ブ(多層カー
ボンナノチューブ;MWCT)、シングルウォールカーボンナノチューブ(単層
カーボンナノチューブ;SW
CT)のいずれであってもよい。各々単独に用いても、混合して
もよい。また、カーボンナノホーン、カー
ボンナノコイル、カーボンナノビーズを用いても良
い。カーボンナノチューブは、その伝導度によって金
属性カーボンナノチューブと半導体性カ
ーボンナノチューブに分類されるが用途に応じて、半導体性と
金属性の混合比率を調整するこ
とが好ましい。導電性用途としてカーボンナノチューブ層を用いる場合
には、金属性カーボン
ナノチューブの比率が高いほうが好ましく、半導体用途としてカーボンナノチュー
ブ層を用い
る場合には、半導体性カーボンナノチューブの比率が高いほうが好ましい。光電変換素子の光
電変換率を向上させるため、半導体性
カーボンナノチューブ の割合が多い方が好ましい。カー
ボンナノチューブは、さらに金属などが内包されていてもよい。また、フラーレンが内包され
たピーポッドナノチューブを用いても良い。カーボンナノチューブは、任意の方法、例えばア
ーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法、スーパーグロス法などによって合成でき
る。

カーボンナノチューブは、表面を官能基で修飾されていてもよい。官能基としては、ヒドロキ
シ基、カルボキシ基、アミノ基が好ましい。これらの官能基は、上記易接着層との化学反応に
より、カーボンナノチューブ層と易接着層との密着性をより高めることに効果がある。
カーボンナノチューブの直径としては、0.3nm以上100nm以下であることが好ましい
より好ましくは、1nm以上30nm以下である。カーボンナノチューブの長さとしては、
0.1μm以上100μm以下であることが好ましい

カーボンナノチューブ層含有構造体の製造方法は、透明支持体上にカーボンナノチューブ層を
塗布することで作製することができる。この際に用いる、カーボンナノチューブを含有する塗
布液については、用途に応じて、適宜、粘度、表面張力などの物性を調整することが好ましい。
カーボンナノチューブを含有する塗布液の塗布は、リバースコータ、グラビアコータ、ロッド
コータ、エアドクタコータ、スピンコート、スプレー塗布などをはじめ、任意の塗布装置を用
いることができる。カーボンナノチューブ層の厚さは、0.001~10μmが好ましい。な
お、カーボンナノチューブ以外の炭素材料、例えば、フラーレン、グラファイト等をカーボン
ナノチュウブの代わりに使用きる。

(2)有機無機混成ペロブスカイト化合物A

有機無機混成ペロブスカイト化合物とは、単一の分子スケール・コンポジット内に有機・無機
両成分に特徴的な望ましい物理特性を組み合わせた(有機無機混成の)ペロブスカイト化合物

をいう。ペロブスカイトの基本的構造形態は、ABX構造であり、頂点共有BX八面体の
三次元ネットワークを有する。ABX構造のB成分は、Xアニオンの八面体配位をとること
ができる金属カチオンである。Aカチオンは、BX八面体間の12の配位孔に位置し、一般
に無機カチオンである。Aを無機カチオンから有機カチオンに置換することにより、有機無機
混成ペロブスカイト化合物を形成する。

有機無機混成ペロブスカイト化合物Aは、下記一般式(1)または(2)のいずれかに示す化
合物であり、特に、一般式(1)の化合物が好ましい。
CHNH (1)
(式中、Mは、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
(RNH14 (2)
(式中、Rは炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素
環基または芳香族複素環基であり、Mは、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,
Iである。)

有機無機混成ペロブスカイト化合物Aにおける無機枠組みは、頂点を共有する金属ハロゲン化
物八面体の層を有する。陽イオン性有機層からの正の電荷と平衡をとるため、陰イオン性金属
ハロゲン化物層(例えば、M132-,M142-)は一般に2価の金属である。本願発明の有機
無機混成ペロブスカイト化合物Aの陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成する金属は、具体的
には、M(例、Cu2+,Ni2+,Mn2+,Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+
Eu2+)である。有機無機混成ペロブスカイト
化合物Aの陰イオン性金属ハロゲン化物層を構
成するハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはこれらの組合せである。
このハロゲン化物は、臭化物、ヨウ化物が好ましい。

上記一般式(2)のRとしては、炭素数2~40の置換または未置換のアルキル基、直鎖、
分岐または環状のアルキル鎖(好ましくは炭素数2~30であり、より好ましくは炭素数2~
20であり、炭素数2~18がもっとも好ましい)。具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソ
オクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オク
タデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラアコンタニル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

炭素数2~40の置換または未置換のアラルキル基としては、アリール基で置換されている低
級アルキル基を意味し、アルキル部が直鎖状または分岐鎖状で、好ましい炭素数が1~5、よ
り好ましくは1であり、アリール部が好ましい炭素数が6~10、より好ましくは6~8であ
る。具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、
ナフチルエチル基等が挙げられる。

アルケニル基は、好ましくは炭素数3~30であり、より好ましくは炭素数3~20であり、
炭素数3~12が最も好ましい。例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、
2-ブテニル基、オレイル基、アリル基等が挙げられる。アルキニル基としては、アセチレニ
ル、プロパルギル基、3-ペンチニル基、2-ヘキシルニル、2-デカニルを挙げることが出
来る。

アリール基としては、好ましくは炭素数6~30の単環または二環のアリール基(例えばフェ
ニル、ナフチル等が挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6~20のフェニル基また
は炭素数10~24のナフチル基であり、更に好ましくは炭素数6~12のフェニル基または
炭素数10~16のナフチル基である。

芳香族複素環基としては、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリ
ミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、
キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニ
ル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、
フタラジニル基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。

