台風9号は、各地に大雨をもたらして過ぎ去っていきました。
昨日は私も、自宅で「バケツをひっくりがえしたような雨」と「バケツに10cmの水がたまる雨漏り」を体験。(どんな家?(^_^;)
雨の様子を見ていたら、防災無線で「大島全域の土砂災害特別警戒区域154世帯に避難勧告を発表します。特別警戒区域にお住まいの方は直ちに避難行動をしてください」という放送が入りました。
私の家は,3年前の土砂災害後の調査などにより「特別警戒区域」に指定されました。
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地図でオレンジ色に塗られている部分が「レッドゾーン」とも呼ばれる特別警戒区域です。
雨は2時間ぐらいで小雨になる予報だったので「2階に移動するだけにしようかな?」とも思ったのですが、山側のヤブが土砂と一緒に崩れてくる光景が思い浮かび(心配症)、土砂災害に関しては比較的安全な(しかし津波や割れ目噴火の火口ができる可能性はある)職場に移動したのですが…
いや〜もう、道路は一部プールみたいになっているし、本当にスゴい雨でした。
「避難する方が怖いなぁ」というのが正直な感想でした。
で、なぜか3月に行われたガイド講習の防災に関することをまとめていないのを思い出し、記憶をたどってみました。
ガイド養成講座の中では、いくつか防災に関する講座が行われました。
(まだこのブログで報告できていない分の講座です)
そのうちの1つが、3月29日に行われた「第16回ガイド養成講座・ガイドのための火山防災・大島町の防災対策」
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参加者は確か、38名だったと思います。
講師の1人、防災対策室長の高橋氏のまとめによると、大島町に過去に起こった災害は…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/51/f7c0976f228a8dc2812b342f821f0c04.jpg)
噴火、津波、土砂災害,島独特の強い海風による火災の延焼…
こうしてまとまったものを見ると、あらためて“活火山の島の暮らし”は、多様な自然が身近にあるのと同時に、災害もまた身近にあることを実感します。
そして、もう1人の講師である、前・火山防災連絡事務所長の加治屋氏の話を聞いて、いつも思うことがあります。(加治屋氏は様々な機会に講演を引き受けてくれているので、話を聞く機会が多い)
台風は、地球が赤道と極の間で熱交換をして温度差を安定的に解消するために起こる、地球が存在するために必要な現象であること。
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そして火山噴火や地震もまた、突き詰めれば、地中深くの熱いマントルと冷たい地表との熱交換のための対流が、プレートを動かした結果起こることで、地球にとって無くてはならない現象であること。
話を聞く度に「時々、こういう視点に立ち戻れることは、とても大切なこと」だと感じます。
大雨も噴火も地震も津波も本当に恐ろしいけれど、できる限り“生きのびるための努力”をして、あとは諦める…というか、受け入れる気持ちになれます。
どこかで「地球も生きているのだから、しかたがないな」という気持ちを持つことができます。
まるで生きもののように、伸びたり縮んだりを繰り返しながら、少しずつ地下にマグマを溜めている伊豆大島の火山。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/bb/e1147d64bd3ee743e3438fa40a205e62.jpg)
伊豆大島では、食料の備蓄や砂防、火山観測など様々な対策をとって、人の命や暮らしを守ろうとしていますが、残念ながら人間のできることには限界があります。
「その限界を学びながら、できる限り良い時間を生きたいなぁ…」そんなことを考えながら、台風一過の海岸を車で走ったら、目の前に、こんな風景が広がっていました。
…地球の活動がつくり出した、美しい景色に見とれました。
(カナ)