グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

2020年春の景色

2020年04月30日 | 火山・ジオパーク
ある読者の方から「最近ブログで火山の風景がないのがさみしい」という声をいただいたので、昨日嶋田と三原山の裾野を歩いてきました。

山頂口からの眺め。

オオシマツツジの花は他に目につかなかったので、今が咲き始めのようです。

森では葉っぱの真ん中に花が咲く“ハナイカダ”が満開でした。

5mmぐらいの小さな花ですが、雄花は集まって咲くので花束のようで可愛いです。

蜜も甘いらしく、小さな虫たちが集まっていました。

(虫の正体を調べたら、クロクサアリとトガリバアカネカミキリが一番近かったです)

イズホソバテンナンショウもあちらこちらで花を咲かせていました。

太陽の光が花弁を透かして、美しかったです。

森を抜け広い場所に出ると、あちらこちらに火山弾が転がってます。

来るたびに割れて形が崩れたものが、増えている気がします。

キノコみたいな形に割れてるものもありました。


11時ごろ赤ダレに到着。

太陽が高い位置にある時間だったので、両側の壁に太陽光が当たって綺麗な赤色でした。

三原山の東側に位置する白石山の麓。

このあたりは1778年の噴火で流れた溶岩らしいのですが、板のように立ち上がった形が不思議な雰囲気を作っています。

これらの岩は、火山弾なのでしょうか??

それとも溶岩流がこれほど高くめくれ上がることがあるのでしょうか??

私のお気に入りの岩に挨拶。

ずっと前から「おにぎりみたいな形が面白いなぁ」と思っているのですが…

帰宅後ふと思い立って、6年前の写真と比べて驚きました。

表面が今にも剥がれそうなのに、形は全然変わっていませんでした!
前述の火山弾のように、ひび割れてどこかが欠けているだろうと思っていたのですが…頑張っていますね!

一方、硬い岩と違って風雨の影響を受けやすい裏砂漠の地面は、どんどん変化します。
この曲線は、いつの雨が作った作品なのでしょうか?

水の流れが蛇行することがよくわかります。

別の場所にも、美しい曲線が描かれていました。

過去の噴火と雨と風が作りあげたアート作品ですが、次に来る時は変わっているかも…

帰りの森では、カエルを咥えて走るイタチの姿や…


太陽に照らされる虫の影。


葉裏にひっそりと咲く満開のメギの花など、生きものたちの生命の営みが感じられました。

以上、2020年春の三原山裾野の景色たちでした。

人間がコロナと上手に付き合える日が、少しでも早くやってくることを願いつつ…歩きました。

(かな)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノビタキ

2020年04月29日 | 
昨日やっとノビタキに出会えました。
朝の牧場です。



これはちょっと遠いですがそれぞれ別個体。


さらに別個体。
これが一番近かったけど。


さらにさらに別個体です。
ここにはこの4羽がいたようですが完全な夏羽のオスには会えませんでした。

そしてセイタカシギは昨日の時点でまだ同じ場所にいました。

いつまでいてくれるでしょうか。

がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チャアミガサタケ

2020年04月28日 | キノコ・菌・微生物
先日、愛宕山に写真を撮りに行った時、足元に網目模様のキノコがあることに気がつきました。

アミガサタケ!人生2度目の出会いです(チャアミガサタケと呼ばれるタイプらしい)

嬉しくて足を止め、近づいてゆっくり見ました。

ちょっと小さめです(7cmぐらい)

すぐ下には落葉したヒサカキの真っ赤な葉っぱと、小さなサクラの実が落ちていました。

これは!←キレイに飾ってあげたい気もちがムズムズ(笑)

そこで…

なんだかちょっと、物足りない感じです^^;

これでは、どうでしょう?

「ファイト〜!」ってう表情が出ているかな?

せっかくなので赤で統一!

う〜む…^^;

アミガサタケのくぼみは意外と浅く、葉っぱも桜の実もすぐに落ちてしまって、なかなか思ったような表情が作れませんでした。

でも今が旬のキノコやサクラの実と遊べて、森の中の幸せなひと時でした😃

(かな)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

痛~い

2020年04月27日 | その他

『足が痛~い』筋肉痛です。原因は

ここの岩場を歩いたから!岩や丸い石の上を片道500mほどあるいただけです

今までも何回か歩いたところでしたが、近頃歩いていなかったので筋肉量が減ってしまったのでしょうね。富士山の翌日にもこんな筋肉痛を経験しましたが

 

大きな石は想像力を刺激して 何に見えますか?

