A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

不失者@渋谷LUSH 2016.10.28(fri)

2016年11月02日 03時26分17秒 | 灰野敬二さんのこと


10月28日(金) 渋谷LUSH
不失者 Fushitsusha

■Open 19:00 / Start 19:30 
■Adv 3500 / Door 4000 (+1D)
LIVE
不失者 Fushitsusha :
灰野敬二 (vo, g)
森重靖宗 (b)
Ryosuke Kiyasu (ds)



拙著『地下音楽への招待』に多大なインスピレーションを齎した園田佐登志氏のブログ『椅子物語』に、1978年12月1日発行のパンフレット(小冊子)「AMALGAM Vol.2」のデータが掲載されている。その2ページの広告欄に「不失者デビュー!」と題して手書きのアジテーション風の文章が掲載されている。

煮えたぎった私ョの血ヘドがテメエラの心をべとつかせる。罠にかかった私ョの息の意志の行方が全ての悪夢のすき間に忍び込み,犯罪の種をまき散,宇宙の素粒子どもを震えおののかせてやるぜ。(中略)そしたらテメエラにも さらす 事が宇宙のうぶ声だと気がつくはずだ。 私ョのえぐりとった浄化作用に情念の化身が逆立つ。
椅子物語フライヤーデータ

現在の灰野のイメージとはかなり異なる過激な表現が続くが、恐らく灰野自身の筆になる檄文であろう。映画『ドキュメント灰野敬二』(2012)で描かれたように「私ョ」とは当時灰野が自らを現す固有名詞だからだ。「不失者」のデビューにあたって、彼が如何に激しく“煮えたぎった“衝動に突き動かされていたか伺える資料である。

最初期の不失者がどのような音楽を奏でていたかは『魂の純愛』(1995/Purple Trap)および『永遠の方が 先に手を出したのさ』(2003/PSF)の2作に頼るしかない。前者はギター/ヴォーカル/パーカッションによるソロ演奏なので、ギタートリオ編成による『永遠の方が〜』こそバンドとしての不失者の胎動のドキュメントと考えてよかろう(PSF作品は現在製造中止となっているが、このCDは灰野のコンサート物販で購入可能である)。後の圧倒的な音圧こそ未到達ではあるが、変幻自在のギターと不定形なサウンドは、現在に至るまでメンバーを変遷しながら継続する「失われ不(ざ)る者」のプロトタイプを提示している。



ベースに森重靖宗を加えて約1年経つ現在進行形の不失者のライヴ演奏は、38年前の“煮えたぎった“激情とは裏腹の、極めて冷静で極めて思索的な意志の力に貫かれていた。渋谷LUSHの秀逸な音響は、面前に迫り来る音圧の生々しさと、三者のアンサンブルが最大ボリュームに近づいても、ヴォーカルがクリアに浮かび上がる立体映像を思わせる臨場感に溢れ、3時間半に亘る長時間のステージを、一瞬のようにも永遠のようにも感じさせる独特の時間軸を経験させてくれた。

とりわけ印象に残ったのは、スプレー缶(?)を使ったスライドギター、ほどけた弓が暗い照明に幻想的に舞う弓弾きのベース、スローモーションの動きで叩かない時も演奏を主張するドラムス。“神はいる“という言葉ではじまる明朗な歌に30余年前の衝動と同じ浄化作用を感じる。エンディングで奏でられた美しいコード進行による新曲は、本来の意味での「ドリームポップ」=甘い夢のなかへの誘(いざな)いであり、天国に遊ぶ薄明の意識の中で”宇宙のうぶ声”を聴いたような気がした。

これほど甘美な不失者は今まであっただろうか?


不失者@高円寺HIGH 2015.11.9(mon)
不失者@高円寺HIGH 2016.3.28 (mon)

進化する
息の意志は
失われない

<灰野敬二ライヴスケジュール>
本日!
11月2日(水) 高円寺HIGH
リシャール・ピナス JAPAN TOUR 2016

OPEN/START 19:00/19:30
ADV/DOOR ¥3,500/¥4,000

-Live-
RICHARD PINHAS (HELDON)
吉田達也
灰野敬二
Merzbow




11月6日(日) 大塚 Hearts+、Deepa、Meets ※3会場往来自由
YOIMACHI 2016

開催時間 : 10:30 / 11:00
料金 : 前売券 ¥3500 / 当日券 ¥4000 (1D別)

出演アーティスト :
ヒカシュー、THE HARDY ROCKS (灰野敬二、川口雅巳、山崎怠雅、なるけしんご、片野利彦)、あヴぁんだんど、クリトリック・リス、HONEBONE、THIS IS JAPAN、羊文学、じゅじゅ、戰車倶楽部、十四代目トイレの花子さん、他




11月18日 (金) 渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
第6回 真夜中のヘヴィロック・パーティー

Open 20:00 / Start 21:00 / End 4:30 (予定)
Adv. 4,320 (1F自由席) / 6,000 (2F指定席)
Day 1,000増し
+ 1ドリンク \500

The Hardy Rocks
 灰野敬二 (ヴォーカル)
 川口雅巳 (ギター)
 山崎怠雅 (ギター)
 なるけしんご (ベース)
 片野利彦 (ドラムス)


THE END(遠藤ミチロウ、ナポレオン山岸、西村雄介、関根真理)
キノコホテル
騒音小僧(PANTA+騒音寺)
騒音寺
どろだるま
非常階段
LASTORDERZ(田口トモロヲ、森若香織、淡谷三治、DEN、八反田リコ)
⇒チケット購入ページはコチラ(パソコン/スマートフォン/携帯共通)




11月20日(日) 六本木SuperDeluxe
トニー・コンラッド:完全なる今
トニー・コンラッド 彼の人生と作品の記録

開場 17:00 / 開演 17:30
料金 予約4000円 / 当日4500円 (ドリンク別)

プログラム:
ジム・オルーク トニー・コンラッドに捧げるライブ
トニー・コンラッド:完全なる今(2016年、95分、日本語字幕)日本初公開
フリッカー with 灰野敬二 16mmフィルム上映に合わせたライブ




12月5日(月) 東京・明大前キッドアイラックホール
即興 アンプラグド

時間/料金未定

灰野敬二
塩高和之(琵琶)
田中黎山(尺八)


12月8日 (木) 渋谷LUSH
case of 3 solos, also 1 trio - Mitsuru Nasuno Solo Tour 2016 Final -

Open 19:00 / Start 19:30
Adv. ¥3,500+1D / Door ¥4,000+1D
Each solo sets, & Session set

ナスノミツル(bass)
菊地成孔(sax)
灰野敬二(today's instruments)

info:taillights record



12月30日(金)高円寺ShowBoat
灰野敬二 Keiji Haino ワンマンライブ ~不失者~

【時間】開場 18:30/開演 19:00
【料金】前売¥4000/当日¥4500(別途ドリンク代¥600)

【出演】
■不失者 Fushitsusha
灰野敬二 : vo, g, etc.
森重靖宗 : b
Ryosuke Kiyasu : ds




2017年1月6日(金) 東高円寺UFO CLUB
【U.F.O.CLUB 21周年記念″灰野敬二・DMBQ 2マン!!!″】

OPEN 19:00 / START 19:30
前売¥2,800(D別) / 当日¥3,000(D別)

LIVE:
・灰野敬二
・DMBQ
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