A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【最新海外女子ロック事情】スターベンダーズ/ドール・スキン/ハンズ・オフ・グレーテル/ザ・ソープガールズ/アズ・ディセンバー・フォールズ/デストロイ・ボーイズ/スタンド・アトランティック/ハイマーツ

2020年02月08日 00時14分08秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


1年前の2019年2月9日にYouTubeやSpotifyをググって海外の新しい女子ロックバンド事情をブログに書いた。その中には来日公演を行ったバンドもいる。しかしながら当の筆者は女子地下アイドルに加えスタークラブや亜無亜危異、ラフィン・ノーズなど80年代日本のパンクに夢中になり海外女子まで手が回らなかった。そんなことを思い出しつつタイムラインを眺めていると、ポロリ有りのえちえち海外女子ロッカーを発見。その名も泡女子(SoapGirls)という狙い定めたエロカワイさ、地下アイドルには無い大人の色香に惑わされ1年ぶりに洋ピンならぬ洋楽女子ロックを検索しまくる2日間の末、ここにブログとして公開する準備が完了した次第。前回は米国に絞ったが、グローバル化が一段と進む令和2年に相応しく英米豪痾の4カ国のカラフルな取り合わせとなった。特にポップパンクが多いのは、西暦2020年・令和2年とニコ×3のスマイルイヤーに相応しい。
【当世米国女子ロック事情】チャーリー・ブリス/スタークローラー/スケーティング・ポリー/グリム・ストリーカー/デュード・ヨーク/ヤッキー・ダスター/ナックルチワワ

●スターベンダーズ Starbenders


Kimi Shelter - lead vox/guitars
Aaron Lecesne - bass
Emily Moon - drums
Kriss Tokaji- guitars/vox.

アメリカ、ジョージア州アトランタ出身。2014年6月14日にキミ(vo,g)が以前のバンドメイトのアーロン(b)に新バンド結成を持ちかけ、ギターのクリス、ドラムのエミリーが参加し、元レディ・ガガの音楽ディレクターでギタリストのニコ・コンスタンティンのレーベルInstitution Recordsと契約し、3枚のEP、1枚のアルバム、1枚の7インチと6枚のシングルをリリースしている。イギー・ポップとケイティ・ペリーの融合と呼ばれるグラマラスでキュートなロックンロールで話題となる。日本では新鋭アパレルブランド【KOBINAI】のモデルの起用されるなど、ファッション業界からも注目の的。3月14日NEWアルバム『LOVE PTIONS』リリース予定。

Starbenders - While I Was Sleeping 監視社会 (Official Japanese Version)



●ドール・スキン Doll Skin


Sydney Dolezal - vocals, rhythm guitar
Nichole Rich - bass
Alex Snowden - lead guitar
Meghan Herring - drums

アリゾナ州フェニックス出身。音楽学校School Of Rock Scottsdaleで出会った。2013年に地元のバンドコンテストRock Revolutionで優勝、翌年アリス・クーパーの"Proof Is In The Pudding"コンテストでファイナリストとなり、マライア・キャリーの"All I Want for Christmas Is You"のカヴァーがアルバム『Alice Cooper's Taste of Christmas Pudding 2015』で収録された。2015年10月デビューEPをリリース。2017年Hopeless Recordsを契約。これまで2枚のEPと2枚のアルバムをリリースしている。パンク、メタル、オルタナ、ポップを融合したサウンドはThe Donnas, The Go-Go's, The Runawaysと比較されている。

Doll Skin - Outta My Mind (Official Music Video)



●ハンズ・オフ・グレーテル Hands Off Gretel


Lauren Tate (guitar, vox),
Sean Bon (guitar)
Sam Hobbins (drums)
Becky Baldwin (bass).

