グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

アオジ

2009年10月31日 | 
この秋もアオジがやってきました。
スズメくらいの大きさの可愛らしい小鳥です。
初めて確認したのは今月の28日です。

草原(と言っても大島にはあんまりないけど)や林の縁、民家の庭先などでもよく目にします。
姿よりも「チッ」というホオジロ科特有の鳴き声で存在がわかります。

本州中部以北で繁殖し、大島には越冬するためにやってきます。
これから半年間は毎日のように見かける鳥のひとつになるでしょう。




今日は標高140メートル付近の沢沿いの開けた場所でアオジをじっくり観察してきました。
私がいることを知っているのに、まったく恐れず夢中になってススキの種を食べています。





ススキの種なんてあんな小さい粒のもの、よっぽどたくさん食べないとお腹が一杯にならないんじゃあ・・・?

このときここには2羽のアオジがいて互いに「チッ」「チッ」と鳴き交わしながら食べていました。
海を越えて、一緒に大島までやってきたのでしょうか?




こんな小さな鳥が大きな危険を冒して旅をしてくるのです。

どうやって旅立つ時期を知るのか。
どうやって行くべき方角を定めるのか。
どうやってこの海を越えてくるのか。

なぜ、旅をしなければならないのか。

そして、すべてを決断するときのその心境は一体どんなものなのか。

たかが小さな鳥のことですが、興味は尽きません。




陽の当たるところに出てきました。





どうです?
なかなか美しい鳥じゃあないですか!



私の疑問なんて、まるで知らない顔ですね(当たり前~ 笑)



      がんま
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炭焼き

2009年10月30日 | 歴史・文化
 干物を炭火で焼いて食べて美味しかった、と誰かが2~3日前に書いてましたね。島の近海でサンマが捕れる時季は、まだ先ですが、三陸辺りのサンマが安くて美味しい季節になりました。三遊亭円楽さんの訃報のニュース番組で、「目黒のさんま」の一場面が写っていて懐かしかったです。好きな落語家でした。淋しくなりますね。

 今日も気が付くと撮影に出掛ける時間がなくなっていて焦りました(汗)。それで、ご近所の炭焼き窯(がま)を撮らせて頂いて、木炭の話などを少し。

 大島では、こうして現在でも、庭や畑の片隅や、里山の防風林の陰などに炭焼き窯が使われています。炭焼きだけを専門に仕事にされている方は、ほとんどいらっしゃらないと思いますが、農漁業や他の仕事の合間に木炭を作っている方が多いようです。椿の木の炭は最高級ですし、椿以外のイボタやサクラやハンノキなど雑木の炭も作ります。何度か手伝ったことがありますが、口の狭い窯の中へ丸太を運び入れたり、出来た炭を出す作業は、とても大変でした。農協や燃料店を通じて販売しますし、自家用にもよく使われています。

 今は観光関連が大島の主要な産業となっていますが、昭和の初めの頃までは、薪(まき)や木炭が島の主要産品として東京方面へ移出されていたそうです。明治・大正の時代は、山形県から冬場の出稼ぎとして炭焼きに来る方が多く、技術も高く良い炭を沢山作ったそうです。そのまま、島に定住された方も少なくないようです。

 昔の話ですが、村有林を何人かの元締めが入札して払い下げを受け、元締めは炭焼きの職人を数人抱えていて焼かせました。材料を伐る作業は「切り子」という専門職が担当するといった具合に分業されていたようです。大島には、人の手の加わった二次林が多いのですが、それは温暖多雨で樹木の成長が早い風土を生かして循環型の燃料生産を行なって来た証しとも言えそうです。

 島ではクサヤやサンマを焼く七輪だけでなく、今も囲炉裏(いろり)や火鉢を愛用されているお宅もあり、木炭を作り使う文化はきっと継承されていくことでしょう。

 ホームセンターなどの安売り木炭は、原木が熱帯林やマングローブの木材だったりするようです。バーべキューに使う炭も、ぜひ国内産の木炭をお求め下さい! 伊豆大島椿炭をどうぞよろしく!!

(なるせ) 


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ツアーの度に

2009年10月29日 | ツアー
今週は2回、お客様を三原山へご案内する機会がありました。
ガイドを担当する度に、お客様の新鮮な視点に感心したり、
今まで見過ごしていた物に注目する機会になったりして、本当に勉強になります。
今回も様々な発見がありました。

一番の発見は、三原山の火口の中に魚の顔があることを発見したことでしょうか。
「え?何のこと?」と思われる方は上の写真をクリックして、ジックリご覧下さい。
こちらをにらんでいるクエか何かの顔が見えてきませんか?