テリア、サイ、カエル見る角度によって変わります

 

新しく崩れてきた

焼き菓子にしか見えないのはランチ前だからでしょうか?(今度ジオ菓子作って見よう)

 

こちらはどちらが上だったのでしょうか

長い時間かかって大島の一部を作って来た破片はこれから風雨波にさらされどこに行くのでしょうか?

 

崖はまだまだ崩れますよ

その時は私の居ない時に人が居ない時にお願い致します

 

最終地点はここです

分かる人は分かりますよね

 

風も無く暖かな日。波も穏やかな島の一日でした(その日は)   翌日にこの筋肉痛!

 

痛いと言えばもう一つ『おしりが痛い』

あまりに座りっぱなしなので(長い時間、長い日数)おしりの骨が当たって痛い。今流行の卵が割れない座布団欲しいのが今の心境です。もう少し頻繁に体を動かさなくては(しま)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

火山の島の土壌細菌

2020年04月26日 | キノコ・菌・微生物
約3年前に三原山ツアーに参加された微生物の研究者の方から「伊豆大島から見つかった2つの土壌細菌の新種の論文が受理された」という連絡をいただきました!

現在、国際機関に新種として正式に登録を申請中とのことです。
(論文は公開されていてこちらで見ることができます)

今回、新種登録される可能性の高い細菌が見つかった場所は、愛宕山と赤禿の2箇所。

下の地質図の赤丸が付いている場所が愛宕山です。


下の写真の右側にある小さな山で、標高は120mほど。


数千年前の噴火でできた山ですが、愛宕神社があったおかげで薪炭にするための伐採から免れ、巨木の森が残されています。


堂々としたスダジイの巨木や…


頭上高く枝を伸ばしたタブノキが森を作っています。(高さ20mぐらい?)


地面は枯葉でフカフカですが…


土手には普通の土とは違うサラサラの火山灰が積もってます。


サラサラなので指で押すとどんどん奥まで入っていきます。


火山の噴火と植物たちが年月をかけて作り出した愛宕山の地面から見つかった細菌には、場所にちなんでP. atagosisという名前が付けられました。


次に、赤禿(あかっぱげ)の場所を地質図上で赤丸で囲んでみました。


こちらも数千年前の噴火で出来た海岸沿いの丘で、火口の大部分が波で削られ今の形になったと言われています。


火口のそばには熱々のマグマのしぶきが積もるので、酸素と反応して赤くなります。

赤い部分は今もスカスカで水も通しやすいし崩れやすいく、常に波や強い潮風にさらされる過酷な環境です。

それでも植物たちが生えています。


火山と海と植物たちが駆け引きをしながら今の景色になった赤禿(あかっぱげ)の地面から見つかった細菌は、P. akappageaと名づけられました。

私は正確な採取場所は知らないので、実際の採取場所と今回のブログの載せた土壌の様子は異なってる可能性もありますが、でも全く異なる環境から違う種類の土壌細菌が見つかったことは、とても興味深いです。

ところで土壌細菌は、動植物などの死骸を分解し、植物が栄養として使える形に戻す働きをする微生物の一種です。(良い畑の土には1g 当たり1億以上もの微生物がいるとも言われているようです)

土壌細菌は化学物質で汚染した土壌を修復するために利用されたり、植物の生長を助けたり、時には人間のための抗生物質の開発に役立ったりすることもあるそうです。

2万5000年前に海面に顔を出し、活発な火山活動を続けてきた若い火山島の伊豆大島。

噴火、暴風、大波など厳しい自然環境の中で命を繋いできた土壌細菌たちが、いつか人の役にたつ存在になれる可能性だってあるかもしれません。

なにしろ、たくましさはピカイチのはずなので!

ということで、未来の可能性を夢見て…

目には全く見えないアカッパゲの土壌細菌たちに…ピース❗️❤️


(かな)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オオルリ来ました。

2020年04月25日 | 



昨日、毎年確認に行っている場所にもう来ている頃だろうと行ってみるとやっぱり来ていました。
美しい歌声を響かせています。




同一個体。
いつ見ても安定の美しさ。


道路に降りてなにか食べていました。

がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大島の空から (山肌染める大島桜)

2020年04月24日 | その他
先月末、久々にドローンを持って山へ行ってきました。
毎年この時期、島内180万本と言われる大島桜で島全体が白く染められます。
昨年は、この桜を目的に何組かのお客様をご案内しました。
今年は見て頂ける状況にないので・・・残念ですが画像でご紹介します。