2015年イギリス、ヨークシャーのBarnsleyにて結成。UKパンク・シーンで活躍するオルタナ/グランジバンドである。精力的なライヴ活動で知られ、Wight, Camden Rocks Festival, Y Not and Kendal Callingなどのフェスティバルに出演。各音楽誌で「今みるべきバンド」と評価されている。女性の身体イメージ、メンタルヘルス、セレブ、子供時代、孤独といったテーマを激しく歌い、シュガー・コーティングされたグランジパンクの完璧なサウンドトラックと呼ばれる。DIY精神を活動方針としており、バンドのビジュアル、アートワーク、ビデオ、マーチャンダイズはすべてヴォーカルのローレン・テイトが手掛けている。

​Hands Off Gretel - Milk (Official Music Video)



●ザ・ソープガールズ The SoapGirls


Noemie Debray (guitar, vocals)
Camille Debray (guitar, vocals)

フランス生まれで南アフリカ・ケープタウン育ちのミリーとミーのダービー姉妹は南アで7,8歳の頃からストリートパフォーマンスをして12,13歳でアイドルとしてデビュー、2011年のデビューアルバム『Xperience』は南アでNO.1ヒットとなる。しかし2015年にパンクロックに転向し、トップレスにボディーペインティングの大胆なスタイルでライヴパフォーマンスし、UK/ヨーロッパでもセンセーションを巻き起こした。2015年2nd『Calls to Rebellion』、2017年『Society's Rejects』、2019年『Elephant in the Room』とアルバムをリリース。日本では2020年1月に3rdアルバムが『悩殺のジョニー・ロットン』の邦題でリリースされた。

Chains - The SoapGirls



●アズ・ディセンバー・フォールズ As December Falls


Bethany Curtis (vocals),
Ande Hunter (lead guitar/backing vocals)
Timmy Francis (bass)
Lukas James (drums)

2015年イギリス、ノッティンガムにて結成。Tonight Alive, Pvris, The 1975, Fall Out Boyにインスパイアされたポップパンクが評価されScuzz TVのベスト・アンサインド・バンドに選出された。同年12月にリリースしたデビューシングルが即座にBBCラジオで紹介され、翌年Comden Rockフェスに出演。2ndシングルリリースに続き2019年2月にデビューアルバム『As December Falls』をリリース。2020年2月UKツアーは軒並みSOld Out。

As December Falls - More To You



●デストロイ・ボーイズ Destroy Boys

Alexia Roditis - lead vox + rhythm gtr
Vi Mayugba - lead guitar + vox
Falyn Walsh - bass + vox(現在は脱退?)
Narsai Malik - drums

2015年10月にカリフォルニア州サクラメントにて結成。最初はアレクシアがドラム、ヴァィオレットが歌とギターのアコースティック・デュオだった。2017年に25th Sacramento Area Music Awardsにて3部門にノミネート。2018年Do The Bayコンテストで最大の票を集めNoise Pop Festivalで演奏した。グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングが大ファンである。往々にしてRiot Grrrlsの継承者と呼ばれるが、メンバーは「女性メインだからといってそう呼ばれるのは我慢できない」と語っている。

DESTROY BOYS - American River (Official Video)



●スタンド・アトランティック Stand Atlantic


Bonnie Fraser - vocals/guitar
David Potter - guitar
Jonno Panichi - drums
Miki Rich – bass

2014年オーストラリア、シドニーで結成。2015年にリリースしたデモEPが話題になりイタリアのRude Recordsと契約、2枚のシングルをリリースしたあと2018年にアメリカのHopeless Recordsと契約しデビューアルバム『Skinny Dipping』をリリース。2019年8月にUK/EUツアー。Blink 182, The Story So Far, Justin Bieber, Silverchair, The 1975, Moose Bloodから影響を受けている。

Stand Atlantic - Hate Me (Sometimes) [Official Music Video]


洋楽の
女子パンクスは
えちえちだ

それに比べて日本女子ロックは色気よりも可愛さたっぷり。キュートなお顔で残虐ファズを鳴らすガールズガレージGSがサイコーPSYCHO!