発見者は水曜日のツアーに参加されたお客様です。
火口展望台から下をのぞくなり「魚の顔がある!」とおっしゃいました。
今まで何回も同じ景色を見ていたのに、魚だなんて、まるで気が付きませんでした。
いや~驚きました。

この方は普段お仕事で魚をさばいていらっしゃるのだそうです。
日頃魚の正面顔を見慣れているから、このような絵が見えたのでしょうか?
これで三原山にはゴジラだけでなく、魚も住んでいることが分りました!
すごい~!!

そして昨日は、7時間の1日コースで鴻池と一緒に、三原山と裏砂漠を歩いて来ました。

山はススキの穂が満開で、逆光にキラキラと輝き、山全体が光っているような景色を楽しめました。
この美しさはちょっと例えようがありません。
是非一人でも多くの方に見ていただきたい風景です。


キラキラの山の後は雄大な裏砂漠へ。
ここから遠くを見ると地球の丸さを実感します。
これほどの広さの中でお茶を飲めるなんて…最高ですね!


沢山の興味深い生き物達にも出会いました。
昨日見た生き物の中で特に印象に残ったのは、火口周辺で暖をとるように集まっていたナミテントウの集団です。
青空をバックに妙に可愛かったです。
暖かい地熱を利用して、ここで冬を越すのでしょうか?


あとは初めて見たミノウスバの雄。


近づいて写真を撮ったら体を丸め、お尻の真っ黒い毛を動かしてこちらを威嚇していました。
その懸命さが笑えました。


そして「これは山からのプレゼントかも!」と思ったのは、何故か道路を這っていた5cmほどの毛虫。
調べたらあの美しい蛾になるオオミズアオの幼虫でした。
毛虫の頃からとても綺麗なのですね!


何人かで歩くことで、何かに気づいて感動する回数も倍以上になります。
今回もお客様やスタッフの鴻池から沢山の感動をプレゼントしてもらいました。
楽しかった~。ありがとうございました!

…あれ?
私が一番楽しんでいるかもっていう声が聞こえるような…?(笑)

(カナ)

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集まりました

2009年10月28日 | 植物
大島といえば「椿」が名物のひとつですが、
今年もあちらこちらで椿の花が咲き出しました。
今頃から来春まで島中で椿の花が見られます。
毎年一月から三月末まで開催される椿まつりもそうですが、
椿が冬場の大島の観光目玉であることは確かです。

観光資材だけでなく、椿は島の人々の生活に昔から深く関わってます。
風の強い大島では防風林として椿がたくさん植えられました。
枝は炭にして島民の生活を支えました。
そして実です。
実は拾って、干して、椿油にするのです。
現在でも椿油は人気で、そして高価なものです。

今年はその実がたくさんなりました。
八月中頃から今もまだたくさん拾えます。
拾った実は干して、製油所へ持っていくと、
現金で買い取ってくれます。
もしくは椿油に交換してくれます。

私も毎年拾うのですが、なかなか油に交換する量を拾うのは大変です。
(一斗缶いっぱいの実で一升の油に交換です)
でも今年はあっさり拾えました。
そして念願の椿油を手に入れました!

早速庭からさつま芋を掘り出し、椿油で天ぷらにしました。
からっと揚がってとってもおいしかったです。
自分で実を拾って手に入れた椿油で、自分で育てたお芋を揚げて、
大島の塩でいただきました。
なんという贅沢!!
島生活満喫って感じの日でした。

(のり)
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台風の落し物?

2009年10月27日 | 海の生物
 昨日は台風で一日強風と雨でした。どよーんとした天気…。
しかし今日はうって変わって快晴!海のうねりはまだありますが、朝には冠雪した富士山が綺麗に見えました。

 さて!台風一過といえば、ビーチコーミングですね!島で他にやってる人見たことないけどね!

 …しかし前回の台風の時はやっぱり特別だったみたいで、今回はあまりご紹介できるものは落ちていません(T_T)波高が10mという前代未聞のレベルでしたからね~。

 しかし、台風後の楽しみはそれだけではありませんよっ。珍しい鳥が飛んでくることもあります!軽く探し回ってみたんですが、特に見つからず…

 それでも時には嬉しい出会いもあるものです(^-^)
最初の画像、港で撮ったものですが、魚が居るのがわかりますか~?

