トニー・コンラッド:完全なる今
トニー・コンラッド 彼の人生と作品の記録
開場 17:00 / 開演 17:30
料金 予約4000円 / 当日4500円 (ドリンク別)
今年、残念ながら亡くなったトニー・コンラッドに捧げるドキュメンタリー映画トニー・コンラッド:完全なる今(2016年)を日本初公開。トニー・コンラッドは作曲家、ヴァイオリニスト、映像作家、俳優、はたまた大学で教鞭を執るなど多岐にわたった活動を精力的にこなし、1960年代にはドローン・ミュージックを創造するなど、独自の感性を織り成した芸術作品を創り上げたエクスペリメンタル・アーティスト。イベントには彼と共演経験のあるジム・オルークのライブに加えフリッカー(1966年)の上映に合わせた灰野敬二のライブも実現!
プログラム:
ジム・オルーク トニー・コンラッドに捧げるライブ
トニー・コンラッド:完全なる今(2016年、95分、日本語字幕)日本初公開
フリッカー with 灰野敬二 16mmフィルム上映に合わせたライブ
アメリカのミニマリスト「トニー・コンラッド」が2016年4月9日に逝去したから半年以上過ぎて、スーパーデラックスで追悼ライヴが開催された。只の追悼ではなく、新たに制作されたドキュメンタリー映画の日本初演も兼ねている。もし生きていたらコンラッド本人を招聘していた可能性もあったかもしれない。
⇒【お悔やみ】トニー・コンラッドTony Conrad:前衛音楽家・作曲家・映像アーティスト、享年76歳
●ジム・オルーク
90〜2000年代にシカゴでコンラッドと共同作業をしていたジム・オルークと女性ヴィオラ奏者(名前失念)の2台のヴィオラによるドローン演奏。ミキサーを通して拡大された擦弦楽器の重低音が耳を圧する音響に転生する。オルークがコラボしたこともある物音ノイズの代表格オルガヌムが提示した徹底した一音主義は、コンラッドの業績に帰依するものだった。”音楽革命戦士”を標榜するオルークの面目躍如だった。
●トニー・コンラッド『完全なる今』
トニー・コンラッド自身が狂言回しを務めるパートと彼の生い立ち・業績を写真や映像で検証するパートから成る反自伝的ドキュメンタリー。音楽家として親しんだコンラッドの映像作家の一面を知るにつれ、頑固一徹の人生訓の後ろにある壮大な許容力と包容力に嘆息を漏らすしかない。ラ・モンテ・ヤングとの作品感の違いによる反目、ロックに転向したジョン・ケールへの驚き、あまりに自然体の反権力志向、時間と空間を無意識に飛び越える超越主義、ミニマリズムの究極がマキシマリズムであること。オルタナティヴの達人の生き方に学びたい。
●フリッカー with 灰野敬二
有り得ない物を見せたり、肉体に物理的な変調を及ぼすと言われる光の明滅を提示したフィルム『フリッカー』は動体視版ロールシャッハテストと言えるだろう。無音で披露されたこの実験フィルムに、灰野のハーディーガーディーが聴覚版ロールシャッハテストを施す。目と耳から別々の極端な周波数の刺激を浴びると、人体はどうなってしまうのか?30分の上映の間、何度か目と耳の境界が朦朧となる瞬間を経験したが、そのまま霧散することなく無事現世に帰還できたのは、天国のコンラッドの導きかもしれない。
Tony Conrad - The Flicker (Excerpts)
「前衛」である為には「反骨」と「慈愛」が「自然体」で蕩け合うことが重要だと再確認した一夜だった。
混乱の
コンラッド節
爛々と
HAINO/DUMOULIN/VERBRUGGEN European Tour 2016
Keiji Haino (vo, g, etc)
Teun Verbruggen (ds)
Jozef Dumoulin (key)
24th of November 2016: @ De Studio, Antwerp, Belgium
25th of November 2016: @ Bozar, Brussels, Belgium
26th of November 2016: @ Le Petit Faucheux, Tours, France
28th of November 2016: @ Coax Festival, Paris, France