●ザ・ハイマーツ The Highmarts


Suzu(Gt&Vo)
Haruna(Ba)
Karin(Dr)

2013年結成。2015年、ファーストアルバム「EARLY RECORDINGS」を発表。東京ガレージシーンを中心に活動を続け、2019年、サリー久保田氏プロデュースのもと「あなたが欲しいの(I Want You Bad)」7inchをリリース。立て続けに「Hey Boy/ Tallahassee Lassie」の7inchを発表、USはサンフランシスコでBurger Boogaloo Pre Partyにも出演。10月より新ベーシストにHarunaを迎え、精力的に活動中。

The Highmarts - Hey Boy MV



The Highmarts - Hey Boy MV
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【地下音楽への招待】LLEレーベル特集 第4回:プログレッシヴ・ロック奇譚と地下迷宮〜ネガスフィア/ラクリモーザ

2020年02月05日 00時57分31秒 | 素晴らしき変態音楽


日本では70年代初頭からプログレッシヴ・ロックの人気が高かった。「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり」というキャッチコピーが付けられたピンク・フロイドの70年のアルバム『原子心母』がロング・セラーとなり、フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー、キング・クリムゾン、ジェネシスの通称5大プログレバンドをはじめ、英国を中心にクラシックやジャズや現代音楽の要素を持った長尺曲をレパートリーとする「プログレッシヴ・ロック」(通称プログレ)が紹介されて高セールスを上げていた。筆者は1976年、中学2年の時に冨田勲の『火の鳥』と『惑星』を聴いてシンセサイザーに興味を持ち、たまたまラジオで耳にしたジェネシスがシンセを使っていたのが気に入ってプログレの道に入った。友人からキング・クリムゾンやピンク・フロイドのレコードを借りて心酔していたが、同時期に出てきたセックス・ピストルズやクラッシュなどパンクロックのパワーとシンプルさに衝撃を受け、長く複雑なプログレは過去の遺物として聴かなくなった。

Genesis: Live 1973 - First time in HD with Enhanced Soundtrack


しかしパンクからポスト・パンク~オルタネイティヴ(当時はこう発音されていた)に流れが変わった79年ころに別の方向からプログレに出会うことになる。レジデンツやポップ・グループが好きになり、より前衛的・実験的なロックを探し求めていた時に本屋で手にした『Fool’s Mate』に載っていた英米以外のヨーロッパ各国のロックバンドの数々に、自分の知らないロックがこんなにたくさんあるのか!と驚愕しパンク以来の衝撃を受けたのである。特にR.I.O(Rock In Opposition/反対派)に属するヘンリー・カウ(英)、ユニヴェル・ゼロ(ベルギー)、アール・ゾイ(仏)、エトロン・フー・ルルーブラン(仏)、ストルミー・シックス(伊)といったバンドの悪魔的な写真や難解なレビューを読んで、それまでに知っていたロックとは異なる禍々しいインテリジェンスを感じ、音を聴いたことがないのに憧れの存在になった。しかしながら当時ヨーロッパの輸入盤はかなり割高(LP1枚もので¥3500前後)だったので、高校生にはおいそれと手を出せなかった。その代わりに重宝したのが1979年にスタートしたキング・レコードのヨーロピアン・ロック・コレクションだった。イタリア、フランス、ドイツなど英米以外のロックの名盤が1800円で手に入るなんて、まさに革命だった。内容的にはクラシカル/シンフォニック系が多く筆者が求めた前衛性・実験性に突出したバンドは少なかったが、聴きなれない民族色のある多言語のサウンドはイマジネーションを刺激した。80年にはキング・クリムゾンが復活し話題になった。イエスやジェネシスなど往年のプログレバンドが革新性を放棄し凡庸なポップサウンドでヒット・チャートに上るのに対して、エイドリアン・ブリューのトリッキーな歌とギターとポリリズムを前面に打ち出した新生クリムゾンは革新的だった。

King Crimson - Three of a Perfect Pair (Japan 1984)