うーん、ムツカシイ?
オレンジ色の、これです。↓


ナンヨウツバメウオという南方系の魚の子供です。エンゼルフィッシュみたいな形をしています。周りの枯葉にそっくりだと思いませんか?動きも波にまかせるようにゆらゆら、ゆらゆら、見事なカモフラージュで感心してしまいます。
 
大人になると普通に銀色の小型マンボウみたいなややブサイクな魚に成長しますが、本州沿岸に流れ着いた子達は冬になると水温の低下によって死滅してしまいます。チョウチョウウオやスズメダイなどで良く知られる死滅回遊、または無効分散といわれる戦略です。
 
 熱帯海域でしか生きられない彼らも、いつ何時急激な気候変動などがあってもどこかの海で自分達の子孫が生き残っていられるように、毎年毎年北の海へ我が子を送り出しているのです。

 ちなみにナンヨウツバメウオの場合は体色はオレンジだけでなく黄色っぽいものや茶色のものなど様々な枯葉に擬態して外敵の目を逃れているようです。

 こちらは別の漁港で見つけた茶色バージョンの子です。


こういう感じで縦になっていると枯葉にしか見えないですね~


 皆様のお住まいの地域にもこんなにかわいい「生きた枯葉」が流れてきているかもしれません。台風やシケのあとは要チェック!さぁ、最寄りの港へGO!

(あまの)


 

 
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ひもの&くさや

2009年10月26日 | 歴史・文化
ここは大島波浮港。
昭和の初め、沖へ少し行った“大室だし”と言われる所はいちだい漁場でしたので、波浮港は魚と人とで溢れ返ったそうです。
ここであがった魚は漁船より船足の速い大きな船で東京などに送られたそうです。

今回は『干物&くさや』作りにチャレンジしてきました。

午前は干物

手取り足取り?教えてもらいました

きれいに洗って(血を取るのがコツ)

通常は塩水に漬けるのですが時間の関係で今回は塩を振り、手でなじませます。塩の量は魚の種・大きさ・脂ののりによって変えるそうです。(ここがプロの技なのですね)
30分~1時間休ませる(ここも時間は変わるそうです)と なじんで余分な水分と臭みが取れます。

今は乾燥機にかけます。天日干しは良いのですが蝿が付いたり、雨だったりするので安定的な仕上り・衛生面で乾燥機を使うそうです。天日干しなら朝から夕方6時間ぐらい干すと良いそうです。今流行りの乾燥ネットは風通しが悪いので時間がかかり湿度や風にも影響され自然相手の作業は手間がかかります。

お昼はふるさと村にてランチ 地元の手作りの品も頂きました。

お腹がいっぱいの午後はくさや作り
とはいっても“くさやのたれ”は無いので加工はご主人にお任せですが…
ひたすら魚を開きま~す

魚の山だったのですが作業に夢中でカメラを撮るのが遅くなってしまいました。手前の右側は内臓の山です。
 
みんなで魚の山をクリヤ  後はお任せします。洗って 漬けて 乾燥機へ 出来上がり。

くさや屋さんの命は“たれ”漬け汁ですがこれには有用な微生物が沢山入っていて、これに塩を加え魚を一晩漬け、2~3回水ですすいで乾燥させます。魚を引き上げた“たれ”はタンクに入れ30時間以上休ませるとその間に微生物が沢山育ってくれるのです。

生き物の“たれ”ですが、ホントに臭いです。でも、舐めさせてもらいました(勇気あるでしょ?)思った以上にまろやかで深くおいしかった(なんかの味に似ている何だったかな)

出来上がりを夢見つつ ひと足早く味見を
炭火で贅沢ですね
お味は聞くまでも有りません
めったに作らないカマスのくさやも試食させてもらいました(幸福・口福)

終わりに午前に作った干物を貰いました。くさやは2日後に届くそうです。(わ~楽しみ)

主婦歴が長い割に魚を満足にさばけなかったのですが、この講習で自信を持って作れるようになりました。良い大きさの魚が手に入ったら干物つくるぞ!
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秋を彩るむらさき色

2009年10月25日 | 植物
とてもとても寒くなりました。
室内温度、18度です~っ。

冬に向かって、植物たちも葉を落とし、山も彩をなくすようなイメージを持たれるでしょうか?