有機無機混成ペロブスカイト化合物Aの具体例としては、CHNHPbI、CHNH
PbBr、(CH(CHCHCHNHPbI[n=5~8]、(C
NHPbBrがある。有機無機混成ペロブスカイト化合物Aは、前駆体溶液
を用いた自己組織化反応により合成することができる。本願発明の有機無機混成ペロブスカイ
化合物Aの被膜または吸着体は、ペロブスカイト化合物Aを有機溶剤に溶解した後、グラビ
ア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコー
ト法等の塗布方法によって形成できる。

(3)有機無機混成ペロブスカイトAの溶液

有機無機混成ペロブスカイトAの溶液を調製するための溶剤としては、有機無機混成ペロブス
カイト
Aを溶解できるものであれば特に限定するものではない。第1半導体層の膜厚は、1~
1000nmが好ましい。

●第2半導体層

第2半導体層は、p型半導体特性に近い機能を有するものであり、透明電極基板またはバッフ
ァ層を
塗布した透明電極基板上に、無機ペロブスカイト化合物Bおよび/または有機無機混成
ペロブスカイト化合物Cを被膜形成または吸着させたカーボンナノチューブから構成されてい
る。なお、使用するカ
ーボンナノチューブの特性は、第1半導体層を構成するカーボンナノチ
ューブと同じである。

(1)無機ペロブスカイト化合物B

本願発明の無機ペロブスカイト化合物Bは、下記一般式(3)に示されるものである。
CsM (3)
(式中、M2は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
無機ペロブスカイト化合物Bの陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成する金属は、具体的には
(例、Cu2+,Ni2+,Mn2+,Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、E
u2+)である。
無機ペロブスカイト化合物Bの陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成するハロゲン化物は、フ
ッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはこれらの組合せである。このハロゲン化物は、臭
化物、ヨウ化物が好ましい。

無機ペロブスカイト化合物Bの具体例としては、CsSnI、CsSnBrがある。無機
ペロブスカイト化合物Bは、前駆体溶液を用いた自己組織化反応により合成することができる。
2半導体層は、ペロブスカイト化合物Bを有機溶剤に溶解した後、グラビア塗布法、バー塗布
法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等の塗布方法によ
り形成できる。

(2)有機無機混成ペロブスカイト化合物C

有機無機混成ペロブスカイト化合物Cは、下記一般式(4)および/または一般式(5)に示
されるものである。
CHNHSnX3 (4)
(式中、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
(R2NH2SnX4 (5)
(式中、R2は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素
環基または芳香族複素環基であり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)

有機無機混成ペロブスカイト化合物Cにおける無機枠組みは、頂点を共有する金属ハロゲン化
物八面体の層を有する。陽イオン性有機層からの正の電荷と平衡をとるため、陰イオン性金属
ハロゲン化物層(例えば、M132-,M142-)は2価の金属(Sn2+)である。

有機無機混成ペロブスカイト化合物Cの陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成するハロゲン化
物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはこれらの組合せである。このハロゲン化
物は、臭化物、ヨウ化物が好ましい。

上記一般式(5)のR2としては、炭素数2~40の置換または未置換のアルキル基、直鎖、分
岐または環状のアルキル鎖(好ましくは炭素数2~30であり、より好ましくは炭素数2~2
0であり、炭素数2~18がもっとも好ましい)。具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオ
クチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタ
デシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラアコンタニル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

有機無機混成ペロブスカイト化合物Cの具体例としては、CHNHSnIがある。有機
無機混成ペロブスカイト化合物Cは、前駆体溶液を用いた自己組織化反応により合成すること
ができる。第2半導体層の被膜または吸着体は、ペロブスカイト化合物Cを有機溶剤に溶解し
た後、グラビア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ
法、ダイコート法等の塗布方法によって形成できる。

(3)無機ペロブスカイトBおよび有機無機混成ペロブスカイトCの溶液

無機ペロブスカイトBおよび有機無機混成ペロブスカイトCの溶液を調製するための溶剤は、
無機ペロブスカイトBおよび有機無機混成ペロブスカイトCを溶解できるものであれば、特
に限定するものではない。第1半導体層の膜厚は、1~1000nmが好ましい。

●バッファ層

バッファ層は、透明電極基板と光電変換層との短絡を防止する役割を持つものである。また、
透明電極基板と光電変換層との密着性を向上させる役割も持つものである。バッファ層の素材
としては、高抵抗な半導体および絶縁物質であれば、特に限定はされない。例えば、酸化チタ
ン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化錫、酸化亜鉛等がある。また、バッファ層を形成す
る方法としては、上記素材を透明導電層に直接スパッタする方法、スプレーパイロリシス法な
どがある。あるいは上記素材を溶媒に溶解した溶液、金属酸化物の前駆体である金属水酸化物
を溶解した溶液、または有機金属化合物を、水を含む混合溶媒に溶解した金属水酸化物を含む
溶液を、基板と導電層からなる導電性基板上に塗布、乾燥し、必要に応じて焼結する方法があ
る。バッファ層の好ましい膜厚は5~100nmである。塗布方法としては、グラビア塗布法、
バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等が挙
げられる。
 

ペロブスカイト化合物系は可能性を秘めた発展途上の化合物。最適チューニング法の本格的なアプロ
ーチはこれからだ!

※ 色素増感系太陽電池と切り離して考えていく必要があるが、当面、惰性の法則で、ハイブリ
  ッド系と
色素増感太陽電池というな風にカテゴっておくしかないねぇ~?! ^^;

     "Efficience planar heterojunction perovskite solar cells by vapour deposition" M. Liu, M.B. Johnston
       and H.J. Snaith, Nature, in press (2013).

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