80年代前半の大学時代は音楽サークルでオリジナルのニューウェイヴ・バンドをやる傍ら、先輩のプログレ・バンドに参加した。ジェネシスの曲名をバンド名に冠した正統派プログレ中心だったが、初めて弾く変拍子の楽曲は面白く、特にキング・クリムゾンで変態ギターを弾くのが快感だった。自分のバンドはオリジナル曲メインだったが、プログレバンドの方はカヴァー曲に終始した。メンバーにオリジナル志向がなかったことが大きな理由だが、複雑な構成のプログレ・ナンバーを自分で作れる自信がなかったことも確か。そんな時手に入れた音楽雑誌『Marquee Moon』の付録のソノシートでカトラ・トゥラーナというバンドの曲を聴いて文字通りぶっ飛ばされた。これまで聴いたロックやニューウェイヴやプログレとも異質なリコーダー(縦笛)と生ピアノをメインにした奇怪なサウンド、どこの国にもない造語で歌うヴォーカル。エキゾチックでエレガントでストレンジ。日本にこんなバンドがいることに心がときめいた。それがLLEレーベルとの出会いでもあった。『Marquee Moon』には毎号ソノシートが付いていてそのほとんどがLLEのバンドだった。もちろんニューウェイヴやエレクトロニクスもあったが、雑誌で特集されたユーロプログレの記事と相まって、LLEのプログレ的な面が強く心に焼き付いた。

Katra Turana - Mortera in the Moonlight (1981)


以前取り上げたオムニバス盤にもプログレッシヴな音楽性を持つバンドが多数参加している。いわゆる正統派よりもオルタナティヴなスタイルを持つ実験的なバンドが多い。今回はLLEのプログレ迷宮を象徴する対照的な2枚を紹介する。

●NEGASPHERE / Castle In The Air 砂上の楼閣
LLE Label ‎– LLE-1007 / 1984


A1 Gear Of Cosmos
A2 Beyond Love
A3 Another Dawn Is Breaking
B1 Holly Ground Ceremony
B2 At The Last Moment

真嶋宏佳:g,vo
菅野詩朗:ds
徳武浩:b
矢田徹:key
川崎薫:syn
Recorded at Green Studio Honancho Tokyo March '84 - June '84.

キーボード奏者・川崎薫を中心に1976年高校時代に結成された。のちにプネウマと名乗りLLEの中心的役割を果たす高沢悟も初期メンバーだった。LLEには珍しく「正統派」プログレを追求するバンドである。80年にカセットアルバム『Negasphere』をリリース、81年にオムニバス『精神工学様変容』に参加。メンバーチェンジを経て84年にリリースした1stアルバムが本作である。漫画家の千之ナイフによるカラージャケットは自主制作とは思えないクオリティ。内容はキーボードをメインとするシンフォニック・ロックで、LLE作品としては正統派過ぎて逆に異端的な感じがする。曲構成やテクニック面は秀でているが、残念ながらヴォーカルが弱い。レコーディング直前にヴォーカリストが脱退し、ギタリストがメイン・ヴォーカルを担当したというから仕方ないかもしれないが。聴きようによっては東欧のバンドが下手くそな英語で歌ったレコードに通じる愛おしさを感じることが出来る。正規ヴォーカルが参加した2ndアルバム『Disadvantage』(85)でヴォーカルの弱さは改善されるが、度重なるメンバーチェンジのため、86年に活動を休止。16年に亘る休止を経て2012年に活動再開。現在はアコースティックユニットNegAcoustikaとしても活動中。2019年11月にプログレッシヴ・アイドル、キスエクことXOXO EXTREMEと共演した(観に行けず残念至極)。

Negasphere 1985 - 23NOV2017 - 05 - Holy Ground Ceremony



●Lacrymosa ‎– Lacrymosa
LLE Label ‎– LLE-1008 / 1984


A1 Opus 2
A2 Le Chant Par Blaise Cendrars
A3 Junkie's Lament
A4 疑心暗鬼
B1 Vision I (The Death Of The Bird Of Paradise)
B2 時間牢に繋がれて
B3 Vision II (The Chuckle Laughter In The Question)
B4 The Resurrection
B5 Vision III (The Secret Treaty Of The Age Of Maitreya)

齊藤千尋:b,perc,vo
ASH:vln
中田晴一:cla
佐々木正博:ds
中川毅:reco
藤田佐和子:pf,hc
Recorded at Green Studio, Tokyo, Honancho & Our House Studio Mita, Aug/Oct 1984.