大島の山は「紅葉しない」とよく表現されます。
紅葉する木が「ない」から。と聞いていましたが、正確に言えば「少ない」から、ですね。

ある所にはちゃんと、イタヤカエデやオオモミジがあり、それらはやはり紅葉もするし葉も落とすのです。
でも、圧倒的に少なくて目立たないのですね。

この時期、山を見上げると「茶色い」という表現がしっくりきます。

さすがにサクラやアカメガシワみたいに枯れて葉を落としていく木も結構あるので、紅葉しないなりにも季節の変化は感じられるんですよ!
あと、この時期はヤマノイモの葉が黄色くなるので、ムカゴを探しやすくなります^^

さて、そんな色の少ない季節になってきましたが、ひと際目に留まる鮮やかな色がありました。

オオムラサキシキブです♪

7~8月頃には薄紫の可憐な花を咲かせていますこの木を「秋になると梅ミンツみたいな実をつけるんですよ!」って教わって以来、すっかり「オオムラサキシキブ=梅ミンツ」というイメージがついてしまいました^^

今みると、本当にすっぱおいしそうな色ですね(^o^)/
さらによく見てみました。
すると・・・

おぉ、ブドウのように丸く房になってたくさんの実をつける中に、新しい葉になろうとしている芽が見られましたっ。

もう寒いから、きっと来年暖かくなるまでこのままかな~と思いますが、この芽が来年また元気な葉を伸ばし、太陽光を浴びて成長していくのですね。
他の葉達は枯れてなくなってしまうけど、この芽がしっかり残って命をつないでいくのでしょう。

秋の寒空の下、植物の力強い生活に目をやってみると、風邪なんてひかずにいつでも元気に外にお出かけしていたくなりますね!
本当は寒がりで、こんな日はずっとおこもりしていたい私ですが^^;
さぁ、あったかグッズに助けを借りてしっかり防寒して、私達と一緒にお外ライフをますます楽しんじゃいましょう~!

(友)




 
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雨の中でも

2009年10月24日 | 
今日は午前中から雨が降り始めました。
しばらく続いた秋晴れの日々もお休みです。

大島では7日から8日にかけて台風18号がもたらした雨以来、久し振りのまとまった雨になります。
恵みの雨ですね。
もっと降ってくれてもいいです。


そんな雨の降る午後、犬の散歩も兼ねて鳥を探しに行ってきました。

和泉浜(いづみはま)、万立(まんたて)、野田浜(ぬたのはま)と探しましたがやはり雨のせいか鳥たちもあまり姿を見せません。
双眼鏡で見ると沖にはオオミズナギドリがナライの風に乗ってたくさん飛んでいるのが見えます。

牧場にはとてもたくさんのスズメたち。
一体何羽いるのでしょうか?
地上に降りてなにかをついばんだり葉の落ちたオオシマザクラでおしゃべりしたり、とても賑やかです。

オオバヤシャブシの上にはじっと雨に耐えるキジバトが1羽。

近くの電線にはムクドリが7羽いて小競り合いが絶えません。



そうだ、あそこに行けばあの鳥がいるかも・・・と思って行ってみると、やはりいました。
それも7羽で。



場所は空港の駐車場、鳥はハクセキレイです。



車の中で見ているととても近くまで近寄ってきます。
雨が降る中、懸命に食べ物を探しています。






この子はミミズを見つけました。










顔が黄色い鳥はまだ若い鳥です。



ハクセキレイは大島では秋と春に多く見られます。
繁殖はしていないようです。
しかしハクセキレイは近年繁殖地を広げている鳥のひとつで、そのうち大島でも子育てするようになるかもしれません。

いつか、巣立ったばかりのハクセキレイのヒナに出会う日がくるかもしれませんね。



雨の中でも必死で食べ物を探して生きていかなければいけない鳥たち。
これからどんどん寒くなって食べ物も見つけにくくなります。



私はこんなんでいいのだろうか・・・?

