一昨日、東京で行われた表題の会議に行ってきました。
伊豆・小笠原諸島の各島が連携して島の宝物を探し、その魅力を広く伝えていくことを目的とする会議の第1回目。
会場には都知事、各町村長および島からの参加者、マスコミの方々などが集まりました。
全島を訪問したという、小池都知事挨拶。
(このことは
東京新聞記事他、様々なメディアで報道されています)
宝島会議のロゴも、発表されました。
11の島を11色の三角形で表し「全島がダイアモンドのように輝く」という意味が込められているそうです。
宝島会議のコンセプト。
いくつかのセレモニーの後、今治タオル工業組合理事長の井上氏による1時間弱の講演と…
4名の登壇者によるトークセッションが行われました。
様々な「!」と思う内容や言葉がありましたが、すごいボリュームになってとても全ては書けないので、特に印象に残ったものだけ簡単にまとめてみます。
まずは講演から…。
「こうなりたい」という未来の姿は、地域の人ではないと作れない!
2006年から開始した今治タオルブランドプロジェクト。業績が落ち込んでいた今治タオルの工業組合はブランディング・プロデューサーとして佐藤可士和氏を迎えたそう。佐藤氏からは「みなさんの思いをわかりやすい言葉にして伝えるのは手伝えるが「こうなりたい」という姿は、地域の皆さんでないと作れない」と言われ、話し合いを重ねたそうです。佐藤氏の言葉に納得!
ロゴマークは大切!
2007年、佐藤氏デザインによるロゴマーク完成。豊かな自然環境が今治タオルを生んでいるという“思い”の共有ができたようです。
今まで私は、ロゴマークの大切さを考えたことはありませんでしたが、ロゴマークは物や地域の認知度を上げるためと同時に、それに関わる人が同じ方向を向いて進むためにも大切なんだなぁ…と思いました。(今や今治タオルのロゴマーク認知度は77%なのだそうです)
最も大切なのは、危機感の共有!
プロジェクト開始時には「倒産か世界一か2つに1つ」という思いがあったそうです。お話を伺っていて、その気迫や真剣さが、次々に行われる新たなチャレンジを可能にしたのだと感じました。
いいタオルを作っているから売れるのではなく、知ってもうらうのが大前提!
伊勢丹での販売、地元でタオルメッセ、海外での展示会、青山に専門店開店、消費者とコミュニケーションできるオフィシャルショップをスタートなどなど、様々な広報活動を実施。
同時に「安心、安全、高品質」をモットーに「今治タオル」として認めるための基準を設けたり、販売員がお客様にタオルの良さをきちんと説明できるように「タオルソムリエ」の制度を作り資格試験を行ったり(現在までに7回実施)、さらに厳しいタオルマイスター制度を作ったり、「良いものを作る」ことと「その魅力を伝える」を同時に展開していることを「すごい!」と思いました。
色やデザインではなく風合いや手触り、吸水性を体験してもらうため白一色のタオルで展示をしたことなども印象的でした。
継続のための資金は、活動の中から捻出!
助成金を使ってスタートしたプロジェクトを継続していくために、ネームタグの共同購買やオフィシャルショップの売り上げに対するライセンス料収入によって継続的なPR活動を行う資金を確保しているそうです。自分たちの力で持続可能な仕組みを作る…これってとても大切なことだと感じました。
今治タオルプロジェクトは今年で13年目。スタート時は140社中10社のみの参加だったけれど、現在は90社が参加。全社努力し、黒字化しているそうです!(驚)(今治タオルプロジェクトについて詳しく知りたい方は
こちらをご覧ください)
続いてトークセッション。
登壇者は下記の方々です。
印象にのこった言葉は…
「1島ずつだとどうしても力が弱くなる。11島で力を合わせて!」
「認知度→理解度→憧れへ!」
「ブランドを作るのは顧客の視点を持つことが大切。(自分が良いと思っていることとズレがあることが多い)」
「島に住む人が誇りを持てるのがブランド」
「今回のプロジェクトに直接関わっていない島の人々にも知ってもらえるような取り組みを」
…とても面白かったです。
伊豆・小笠原諸島は宝の島…私も、本当に心からそう思います。
そして11島の個性を輝かせるには共通の物語が必要で、それはやはり火山しかないだろうと感じています。
プレートが沈み込むラインに沿って存在する火山の島々!
どれもが個性の違う火山であるがゆえに人の暮らしも見える景色も様々で、知れば知るほど面白いところ!
災害も多いけれど、だからこそ地球の上で生きるということを、肌で感じられる場所!
これからも、この会議にできる限り参加して、色々考えていきたいなぁと思います。
(かな)