カトラ・トゥラーナのベーシストで、Chihiro S.として『Fool's Mate』『Marquee Moon』の編集・ライターとしても執筆活動していた斎藤千尋は、LLEと『Marquee Moon』の橋渡しをした功労者と言われている。カトラ・トゥラーナを脱退した齋藤が82年秋に結成したのがラクリモーザだった。クラリネット、リコーダー、ヴァイオリンといった非ロック的な楽器を取り入れ、中世音楽と現代音楽がミックスされた複雑怪奇な展開の演奏は日本におけるチェンバー・ロックの草分けと言える。R.I.Oとの精神的な共通点も明らかだ。採算度外視で作られた銀箔ジャケットを含め、LLEレーベルの美学が凝縮された一枚である。アルバムはほぼインストゥルメンタルだが、85年のEP『疑心暗鬼』ではアシッドフォークシンガー小山景子をヴォーカルに起用することで、海外のバンドに比べても遜色のないハイクオリティのサウンドを実現した。93年に2nd『破船の歓び』をリリースした後活動休止。その後も齋藤はゴールデンアヴァンギャルド、まぼろしペイガンズなどのバンドを結成し、現在も精力的に活動中。日本プログレ界の影の首領と呼びたくなる。一見異様な風貌だが、本人は冗談好きでおちゃめな愛すべきキャラクターである。

MABOROSHI PAGANZ - Henriette Krötenschwanz (AMON DUUL II cover)


プログレの
道の果てには
LLE

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【永久保存版】レント・ロムスとローズ・オブ・アウトランド(Rent Romus' Lords of Outland) / 山の下で25年 (25 years under the mountain)

2020年02月02日 02時14分24秒 | 素晴らしき変態音楽


Rent Romus' Lords of Outland / 25 years under the mountain
Edgetone Records DL/CD: EDT4207

Philip Everett – drums, autoharp, electronics
Ray Schaeffer – 6-string electric bass,
Alex Cohen – electric guitar, viola da gamba
Rent Romus – alto, soprano, c-melody saxophones, flutes, kantele, percussion

1. Grown out of Stone
2. Like tears in ice
3. Ape of God
4. A Glass Darky
5. Revenge of Trees
6. Systemic Fault
7. Dark Wind
8. Under the Mountain
9. Call from the Deep
10. Homeward Bound

Recorded at New, Improved Recording, Oakland California, May 31, 2019
Mixed & Mastered by Ray Scheaffer
Cover Art by Collette McCaslin (ink on paper)
Gertude monster art logo by Vincent Rezini (Averee Repke)

【ディスク・レビュー/Disc Review】
名は体を表す。新・標題主義者レント・ロムスの25年目の覚悟。
有言実行、新・標題主義を掲げるレント・ロムスと辺境君主の信念に貫かれた異端音楽が、いつか山の下を貫通し、モンスターとなって地上に出現する日が来ることを心待ちにしている。
JazzTokyo CD Review#1662 『Rent Romus’ Lords of Outland / 25 years under the mountain』


http://www.romus.net/lordsofoutland.html
 
【バイオグラフィ/Biography】
1993年、サックス奏者/作曲家のレント・ロムス Rent Romusは、60代のドラマー、ジェームズ・ジトロ James Zitroとサン・ラのチェロ奏者カシュ・キリオン Kash Killionと一緒にトリオを結成し、シーンに登場した。その後編成は、ドラマーのアンドリュー・ボーガー Andrew Borger、ベーシストのヴィタス・ナギセティ Vytas Nagisetty、トランペット奏者のジェイソン・オレイン Jason Olaineとのカルテットになった。1994年、ロムスは志を同じくするミュージシャンと共にジャズとブルースにルーツを置きつつ、即興、メロディ、ノイズ、サウンドアートの探求にフォーカスするバンドをローズ・オブ・アウトランド Lords of Outlandと名付けた。1995年、Blondies Bar and No Grillでライブ録音された1stアルバム『You'll Never be the Same』をリリース。