と、ちょっと自分の人生を見つめ直してみたくなる雨の一日でした(笑)






本日のオマケの一枚。



朝、雨がポツポツ降り始めたときに沖を通過していきました。
『ふじ丸』です。
オオミズナギドリをお供にしているのですが、残念、この写真では確認できませんね。


沖を通る船を見るのも、大島での楽しみのひとつです。



    がんま
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今日の三原山ツアー

2009年10月23日 | ツアー
今日は私と同年代の女性お2人を案内して、三原山を歩いてきました。
歩き始めにかかっていた雲も途中から晴れ、快適な山歩きでした。

山はススキが穂を開き始め、ノコンギクやハチジョウアキノキリンソウがあちらこちらで花をつけていました。
秋ですね~。(写真はお客様が見つけたハチジョウアキノキリンソウです)


アシタバの小さな花の可憐さや、翼のついた風に舞う種や、変わった形の原始のシダや、
荒々しい溶岩などをゆっくり観察しながらのんびり火口展望台を目指しました。

溶岩が避けて通った三原神社はいつ訪れても迫力があります。
ここに来ると「本当に神様の力が働いていたのかも。」という気分になりますね。


火口展望台も視界良好!雄大な景色が楽しめました。
今日はいつもより水蒸気がいっぱい上がっているような気がしました。


帰りは舗装道路を抜けて、よりワイルドな道へ。(あ、でもちゃんと予定のコースです)
シロダモやヤブコウジやウラシマソウの赤い実や、カップに入ったようなウツギの実を見つけながら歩きました。
鳥が喜びそうな美味しそうなツヤツヤした実がいっぱいありました。

さて下山の途中、ちょっとだけ寄り道をして、林道に入りました。
「そろそろイズノシマダイモンジソウが咲く時期だなぁ。」と思ったからなのですが…。
なんと林道に車を入れたとたんにアサギマダラがヒラヒラと飛んでいるではありませんか!!

しかも3匹も!!
1匹でも綺麗なのに3匹が交差しながらヒラヒラ飛び交う光景はホント~に素敵でした。


何とか興奮を静めて車に乗り走り始めたのですが…イズノシマダイモンジソウは予想どおりかわいい花をつけ始め、
キジは逃げず、テイカカズラは赤く長い実を垂らし…一瞬車を降りてツアー第2部を始めたくなりました(笑)。

自然好きのお客様のおかげで、とても楽しい半日でした。
ありがとうございました!

(カナ)

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石の年月

2009年10月22日 | 火山・ジオパーク
 ちょっと気になることがあって、夕方「海のふるさと村」へ行ってきました。島の東海岸にある都立公園の一部(現在、管理は町?)で、宿泊ロッヂやキャンプ場、プール、自然探索路、テニスコートなど、広大で設備が充実しキレイに整備された贅沢な場所です。その割りに安価で利用できるのが、また魅力です。夏なら、すぐ下のメメズ浜で泳げますし、釣りは年中可能です。



 この「海のふるさと村」は、高い山尾根を隔てて、北側の大島公園の動物園と隣りあっているので、家族連れでのんびり、ゆったり過ごすには打って付けの場所です。以前は「ふるさと村」側と動物園側を結ぶ海岸遊歩道があり、役の行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの窟(いわや:海蝕洞)も行けたのですが、落石や老朽化で通行出来なくなっています。そのため、代わりの連絡通路として、1993年11月に大島一長い556mのトンネルが開通し、歩行者や関係車両の通行が便利になりました。

 写真の玄武岩(げんぶがん)は、このトンネルの中に展示してあるものです。かたわらの立て札には、「200万年~800万年前ころ、行者窟火山の噴火で生成された玄武岩」と説明されています。うーーーん? 200万年と言っても???

 約180万年前からの更新世の時代にも氷期と間氷期(温暖期)が繰り返され、三原山火山が出現したのは今から数万年前のウルム氷期の頃と考えられていて、とても若いのです。

 この玄武岩は、それよりずっとずっと前の火山活動で誕生したことになります。この10月2日発行のアメリカの科学誌『サイエンス』に、アフリカのエチオピアで発見された440万年前に生息していた人類の祖先ラミダス猿人の研究結果が発表されました。

 遺伝学的な研究では、ヒトの祖先は600万年前ごろにチンパンジーとの共通の祖先から分かれたことが知られています。大島の元になっている古い島々は、この頃できたのでしょうか?

 9月3日の科学誌『ネイチャー』電子版に、スペイン南東部の旧石器時代の遺跡から出土した石器が90万年前のものと推定され「欧州最古の石器か」と発表されました。9月29日には、「日本国内最古の石器か」として、鳥取県内で約12万年前の中期旧石器時代の石器発見と発表され話題になりました。こんなにヒトの歴史は若いのですね~!

 石の年月を思うと気が遠くなりそうですが、たまには、大先輩たちのことも考えてみます。



 冒頭の「気になること」は、またの機会に報告します。(なるせ)



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