極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

LCO深紫外発光ダイオードの衝撃

2014年03月18日 | デジタル革命渦論

 

 

 

●LCO深紫外発光ダイオードの衝撃:従来より生産コスト1/5に逓減!?

殺菌や3Dプリンターに用いられる深紫外光を出す発光ダイオード(LED)を低コストで
製造する方法を開発したと、立命館大総合科学技術研究機構の黒瀬範子研究員や青柳克信上
席研究員のグループが17日発表した。現在、主に使われている水銀灯に代わる光源として
期待できることを公表(京都新聞、2014.03.18)。そてによると、
深紫外光は波長200~
350ナノメートル(ナノは10億分の1)の紫外線で、医療現場や浄水場での殺菌のほか、
3Dプリンターで材料を固める際に利用されている。光源は水銀灯が多いが、国連の「水銀
に関する水俣条約」で規制が強化されるため代替技術の開発が求められている。
深紫外LE
Dを製造する際、従来法ではLED素子から電気を通さない部分を切り離す難しい作業が必
要だった。グループは、この部分に無数の微小な穴を開けて電気を通す材料を埋め込むこと
で、この作業を省くことに成功したことが大きな開発ポイントなるという。尚、
黒瀬研究員
は「LEDの製造にかかる時間を大幅に短縮でき、コストの削減につなげられる」と話して
いるという。
 

 LCOLow cost of ownership の略
Deep-UV Light Emitting Diodes: An Experimental Investigation of Characterization and Optimization
     Techniques, 2007.04.11, Eric M. Fraser

マイクロプラズマ励起大面積高出力深紫外発光素子(MIPE)について
※ A 2-inch, large-size deep ultraviolet light-emitting device using dynamically controlled micro-plasma-
    excited AlGaN, Appl. Phys. Lett. 102, 041114 (2013)

深紫外光源は、照明、殺菌、医療、浄水、計測等の様々な分野で使用されている。深紫外光
は主に約200~約350nmの波長を言う、場合によってはそれ以下の100nm以上2
00nm以下の波長も含む(以下、DUV(Deep Ultraviolet)光とも記す)。深紫外光の発
生手段としては、水銀ランプ、半導体発光素子(半導体LED)、エキシマランプなどが知
られているが、
水銀ランプでは、ガラス管内の水銀蒸気中でアーク放電を起こし、特定の波
長の紫外光(例えば254nm)を発生させる。エキシマランプでは、放電用ガス(希ガス
又は希ガスハロゲン化合物)を二重石英管中に充填し、石英管を通して電極間に高周波・高
電圧を印加することによって、放電用ガスを励起して紫外光を発生させる。
一方、半導体L
EDは、窒化物系深紫外発光素子が知られている。具体的事例として、横型構造の素子があ
るが、これは、電流がn型AlGaN層中を横方向に流れなければならないため、素子抵抗
が高くなり発熱量が増大し、キャリアの注入効率への悪影響が生じる欠点がある。従って、
高出力動作に適さず、チップサイズを大型化することができない(下図参照)。


※ WO2006/104063 窒化物系深紫外発光素子およびその製造方法

これに対し、この欠点を改善するための素子として、縦型構造の窒化物系深紫外発光素子が
知られているが、縦型構造によって、素子抵抗を小さくすることができるので、駆動効率を
高め、発熱を抑えることができ、高出力動作が可能となる(下図参照)。従来の深紫外光発
生手段のうち、水銀ランプは環境に悪い水銀を使用している問題がある。また、水銀ランプ
は発生可能な波長が限定されており、寿命が短く、高電圧が必要であり使いにくい問題があ
る。また、エキシマランプは、ランプ寿命が短く、大型の装置になるので、特殊な用途に限
定される問題があるが、窒化物系深紫外発光素子は、小型であり、水銀ランプに代わるもの
として期待されているが、前述した上図特許に開示された窒化物系深紫外発光素子は発光効
率が低く、大出力化に対応できない問題がある。また下図の特許例の窒化物系深紫外発光素
子は小型化は出来るが、深紫外領域では、発光効率が低く大出力化が難しいく、多層構造が
必要であり、ドーピングが必要でその準位が深いため担体濃度を上げることが出来ず、また
特に波長が短くなると電極の接触抵抗を下げることが難しい。これらのことにより、外部量
子効率を上げることが難しく製造工程が複雑である。
 

●要約:LCO発光ダイオード技術

深紫外発光素子(1)は、上部基板(6)と、下部基板(2)と、下部基板の一方の面に形
成された複数の電極(3)、誘電体層(4)、及び保護層(5)と、上部基板の一方の面に
形成された発光層(7)と、上部基板と下部基板が、電極と発光層とを対向させて配置し、
密閉空間(8)に充填されたガス(Xe及びNe)に、RF電圧を印加し、プラズマ(P)
を発光(深紫外光)させることで、高発光効率の製造が容易で、大面積化に適した深紫外発
光素子の方法を提供する。

RF電圧:高周波放電々圧



●効果事例

この発明によれば、高い効率で深紫外光を発生させることができる。従来では、波長200
nmの深紫
外光の外部量子効率は、10-4 %程度だが1%以上の外部量子効率を実現するこ
とができ、最適化すれば外部量子効率を約10%まで向上することが期待できる。なお、外部量子効
率とは、投入電力エネルギーに対する発光エネルギーの比(%)である。また、従来の窒化物系深紫
発光素子で発光波長が210nmでは数nW(ナノワット)の出力しか実現できていない
が、1W以上
の出力を実現も可能である。 この深紫外発光素子は、構造が大変簡単であり、
製造が容易で、従来
の窒化物系深紫外発光素子では、製造に1週間以上かかるのに対し、深
紫外発光素子では、約1日~2日で製造することができる。また、大面積化も容易である。
また、発光層としてAlGaNを使用する場合、発光層中のAlの割合を空間的に変化させ
ることにより、所定の幅広い波長帯域にわたって深紫外光を発生させることもできる。また、
電極に直流電圧を印加すれば、強度が時間的に安定な深紫外光を発生させることができるの
で、計測用途に使用することが可能になるという。


※ 量子井戸構造:バンドギャップが小さい極めて薄い層をバンドギャップが大きい層で挟
み込んだ構造のこと。バンドギャップが小さい層のポテンシャルは周囲(バンドギャップが
大きい層)よりも低く,ポテンシャルの井戸(量子井戸)ができている。LEDや半導体レーザ
などにおいて,量子井戸構造を光を放射する活性層に用いている。量子井戸を複数重ねた構
造は多重量子井戸MQW:multi quantum well)と呼ぶ。



●製造方法特徴

この発明の製造方法の特徴は(1)上部構造と下部構造とを別に作製した後、それらを接合
することにある。(2)また、上部構造の作製では、上部基板6(例えばサファイア基板)
を真空チャンバ内に配置し、その上に発光層7を形成する。例えば、有機金属化学相蒸着法
(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)で、発光層7としてAlGaNの単
結晶を形成し、(3)下部構造の作製では、先ず、下部基板2を真空チャンバ内に配置し、
リフトオフ法あるいは直接パターン蒸着法によって電極3を形成する。例えばリフトオフ法
では、下部基板2の上に所定のマスクパターンを形成し、金属を蒸着した後、マスクパター
ンを除去して、残存する蒸着層を電極3として形成。(4)次に、上部構造と下部構造とを、
電極3と発光層7とが対向するように、所定の間隔を空けて接合して準密閉空間を形成する。
その後、真空状態の準密閉空間内に所定のガスを注入し、完全に密閉して密閉空間8を形成
している。
 

以上、今回の発明技術と向産業インパクトについで大急ぎで俯瞰してきた。またここでも”デジタル革
命渦論”の展開事例を垣間見ることができた。

オイルサーディンのシチリア風パスタと聞くだけで、俄然、食欲がでてくるのに、それに輪を
かけ、オイルサーディンだの、四
川風ピクルス液だのとくれば、これはずる~~いぃ~~!
さっそく、録画。そして、これを彼女に見せて、調理させて試食と、頭がひとりでに回転。
おっと、これは「夢の3シェフNEO ほっとくだけでおいしい 熟成料理」(あさイチ)で
の話。自分でも作りたいのだが、これだけは、彼女は拒否権を発動することが目に見えている。

 

コメント
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