その年の後半、ロムスはデンマークを訪れ、当時若手ピアニストだったジョナス・ミュラー Jonas Mullerと共演し、翌1996年にドラマーのステファン・パスボーク Stephen Pasborgと共演した。デンマークとのコネクションは続き、1997年にドラマーにデビッド・ミハリー David Mihaly、チューバにジョン・バードソング Jon Birdsong、そしてデンマーク出身のフリー・ジャズの伝説的テナーサックス奏者ジョン・チカイ John Tchicaiをフィーチャーした2ndアルバム『Adapt…or Die!』をリリースした。

90年代後半、BECKのヨーロッパツアーに参加するジョン・バードソングに代わってベーシストのビル・ノルトカー Bill Noertkerが加入。2001年トロンボーン奏者のトヨジ・トミタ Toyoji Tomitaが参加し、アルバート・アイラー・トリビュート『Avatar In the Field』とCJボロスク CJ Borosqueの詩作によるフリー・ポエトリー・プロジェクト『メタル・クアン・インThe Metal Quan Yin』をリリースした。2004年にドラマーのフィリップ・エヴェレット Philip Everettとベーシストのレイ・シェーファー Ray Schaefferがレギュラーのリズム・セクションとなり、さらにロムスの妻でノイズ・アーティスト兼トランペット奏者のCJボロスク(コレット・マッキャスリン Collette McCaslin)が加入した。

2006年以来、グループは、狂気に満ちたフリー・インプロヴィゼーションから、抽象的で社会政治的な詩、サイエンス・フィクション、ホラー、ファンタジーにインスパイアされたテーマで作曲された組曲に至るまで、独創的なアルバムを10枚以上レコーディングした。トロンボーン奏者の故トヨジ・トミタ、ギタリストのジョエル・ハリソン Joel Harrison、創作楽器のトム・ナン Tom Nunn、チェロ奏者のダグ・キャロル Doug Carroll、ヴォーカリストのジェシー・クワトロ Jesse Quattro、サックス奏者のジム・ライアン Jim Ryan、トランペット奏者のダレン・ジョンストン Darren Johnston、ベーシストのデイモン・スミス Damon Smith、ピアニストのスコットR.ルーニー Scott R. Looney、テナーサックス奏者のジョシュ・アレン Josh Allen、マルチ楽器奏者のヴィニー・ゴリア Vinny Golia、そして最近ではギタリストのアレックス・コーエン Alex Cohenをフィーチャーしている。

Lords of Outland 2019 0407 SIMM


【ディスコグラフィー/Discography】
1. You’ll Never Be The Same / JH 9493 / 1995.1.1

Rent Romus – alto & sop. saxophones
Jason “Jay O” Olaine – trumpet
Vytas “Brock Lee” Nagisetty – bass
Andrew Borger -drums

2. Adapt…or Die! (John Tchicai with Rent Romus’ Lords of Outland) / JH 9503 / 1997.5.1

John Tchicai – tenor saxophone
Rent Romus – alto & sop. saxophones
Jon Birdsong – sousaphone
Dave Mihaly – drums

3. Avatar In the Field / EDT 4001 / 2001.4.1

Rent Romus-alto/soprano saxes, voice, piccolo
Toyoji Tomita-trombone
Bill Noertker-bass
Dave Mihaly-drums

4. The Metal Quan Yin "Destinations Suite"(CJ Borosque, Lords of Outland) / EDT4011 / 2002.10.1

CJ Borosque - reading
Jesse Quattro - voice, reading
Danielle Degrutolla - elec. cello
Bill Noertker - bass
Dave Mihaly - drums
Rent Romus - reeds, reading
Toyoji Tomita - trombone

5. Culture of Pain / EDT 4028 / 2006.6.1

Rent Romus – alto/c-melody saxophones, zitherod, voice
CJ Borosque – noinput electronics, electric & acoustic guitars
Ray Schaeffer – 6 string elec fretless bass
Philip Everett – drums, perc, autoharp
Guests:
Jim Ryan – tenor saxophone
Darren Johnston – trumpet
Scott Looney – piano
Damon Smith – double bass

6. You can sleep when you’re dead! / EDT 4064 / 2008.1.29

Rent Romus – alto, soprano, and C-melody saxophones, voice, accordion
CJ Borosque – fx pedals
Ray Schaeffer – 6-string electric bass
Philip Everett – drums, autoharp, electronics

7. The Pit / EDT 4084 / 2009.4.28

Rent Romus – alto, soprano saxophones, voice
CJ Borosque – fx pedals
Ray Schaeffer – 6-string electric bass
Philip Everett – drums, autoharp, electronics

8. XV – The First Fifteen Years 1994-2009 / EDT4094 / 2009.10.20

Rent Romus – alto, soprano, and C-melody saxophones, voice, electronics
CJ Borosque- no-input pedals, trumpet
Ray Schaeffer – 6-string electric bass
Philip Everett – drums, autoharp, electronics
Guest Artist:
Kash Killion – cello
James Zitro – drums
Jason “Jay O” Olaine:trumpet
Vytas Nagisetty – doublebass
Andrew Borger: drums
John Tchicai – tenor saxophone
Jonas Westergaard -doublebass
Joel Harrison – electric guitar Dave Mihaly:drums
Doug Carroll – electric cello Tom Nunn:T-rhodimba
Toyoji Tomita – trombone Bill Noertker:electric bass Andre Custodio – electronics

9. Edge of Dark (Rent Romus’ Lords of Outland with Vinny Golia)/ EDT4112 / 2011.4.27

Rent Romus – alto, soprano, and C-melody saxophones, voice, electronics
Vinny Golia – sopranino, soprano, tenor saxophones, piccolo, voice, mukhavina
CJ Borosque- no-input pedals, trumpet
Ray Schaeffer – 6-string electric bass
Philip Everett – drums, autoharp, electronics

10. Cloudknitter Suite Live / EDT 4128 / 2012.5.8

Rent Romus – alto & soprano saxophone, voice, toys, electronics
CJ Borosque- trumpet, electronics
Ray Schaeffer – 6-string electric bass
Philip Everett – drums, autoharp, electronics

11. Thee Unhip / EDT 4129/NW0298 / 2012.6.1

Rent Romus – alto, soprano, C-melody saxophones
CJ Borosque- trumpet, analog electronics
Ray Schaeffer – 6-string electric bass
Philip Everett – drums, autoharp, electronics

12. The Proceedings of Dr. Ké / EDT 4143 / 2014.4.22

Philip Everett – drums/electronic autoharp
Collette McCaslin – trumpet, electronics
Ray Schaeffer – electric bass
Rent Romus – alto, soprano saxophone
Joshua Marshall – tenor saxophone (Tracks 2, 4, 5)
Hasan Abdur-Razzaq – tenor saxophone (Tracks 1, 3)
L.A. Jenkins – electric guitar

13. Lords O Leaping / EDT 4152 / 2014.9.30

Rent Romus – alto saxophone
Collette McCaslin – coronet/no-input analog pedals
Ray Schaeffer – electric bass
Phillip Everett – drums
Special Guest:
Josh Allen – tenor saxophone

14. In the darkness we speak a sound brightness and life / EDT4189 / 2017.12.5

Rent Romus – alto, soprano, c-melody saxophones, flute, overtone flutes
Collette McCaslin- trumpet, soprano saxphone, no-input analogue pedals
Philip Everett – drums, analogue synth, Xlarinet and lapharp
Ray Schaeffer – electric six-string bass, effects

15. 25 years under the mountain / EDT4207 / 2019.10.22

Philip Everett – drums,autoharp, electronics
Ray Schaeffer – 6-string electric bass,
Alex Cohen – electric guitar, viola da gamba
Rent Romus – alto, soprano, c-melody saxophones, flutes, kantele, percussion

Lords of Outland 2019 1117 SIMM


山の下
四半世紀の
辺境王

Ape of God
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