きのう、今日と雨が降ってくれたので、暑さが一段落した感じです。
今日の午後は、雨止みの時間も多くなって、またギラギラの真夏の太陽が顔を覗かせました。
夏には、特に木陰がうれしくなりますね。木陰の中でも、なぜか、シュロやカラスザンショウの葉の影の形が気に入っています。窓辺のブラインドの影に似ているところが、涼しげに感じませんか?
シュロ(棕櫚)は、ヤシ科で、本来は九州の南部が自生地であったそうです。
南国情緒を楽しむために早くから移入されたようです。ヤシの仲間だけあって、幹だけで枝がなく、幹の頂きから葉柄を伸ばし、その基部から・・・
ゴールデンウイークの頃に、こんなタケノコのようなものが伸びてきます。
するとすぐに、包んでいた皮を押し開いて集合花が伸びます。
比較的に寒さに強いためか、林床などに実生のものを見かけます。都心の植物園などでも少しずつ増えているそうです。木としての成長が、遅く感じるのは寒い地域に連れてこられたせいでしょうか?
人の背丈よりずっと樹高が高くならないと花は咲きませんね。
なので、↑写真は脚立の上で撮りました(汗)5月上旬に開き始めます。
それから、2ヶ月半ほど・・・
これ↑は、この日曜日7月25日に、やはり脚立で撮った果実の画像です。
秋、10月から11月に、この核果が藍黒色に熟すと鳥たちが食べにきます。
こんな具合に葉柄が長く葉が大きいのがシュロの特徴。ごく近い仲間で、中国南部原産のトウシュロ(唐棕櫚)と分ける意味で、ワジュロ(和棕櫚)の別名も。
大島では、都道の一部(北の山辺りとか)に街路樹として植えられているビロウも近い仲間で、姿かたちがよく似ています。こちらは、四国南部から九州・沖縄・台湾まで分布していて、その葉は与那国島名産の泡盛「どなん」のビンの包装に使われていたり、団扇(うちわ)や編み笠などの
細工物になっています。
ビロウの画像を間違って消去してしまったらしく・・・見つからない(汗)
ので、↑春のシュロの写真だけで、すみません。
それで、シュロの方は、どんな風に利用されているか?
身近にあった市販品では、小さなハケ(ちり払い)と、土間ぼうき。普通の土間ぼうきは、赤シダなどのものが多いようですが。
同じく、幹の表面の繊維でできた、シュロ縄(なわ)です。腐りにくく耐久性が高いので垣根の竹を結んだり、植木と支柱を縛ったり。よく使われます。これは、黒く着色したもの。
それから、これも画像がありませんが、お寺などの梵鐘(ぼんしょう:つりがね)をつく「撞木(しゅもく)」は、このシュロの幹を使ったものが多いですね。
以前、シュロの幹を切ったことがありますが、かたくて切りにくくて、おまけに重かったのを覚えています。繊維がしっかり詰まっているのが、梵鐘の音にプラス効果があるのでしょうか。
シュロの幹の下から上まで繊維がビッチリ付いているものと、下から繊維を落としていくタイプとあるようなのですが、個体差でしょうか?
トウシュロ(唐棕櫚)は、下から繊維を落とすようです。中間種があるとか?
北方の種が繊維を着込んでいるということは、防寒の役目?
お次は、自家製ハンドメイド品です(笑)
シュロの葉で作った「ハエたたき」ですが、祖父や父は、もっと上手に作ってました(苦笑)
ウチで、たたかれるのは、ハエよりも、もっぱらゴキブリですね。
繊維を小さく束ねてヒモを付けたものは、春先に使います。金魚に卵を産み付けさせるのに最適なグッズです(笑) 卵が付いていたら、親たちに食べられない内に、別の水槽にこのまま移して、孵化するまで、そのまま置きます。
シュロの繊維の最も大切な使われ方は、こちらかも・・・
取ってきたわけじゃありませんよー!
制作途中で大風が吹いて、道に落ちてしまったメジロの巣です。シュロの繊維が内側の一番ソフトな部分に使用されています。
もう、いいかげんにシュロ!って?
(なるせ)