山頂口へ向かう道路を挟み白く点在するのは全て桜。

多少、時期的に早いと思ったのですがほぼ満開です。

こちらはカルデラの中、左から三原山に向いドンドン勢力を伸ばしています。

右上に見える黒い溶岩地帯にも、10本以上若木が進出しています。
桜の実(サクランボ)が鳥や他の動物たちに人気が高い証拠でしょうね。

下に見えるのは“元町”

海側から見上げる事が多いのですが
上から見下ろすと一段とその多さが際立ちます。

島の北西部です。こちらの山肌も白く染められています。

元町林道沿いの“砂防ダムが”見えています。

こちらは、野増“溶岩導流堤”の上部。

突然ですがこの山肌、あと数週間すると違う色に染まります。 さて何色でしょう?
結果は、1ケ月後にご紹介したいと思います。

島の東側“あじさいレインボーライン”“紫陽花の丘”に寄ってみました。

標高の違いでしょうか? こちらの方が花の付きが良いみたいです。
この時期は“桜が丘”ですね。

少しでも早くコロナ騒動が終息し
沢山の皆さんに大島の自然を楽しんで頂きたいと心から望んでいます。 By GIBA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジンガサゴケ

2020年04月23日 | 植物
3月17日に、その存在に気づいたジンガサコケ。

コケの専門家の方に「柄はこれからもっと伸び、葉は構造色なので、見る角度によって虹色に光ります」と教えてもらってから、何度か通いました。(地面に張り付いているところが、苔の葉っぱです)

4月11日には、「雌器托(しきたく)」と呼ばれる胞子をつけた柄が伸びて「陣笠」というイメージどうりの形に成長していました。


なんとも言えない可愛さでした。

これで葉が虹色に光っていたら、どれほど素敵なのでしょう?

…と考えて、時々訪ねては葉を観察しました。

いろいろな角度から眺めたり、晴れている時や、雨上がりなどに観察しましたが…

残念ながら“七色に輝く葉っぱ”は見られませんでした。

でも、十分綺麗でした😊

そして笠の下(?)の胞子は、だんだん黒く熟し…


なんだか宇宙人のような姿(?)になりました。

上の写真は今日の撮影で、既に胞子を飛ばし終わり、萎れたものも混ざっていました。

見事な群生…美しいです。

この場所は自宅から少し離れているので、近所にないかどうか探してみました。

そうしたら、たくさんの別の種類のコケやシダなどの間に、しっかり生きていました。

ジンガサゴケは、日本全国の湿った地面、山地の岩上、人家の石垣などに生きているようです。

時々は足を止めて、この宇宙人みたいな姿の小さなコケを、探してみるのも良いかもしれませんね。

(かな)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイマイカブリ

2020年04月22日 | 
このブログには何度も登場しているマイマイカブリ。
今年の初登場ということでUPします(昨日撮影)



やっぱり見つけたのは車で走っているとき。
マイマイカブリはいつものように忙しそうに歩いていました。
「わっせ、わっせ」という声が聞こえてきそうな勢いです。

写真を撮りつつ車に轢かれないように草むらへ誘導します。



よしよし。


達者でな~。

がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目を凝らしてよく見たら…

2020年04月21日 | 植物
昨日、雨の森に行ってきました。

森の入り口にあるオオシマザクラの若葉。

たくさんの水滴がついている葉と、そうではないものがあるのですが、毛の生え具合が違うのでしょうか??

オオモミジの若葉も、ちょっぴり重そうです。

乾くまで葉を開くのはオアズケですね^^;

先日のブログに登場した、ふわふわの毛に覆われたシロダモの若葉。

まん丸の水滴がたくさん乗っていました。
(これだけ毛に覆われていれば、水を弾きますよね)

一方、葉っぱに毛のないアオキは、水滴は少ないけれど、ツヤツヤで綺麗!


直径7〜8mmの小さな花には、美しい水滴がついていました!


マユミも元気な若葉を伸ばしていました。

秋の実もピンクで華やかですが、この時期の葉の付け根の赤も鮮やかなのですね。

“ぼんぼり”のような形の花が、絶賛開花中のサルトリイバラ。

なぜか葉の表面ではなく、裏側に水滴が?

こちらは嶋田が以前、ブログに載せていたミツバアケビの花。

まるでガラス細工のようです。

そして、可愛いのに小さくて目立たないメギの花(直径6mmぐらい)。

なんだか雨粒が重そうでした(^_^;)

でも、小さな花を正面から眺めたら…

キラキラ輝く星に囲まれた太陽のように、華やかに感じました!

一見すると暗くて何もいなさそうな雨の森ですが…

目を凝らして周りをよく見たら、春ならでは、雨ならでは光景に、たくさん出会いました。

(かな)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする