『リアル 完全なる首長竜の日』
(2013年日本)
監督 黒沢 清
脚本 黒沢 清
田中 幸子
原作 乾 緑郎
出演 佐藤 健
綾瀬 はるか
中谷 美紀
オダギリジョー
■ストーリー■
1年前に謎の自殺を図り、昏睡状態になっているマンガ家の淳美の意識を取り戻すため、恋人の浩市は、最新医療装置で相手の意識に入り込むのだった。
敦美の精神の中に飛び込み彼女に会うことができるのだが、スランプに陥った敦美は、自分が子どものときに書いた「首長竜」の絵を欲しがっていることを知るのだった。自殺の原因を探るためには、首長竜の絵が必要だと感じた浩市は、子どものころ生まれ育った田舎へと向かうのだった・・・。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
第9回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した乾緑郎の原作の映画化作品。
監督は、『CURE キュア』(1997年)、『回路』(2000年)の世界のクロサワ、黒沢清監督。
途中で1回、ツイストが入りますが、普通の展開であまり驚けないのが難点です。原作でも同じ展開なんでしょうから、しょうが無いんでしょうけど、ランニングタイム120分強の映画版では必要なんでしょうかね??邪魔なだけかもしれないですね。
楳図かずおの短編マンガで、昏睡状態の妻を見舞う主人公の夫が実は昏睡状態だったみたいな作品があったような気がします。昏睡状態なのが浩市だと分かっても、全然驚けなかったです。自分的には、こんなツイストいらないですね。
「このミステリーがすごい!」大賞なんで、原作とはずいぶん違う作品なんでしょうね!!
首長竜の絵が必要な件や、忘れてしまったかつての事件など、どこかで観たコトあるようなデジャヴュ感★★★★★な展開で、ランニングタイム127分は長すぎ!「世にも奇妙な物語」の1篇みたいな感じしか受けませんでした。
まぁ、30分にするには、けっこう大変でしょうけど、127分は長すぎ!
いや~、ムリすれば、40分くらいには出来そうですけどね。
原作は長編なんで、ずいぶん刈り込んだんでしょうけど、もう少し展開を早くして原作からカットした内容を入れた方が良かったのかも??
あとは同じ内容なら、せめて90~100分くらいにして欲しかったですね。
黒沢清監督っぽい、ゾンビみたいな死体が登場するJホラー映画っぽい前半の展開と、ヒロインの綾瀬はるかが活躍し始める恋愛映画っぽいファンタジー映画になってしまう後半と、前半と後半でまるで違う作品みたいで、統一感なく違和感が一杯ですけど、自分はこういうのも好きです。最後は首長竜まで出てきて、あれ今度は怪獣映画??みたいなところも好きです!!ほんのちょこっとだけミステリー要素もありますしね。
「Jホラー」⇒「恋愛ファンタジー」⇒「怪獣物」
1粒で2度おいしいみたいな作品でした。最後は日本映画らしいいつものハッピーエンドなのもこういう作品では良い感じです! 55点