A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

The Birthday TOUR 2017 “NOMAD”@横浜 Bay Hall 2017.5.27(sat)

2017年05月30日 00時49分00秒 | ロッケンロール万歳!


The Birthdayが前作『BLOOD AND LOVE CIRCUS』以来、約1年7ヶ月ぶりとなる通算9枚目のオリジナル・アルバム『NOMAD』をリリース。アルバムを引っさげての全国ツアーの初日が横浜Bay Hallで開催された。<遊牧民>というロマンティックで詩的な名前を冠されたアルバムは「夢とバッハとカフェインと」「抱きしめたい」の2作のシングル曲を始め、詩の世界はこれまで以上にイマジネーション豊かで、より「聴かせる」ことに集中したミッドテンポの曲調が印象的。その中にデビュー当時から核にある荒々しいガレージロックの魂(ソウル)が内包され、凄みすら感じさせるジャケットに相応しい男気溢れる作品である。



みなとみらい線横浜・中華街駅からBay Hallへ向かう途中のドンキホーテがあった辺りが再開発で何も無くなり景色が一変していた。しかしながらBay Hallの周辺は記憶にあるままの風景で何となく安心する。完全ソールドアウトの会場内はメンバーと同世代か上の年配ロックファンと20代の現役ロックファンが入り交じり、特に女子の姿が目立つ。ロケンローに世代や性別の違いがないのは周知の事実だが、自分の目で確かめることで、自分の中のロケンローの火が再燃するのを感じる。前年の“シャム猫の絶叫” TOUR 2016もこの会場からスタートした。クハラカズユキは昔横浜に住んでいたというし、ロケンローの八百万の神のひとりはこの地の生まれに違いない。



前述したようにアルバム全体じっくり聴かせるナンバーが中心という印象を持っていたが、CDとライヴは全く別もの。オープニングの「24時」から本編ラストの「抱きしめたい」まで、ぐいぐい腰から下がグラインドするような、ロケンローの妖しいノリ(グルーヴなどという陳腐な言葉は使わない)に、知らず知らずに両足を踏み締めて、頭の中では言葉の重みを噛み締めてした。それにも関わらず気持ちは軽く空の彼方に舞い上がるのは、The Birthdayの音楽が魂のダンスを誘発するからに違いない。チバユウスケのハウリングシャウトと、クハラカズユキのドリルビート、フジイケンジのサーベルギター、そして柱の影で殆ど姿が見えなかったがヒライハルキのバイブレーションベース。四つの肉体の軋轢が擦り合って絞り出される果実こそがThe Birthdayのエッセンス、即ちロケンローなのである。終演後地下鉄駅を目指して上気した顔で、遊牧民の足取りで横浜通りを歩く散切り頭を絞って滲み出て来た翠(みどり)の液体がオレのすべてなのかもしれない。つまりロケンロージュースである。

The Birthday 9th Album「NOMAD」アルバムダイジェスト



遊牧民
流浪の民とは
違う筈

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